実況!4割打者の新井さん
プロテスト8
とは言いつつも、とりあえずは自分に出来るバッティングをしようと胸に近い、ゲージの中に入った。
自分の得意なバッティング。
それは流し打ち。右方向へのミートバッティングだ。
そしてひたすらにボールを打ち返すことだけに集中する。
カアンッ!
「おお、新井!いいねー! ナイスバッティン!!」
他の選手は、豪快にスタンドまで運ぶパワフルな打撃を披露していたけど、俺はひたすら右方向へのバッティングにこだわるフリー打撃にする。
右打者のバッターボックスに入り、バットを構えると、マシン横に立つ人が手を上げ、ボールを入れる。
ボンッ! という鈍い音がすると、真っ白の硬球がこちらに向かってくる。
130キロ程度のストレートだ。
バッティングセンターでいつもやってる速さだし、高校の練習に混ぜてもらった時も、木製バットで打ち返すのに、あまり違和感はない。
今日は調子がいいのか、いつもよりボールもよく見えて、タイミングも気持ち悪いくらいにドンピシャで合う。
バットを振れば、ライト前へ面白いように打球が弾む。
3球、4球、5球と打ち返し続けると、周りから声が飛ぶ。
「お! いいぞ! もう1本!!」
「オッケー、ナイスバッティング! おらー! もう1丁ライトに行くぞー!!」
外角いっぱいにきた最後のボールも、振り出したバットの芯にきっちり、ライト線ギリギリに落ちた。
ありがとうございましたと頭を下げながら、バッターボックスを離れた。
「おい! いいバッティングしてるじゃないすか! ほんとにフリーターっすか?」
次の順番に割り当てられた柴崎が俺のケツを叩き、ゲラゲラ笑いながら、ゲージの中に向かっていく。
しかし、満足以上のフリーバッティングが出来た。
30スイング程で半分以上は完全にヒットコースだったし、とにかくボールがよく見えた。
初めの2、3球で上手く右中間に運べたのが自信になり、緊張もほぐれて、気持ちよくバッティング出来た。
手に残る痺れる感覚すらも心地よい。
俺の中では200点だね。生涯で最高のバッティングをしたと言ってもいい。
「うらあっ! どうじゃ!!」
柴崎が左打席からライトスタンドにホームランを連発している姿を見ても、何も感じないくらいご機嫌だよ。
「それでは、これより2チームに分けて試合形式のケース打撃を行う。ホワイトボードの打順とポジションを確認して準備してくれ。5分後に始めるぞ」
フリーバッティングも一段落するといよいよ最後のケース打撃の時間となった。
ノーアウトランナー1塁の場面で行うらしい。
ホワイトボードを確認すると、俺は後攻チームの9番レフトだった。
まあ妥当だな。
「うっす! 一緒のチームっすね!」
柴崎が馴れ馴れしく俺の肩を叩く。
さっきのフリーバッティングでサク越えを連発していて、コーチ陣からも一目置かれていたようだった。
後攻チームの1番センターだ。まあ、妥当は妥当か。
「ま、気楽にやりましょうよ!」
鼻歌交じりにセンターへの守備へと向かっていく柴崎。ずいぶんと有頂天になっているな。
下手なエラーとかすればいいのに。
自分の得意なバッティング。
それは流し打ち。右方向へのミートバッティングだ。
そしてひたすらにボールを打ち返すことだけに集中する。
カアンッ!
「おお、新井!いいねー! ナイスバッティン!!」
他の選手は、豪快にスタンドまで運ぶパワフルな打撃を披露していたけど、俺はひたすら右方向へのバッティングにこだわるフリー打撃にする。
右打者のバッターボックスに入り、バットを構えると、マシン横に立つ人が手を上げ、ボールを入れる。
ボンッ! という鈍い音がすると、真っ白の硬球がこちらに向かってくる。
130キロ程度のストレートだ。
バッティングセンターでいつもやってる速さだし、高校の練習に混ぜてもらった時も、木製バットで打ち返すのに、あまり違和感はない。
今日は調子がいいのか、いつもよりボールもよく見えて、タイミングも気持ち悪いくらいにドンピシャで合う。
バットを振れば、ライト前へ面白いように打球が弾む。
3球、4球、5球と打ち返し続けると、周りから声が飛ぶ。
「お! いいぞ! もう1本!!」
「オッケー、ナイスバッティング! おらー! もう1丁ライトに行くぞー!!」
外角いっぱいにきた最後のボールも、振り出したバットの芯にきっちり、ライト線ギリギリに落ちた。
ありがとうございましたと頭を下げながら、バッターボックスを離れた。
「おい! いいバッティングしてるじゃないすか! ほんとにフリーターっすか?」
次の順番に割り当てられた柴崎が俺のケツを叩き、ゲラゲラ笑いながら、ゲージの中に向かっていく。
しかし、満足以上のフリーバッティングが出来た。
30スイング程で半分以上は完全にヒットコースだったし、とにかくボールがよく見えた。
初めの2、3球で上手く右中間に運べたのが自信になり、緊張もほぐれて、気持ちよくバッティング出来た。
手に残る痺れる感覚すらも心地よい。
俺の中では200点だね。生涯で最高のバッティングをしたと言ってもいい。
「うらあっ! どうじゃ!!」
柴崎が左打席からライトスタンドにホームランを連発している姿を見ても、何も感じないくらいご機嫌だよ。
「それでは、これより2チームに分けて試合形式のケース打撃を行う。ホワイトボードの打順とポジションを確認して準備してくれ。5分後に始めるぞ」
フリーバッティングも一段落するといよいよ最後のケース打撃の時間となった。
ノーアウトランナー1塁の場面で行うらしい。
ホワイトボードを確認すると、俺は後攻チームの9番レフトだった。
まあ妥当だな。
「うっす! 一緒のチームっすね!」
柴崎が馴れ馴れしく俺の肩を叩く。
さっきのフリーバッティングでサク越えを連発していて、コーチ陣からも一目置かれていたようだった。
後攻チームの1番センターだ。まあ、妥当は妥当か。
「ま、気楽にやりましょうよ!」
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