転生して、小魚から龍になる〜人化して国王に〜

ドラ猫

第七十一話 第二王女


究極大回復アルティメットヒール!!」

その瞬間、俺の髪の毛は逆立ち、俺から黄金のエネルギーが溢れ出る。そのエネルギーは俺の右手へと集まり、王女の体へと流れていく、、、。





な、なんなのこれ、、き、気持ちいい!

私は背中から流れてくるエネルギーのような何かを心地よいと感じる。

まるで、私の中にある悪い何かを消し去って暮れているかのように体がすっきりしてくる。

「あ、あれ?」

私は腕をまわしている。か、軽い!?

「はい。終わりましたよ。」

後ろから声が聞こえる。

もしかして、本当に治っちゃったの!?

驚きやら感動やらで、涙が溢れそうになりながら、後ろを振り向く。

後ろには、笑顔でこちらを見ているカイルという男の子の顔があった。

かっ、かっこいい!!

さっきまではなんともなかったのに、、なによ。この胸の高鳴りは、、。

私は自分の顔が異様に熱く、赤くなってることに気づく。

「あ、あまり見つめないでください。」

「あ、ごめんなさい。その、体調どうかなと思いまして。」

「え、ええ。すごく良くなりました。全部あなたのおかげです。本当にありがとうございます!」

私は深々と頭を下げた。





私は信じられなかった。今、カイルはなんと言った?究極大回復アルティメットヒールだと?そんなもの、神話にしか、いや、神話にすら出てこないぞ、、。

てっきり、完全回復パーフェクトヒールを使うのかと思っていたが、、、アルティメットとは、その分野に最も秀でた神が使うとされている最強の魔法のこと、、。

それを使うとは、一体何者なんだ、、。

それよりも、娘の容体はどうなったのだろうか。

「カイルよ。娘は完全に治ったのか?」

「はい。完全に治りました。それに、一生病気にかからず、長生きできるでしょう。」

「そ、それは誠か、、。」

私は嬉しさのあまり涙が出てきた。隣で妻も泣いているのがわかる。おそらく影で随分苦労していたのだろう。




究極大回復アルティメットヒールが終わった後すぐに、俺は鑑定を行う。

【名前:アリシア・フォン・アステリシア
 種族:神霊族
 年齢:5
 レベル:1
 状態:良好
 HP:10,000
 MP:8,000
 攻撃:3,500
 防御:4,400
 速さ:3,600

 固有能力:純粋Lv.1 幸運Lv.1

 スキル:基本四元素魔法Lv.1
    多能身体Lv.1

 称号:魔法神の加護 大地神の加護
   運命神の祝福 生命神の加護】

これはやりすぎだな、、。俺の神気に当てられて、神霊族になってしまっているし、美徳スキル、純潔系である、純粋を開花させてしまった。能力値もありえないほど高い。

これはとてもじゃないが見せられないな、、。つまり、偽装する必要がある。どうしたものか。


【名前:アリシア・フォン・アステリシア
 種族:人間族
 年齢:5
 レベル:1
 状態:良好
 HP:500
 MP:600
 攻撃:300
 防御:400
 速さ:350

 固有能力:純粋Lv.1 幸運Lv.1

 スキル:基本四元素魔法Lv.1
    多能身体Lv.1

 称号:魔法神の加護 大地神の加護
   運命神の祝福 生命神の加護

こんな感じでよろしいのでは?】

うん。そうだね。さすが、ソフィア。

【それよりも前を見てください。】

ん?

そこには涙のせいか、顔が真っ赤になった王女の姿があった。

体調は完全に良くなったのだろうか?正直、俺の神気を流したのだから、不快感を味わっていてもおかしくはない。

「あ、あまり見つめないでください。」

王女がさらに顔を赤くしながら言う。

「あ、ごめんなさい。その、体調どうかなと思いまして。」

「え、ええ。すごく良くなりました。全部あなたのおかげです。本当にありがとうございます!」

先ほど、あまり見つめないでと言った割には、ものすごく顔を近づけてくる。

「あ、アリス?顔近いよ。」

シルクが言う。

「ふぇ?」

ようやく自覚したのか、さらに顔を赤くして俺から離れる。

「ご、ごめんなさい。」

「いえ、回復されたようで何よりです。」

「カイル君もアリスは王女様なんだから、そんなに近づいちゃダメよ。」

「ご、ごめんなさい。」

俺は素直に謝る。

「はっはっは!若いっていいのう。」

「ええ。我が娘ながら、見ているだけで恥ずかしくなりますわね。」

王様、王妃様がからかう。





「国王様、念のため、ステータスの確認をお願いします。私には鑑定眼がありますので不要ですが、事実を確認するには必要でしょう。」

「まあ、私らはすでにお主のことを信頼しておるが、そうだな。念のため必要ではあるかもしれんな。おーい。」  

そこに、水晶を持ったメイドが入ってくる。

「では、かざしてみます。」

王女が水晶の上に手をかざす。


 名前:アリシア・フォン・アステリシア
 種族:人間族
 年齢:5
 レベル:1
 状態:良好
 HP:500
 MP:600
 攻撃:300
 防御:400
 速さ:350

 固有能力:純粋Lv.1 幸運Lv.1

 スキル:基本四元素魔法Lv.1
    多能身体Lv.1

 称号:魔法神の加護 大地神の加護
   運命神の祝福 生命神の加護


「なんだと!?」

「まあ。」

王様と王妃様が驚く。開いた口が塞いでいない。

「スキルが増えていないか?それに能力値も。こんなことって、、。」

みんなが俺に目を向ける。

「ぼ、僕にもわかりません。」

一応とぼけたふりをしておく。おーい。ソフィアー。なんかみんなから疑われるんだけど!

【はい。疑われるのも不思議わないステータスですからね。でも、後々を見ると、こっちの方が絶対いいですよ!】

そうか。後々ね、、。









コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品