実況!4割打者の新井さん
アメリカおばちゃん5
「やあ、新井くん。お疲れ様。迷わなかったかい?」
駐車場に車を止めて、球団本社の入り口まで行くと、建物の中からスカウトの中込さんが現れた。
俺とは段違いのスマートさでビシッとスーツを着こなしている。
「いやあ、この前のステーキはご馳走様でした」
「いえいえ。まさかステーキ2枚をペロッと食べるなんて思わなかったからびっくりしたよ。あの食べっぷりはさすがプロテストを突破してくるだけのことはあるなと思ったね」
ファミレスで1万円分食った時はドン引きだった中込さんだが、どうやら俺の魅力に気付いてしまったみたい。
「とりあえず、遅刻せずに来てもらってよかったよ。出来れば迎えに行きたかったんだけどね。ちょっと午前中用があってさ」
「大丈夫っすよ。宇都宮はちょくちょく遊びに来ますし、スカウトのお仕事も忙しいでしょう?」
「はっはっはっ! 新人選手にそう言われたら立場がないなあ。でも君、宇都宮に来るといっても、どうせパチンコするだけでしょ?」
「あら、バレてましたか」
「新人選手の素行調査も俺の仕事さ」
中込さんはそんな風に俺をちょっとからかうようにしながら、エレベーターの前まで案内し、6階のボタンを押した。
エレベーターの横に備え付けてあるパネルには1階が受け付け窓口だの、2階が日本ビクトリア営業部だの。
3階がカスタマーセンターだの書かれているけど、中込さんが押した6階には社長室としか書かれていない。
入団契約ってわざわざ社長室ではやらないんじゃないの?
普通に会議室とか応接室でいいじゃない。
俺はドラ10なのよ?いきなり社長室なんて緊張しますわよ。
中込さんと一緒に上がったエレベーターが6階に止まった。
ドアが開くと微かに甘い香りが吹き込んできた。
エレベーターを出ると他の階とは違った様子でかなりこの6階はやたら広く感じた。
社長室があるフロアというだけあって、随分とお金が掛かってそうな内装が施されている。
広いロビーの真ん中にはそれはそれは豪華なシャンデリアが圧倒的な存在感で天井からぶら下がっている。
その側には高級そうな壺。絵画。まさにお金持ちの空気感。雰囲気が漂っている。
足元には真っ赤な絨毯が部屋いっぱいに敷き詰めれている。
「オー! スシボーイ!!」
え? 嘘だろ? 頭が真っ白になった。
その真っ赤な絨毯の伸びる真ん中の、社長室と札の掛かった1番大きな扉が開かれ、出てきたのはなんと、さっきの回転寿司屋で会った真っ赤なスーツのアメリカおばちゃんだったのだ。
そして、俺を見付けると、ものすごい猛ダッシュで近付いてきた。
「オー!! スシボーイ! チュッ! ブチュッ!!」
ぐええっ!!? 頬にめっちゃキスされた………。
おばさんはがっと俺を抱き締めると赤く膨らんだ唇を俺に近付ける。
俺はマジで今までの人生で本当に体が拒否反応を示し、本気で人を突き飛ばした。
「アウウッ!! オーノー………」
おばさんは派手に吹き飛んだけど、なかなかの足腰をしているようで体勢をすぐに立て直す。
逆に俺の方が腰砕けになり、キスされた頬を手で拭いながら絨毯に座り込んだ。
はあはあはあ。と、俺とおばさんの切れた息だけが聞こえる。
「だ、大丈夫ですか!? ビクトリアさん! どうしたのですか。突然走り出して!」
そして、さらに社長室からスーツ姿の女性が現れ、アメリカおばちゃんに駆け寄ってきた。
回転寿司屋の駐車場で見た眼鏡さんだ。
駐車場に車を止めて、球団本社の入り口まで行くと、建物の中からスカウトの中込さんが現れた。
俺とは段違いのスマートさでビシッとスーツを着こなしている。
「いやあ、この前のステーキはご馳走様でした」
「いえいえ。まさかステーキ2枚をペロッと食べるなんて思わなかったからびっくりしたよ。あの食べっぷりはさすがプロテストを突破してくるだけのことはあるなと思ったね」
ファミレスで1万円分食った時はドン引きだった中込さんだが、どうやら俺の魅力に気付いてしまったみたい。
「とりあえず、遅刻せずに来てもらってよかったよ。出来れば迎えに行きたかったんだけどね。ちょっと午前中用があってさ」
「大丈夫っすよ。宇都宮はちょくちょく遊びに来ますし、スカウトのお仕事も忙しいでしょう?」
「はっはっはっ! 新人選手にそう言われたら立場がないなあ。でも君、宇都宮に来るといっても、どうせパチンコするだけでしょ?」
「あら、バレてましたか」
「新人選手の素行調査も俺の仕事さ」
中込さんはそんな風に俺をちょっとからかうようにしながら、エレベーターの前まで案内し、6階のボタンを押した。
エレベーターの横に備え付けてあるパネルには1階が受け付け窓口だの、2階が日本ビクトリア営業部だの。
3階がカスタマーセンターだの書かれているけど、中込さんが押した6階には社長室としか書かれていない。
入団契約ってわざわざ社長室ではやらないんじゃないの?
普通に会議室とか応接室でいいじゃない。
俺はドラ10なのよ?いきなり社長室なんて緊張しますわよ。
中込さんと一緒に上がったエレベーターが6階に止まった。
ドアが開くと微かに甘い香りが吹き込んできた。
エレベーターを出ると他の階とは違った様子でかなりこの6階はやたら広く感じた。
社長室があるフロアというだけあって、随分とお金が掛かってそうな内装が施されている。
広いロビーの真ん中にはそれはそれは豪華なシャンデリアが圧倒的な存在感で天井からぶら下がっている。
その側には高級そうな壺。絵画。まさにお金持ちの空気感。雰囲気が漂っている。
足元には真っ赤な絨毯が部屋いっぱいに敷き詰めれている。
「オー! スシボーイ!!」
え? 嘘だろ? 頭が真っ白になった。
その真っ赤な絨毯の伸びる真ん中の、社長室と札の掛かった1番大きな扉が開かれ、出てきたのはなんと、さっきの回転寿司屋で会った真っ赤なスーツのアメリカおばちゃんだったのだ。
そして、俺を見付けると、ものすごい猛ダッシュで近付いてきた。
「オー!! スシボーイ! チュッ! ブチュッ!!」
ぐええっ!!? 頬にめっちゃキスされた………。
おばさんはがっと俺を抱き締めると赤く膨らんだ唇を俺に近付ける。
俺はマジで今までの人生で本当に体が拒否反応を示し、本気で人を突き飛ばした。
「アウウッ!! オーノー………」
おばさんは派手に吹き飛んだけど、なかなかの足腰をしているようで体勢をすぐに立て直す。
逆に俺の方が腰砕けになり、キスされた頬を手で拭いながら絨毯に座り込んだ。
はあはあはあ。と、俺とおばさんの切れた息だけが聞こえる。
「だ、大丈夫ですか!? ビクトリアさん! どうしたのですか。突然走り出して!」
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回転寿司屋の駐車場で見た眼鏡さんだ。
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