実況!4割打者の新井さん
プロ野球選手になりましたが………?1
1月15日。宇都宮スポーツセンター。
俺はジャージ姿で軽自動車を走らせ、駅前の大きな敷地のスポーツ施設にやってきた。ここは外に青々とした天然芝のラグビー場があったり、ハードやらクレーやらと色んな種類のテニスコートがあったり。
体育館もバスケやバレーの試合を同時に何試合も出来る広さがあり、ジムや温水プールなどもあるので、栃木を拠点とするプロ選手がトレーニングやリハビリに使ったり、もちろん一般の人も気軽に利用出来る施設。
プロ野球のキャンプインまであと2週間。それに先駆けて、北関東ビクトリアの新人合同自主トレが今日から始まる。
今日はその宇都宮スポーツセンターの一部を貸し切って、体力測定やオリエンテーション、薬物や禁止行為などの座学も行われる。
そして、夕方には入寮だ。
それにしても、今日やっと他の新人選手達に会えるから楽しみだ。
ドラフト1位の関東大学ナンバーワン右腕の連城君に、ドラフト2位のサウスポーの碧山君。
この2人は即戦力と謳われているからな。一体どんな奴らなのかめちゃくちゃ興味がある。
機会があれば、一緒にキャッチボールでもしてもらおう。
「みんな集まったか? 私は2軍投手コーチの渡辺だ。こちらは、打撃コーチの水井。最後に守備走塁コーチの鎌田。私達3人で1週間の新人合同自主トレを指導していく。よろしくな」
スポーツセンターのロビーに集合すると、他の新人選手9人と新人合同自主トレを担当するコーチが3人。そして、恐らくは球団のスタッフだと思う人も2、3人いらっしゃった。
これからのスケジュールやら注意事項やらをコーチ陣が順番で説明していた。
みんな真面目な顔をして、その話を聞いている。
俺は新入団選手合同記者会見の時は、インフルエンザで欠席してしまったので、同じテスト入団の柴崎以外とは面識がない。
面識はないので、とりあえず挨拶がてらにドラフト1位のやつから順番に膝カックンしてやった。
「何やってんだ、お前は!!」
途中まで調子よかったのに、ドラ3の奴のところまで行ったところで、打撃コーチのローキックが飛んできた。
みんな緊張しているだろうから、場を和ませようとしただけなのに。
「よーし、全員着替えて外に出ろ。ウォーミングアップをしたら、すぐに50メートル走から始めるぞ」
コーチ陣が、さあいこう! と声を掛けると、新人選手達がヨシッ!と気合いを入れて、自分の荷物を持って歩き出す。
俺もそれに習いながらも、可愛いお尻ちゃんを蹴飛ばした投手コーチをガルルルと睨み付ける。
「新井さん、何やってんすか。ふざけてると怒られますよ」
「もう怒られたんだよ!!」
何故だか俺をなだめるようにドラフト9位の外野手柴崎が現れた。
「もうインフルエンザは大丈夫っすか? 今日は50メートルと3000メートル走があるんすよ?」
「ああ。インフルエンザなんて軽い、軽い。それにしても今日は結構ハードみたいだね」
「確かにそうっすね。でも、したっぱの俺達はこういうところからアピールしていかないといけないんで」
柴崎はそう言って前向きだが、3000メートル走なんて聞いてねえよ! と反論すると、彼は今コーチが説明しばかりじゃないですかと、柴ちゃんは乾いた笑い声を上げた。
「おーい、何してんだ2人とも、早くしろー!」
「あ、はーい! ほら、新井さん。行きますよ」
「ふえーい」
俺はジャージ姿で軽自動車を走らせ、駅前の大きな敷地のスポーツ施設にやってきた。ここは外に青々とした天然芝のラグビー場があったり、ハードやらクレーやらと色んな種類のテニスコートがあったり。
体育館もバスケやバレーの試合を同時に何試合も出来る広さがあり、ジムや温水プールなどもあるので、栃木を拠点とするプロ選手がトレーニングやリハビリに使ったり、もちろん一般の人も気軽に利用出来る施設。
プロ野球のキャンプインまであと2週間。それに先駆けて、北関東ビクトリアの新人合同自主トレが今日から始まる。
今日はその宇都宮スポーツセンターの一部を貸し切って、体力測定やオリエンテーション、薬物や禁止行為などの座学も行われる。
そして、夕方には入寮だ。
それにしても、今日やっと他の新人選手達に会えるから楽しみだ。
ドラフト1位の関東大学ナンバーワン右腕の連城君に、ドラフト2位のサウスポーの碧山君。
この2人は即戦力と謳われているからな。一体どんな奴らなのかめちゃくちゃ興味がある。
機会があれば、一緒にキャッチボールでもしてもらおう。
「みんな集まったか? 私は2軍投手コーチの渡辺だ。こちらは、打撃コーチの水井。最後に守備走塁コーチの鎌田。私達3人で1週間の新人合同自主トレを指導していく。よろしくな」
スポーツセンターのロビーに集合すると、他の新人選手9人と新人合同自主トレを担当するコーチが3人。そして、恐らくは球団のスタッフだと思う人も2、3人いらっしゃった。
これからのスケジュールやら注意事項やらをコーチ陣が順番で説明していた。
みんな真面目な顔をして、その話を聞いている。
俺は新入団選手合同記者会見の時は、インフルエンザで欠席してしまったので、同じテスト入団の柴崎以外とは面識がない。
面識はないので、とりあえず挨拶がてらにドラフト1位のやつから順番に膝カックンしてやった。
「何やってんだ、お前は!!」
途中まで調子よかったのに、ドラ3の奴のところまで行ったところで、打撃コーチのローキックが飛んできた。
みんな緊張しているだろうから、場を和ませようとしただけなのに。
「よーし、全員着替えて外に出ろ。ウォーミングアップをしたら、すぐに50メートル走から始めるぞ」
コーチ陣が、さあいこう! と声を掛けると、新人選手達がヨシッ!と気合いを入れて、自分の荷物を持って歩き出す。
俺もそれに習いながらも、可愛いお尻ちゃんを蹴飛ばした投手コーチをガルルルと睨み付ける。
「新井さん、何やってんすか。ふざけてると怒られますよ」
「もう怒られたんだよ!!」
何故だか俺をなだめるようにドラフト9位の外野手柴崎が現れた。
「もうインフルエンザは大丈夫っすか? 今日は50メートルと3000メートル走があるんすよ?」
「ああ。インフルエンザなんて軽い、軽い。それにしても今日は結構ハードみたいだね」
「確かにそうっすね。でも、したっぱの俺達はこういうところからアピールしていかないといけないんで」
柴崎はそう言って前向きだが、3000メートル走なんて聞いてねえよ! と反論すると、彼は今コーチが説明しばかりじゃないですかと、柴ちゃんは乾いた笑い声を上げた。
「おーい、何してんだ2人とも、早くしろー!」
「あ、はーい! ほら、新井さん。行きますよ」
「ふえーい」
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