転生して、小魚から龍になる〜人化して国王に〜

ドラ猫

第五十六話 対瘴気大回復

さて、すこし、ウィルフィードの領都について少し紹介しよう。

ウィルフィードの領都は、高い壁で囲まれているて、関所以外からは入れないようになっている。ちなみに、面積は東京23区ほどの大きさらしいからとても広い。また、街の中心は商店街となっており、たくさんの物や人が移動している。世界有数の大商店の支店もあるぐらい経済にとっても重要な場所らしい。

ちなみに、領主の屋敷は領都の最北にある。街の中心部からは少し離れたところだ。


さて、俺は今、この領都に入るため関所の列に並んでいる。空間転移で行ってもいいんだが、やはり、出入りは管理されているので不法侵入はしたくない。

だが、一つ問題がある。それは俺たちは身分証明書を持っていないということだ。

(なあ、ソフィア。身分証明書って作れるか?)

【そんなのおやすい御用ですよ!】

俺は身分証明書がどんなものかよく知らないので、ソフィアにお願いする。正直、俺にはもう怖いものなんてない。なんでも作れてしまうからな。

「はい。これが桜の身分証だ。そこらへんの村出身ってことにしてある。」

「へー。やっぱり、兄さんはすごいね。」

まあ、すごいのは俺じゃなくて、ソフィアなんだけどな。

「お、順番が来たみたいだよ。」

俺たちは、門番に身分証を提示する。

「よし。通っていいぞ!」

こうして、俺たちは領都に入っていった。





そこには、たくさんの商店が並んでい、、なかった。まあ、知っていたけどな。

現在、領都は悪魔の襲撃を受けたことで半壊状態だ。それに、未だ、瘴気によって寝たきりのままの人もいる。

うーん。とりあえず、復興の手伝いをしようか。

その前に、、なあ、ソフィア。瘴気で苦しんでいる人って今どのくらいいる?

【主に魔の森に近いこのウィルフィード領に1000人程度います。】

そうか。瘴気が出たのは俺の責任だから、俺が治癒する必要がある。

特大範囲対瘴気大回復ハイヒール・ホーリーワールド!!」

その瞬間、俺を中心に瘴気を吹き飛ばす聖気が広がり、一瞬、世界が白くなった。






「な、なんだ今のは!?」

「体が軽くなったわ!」

「瘴気にやられてた腕が治った!?」

「なんだなんだ!?」

ウィルフィード領に混乱と歓喜の声が響き渡った。

 



それから1週間後、
〜アステリシア王国王城にて〜

「なんだと!?瘴気の影響が特に酷かったウィルフィード領でか!?」

「はい。現在、ウィルフィード領で、瘴気の影響を受けているものは0人です。」

「謎の光が直してくれたということなのか?」

「はい。一瞬、世界が白くなったと思ったら、瘴気の影響を受けて起き上がることのできなかったものたちでさえ、今は元気だという報告が上がってきています。私も急に視界が真っ白になった後、疲労が回復したような気がしたので、回復効果もあると考えます。」

「そうか、、。お前が言うのなら、真実なのだろう。」

「ありがとうございます。」

「それで、、それはなぜ起きたと思う?人為的なものなのか、神の御意志なのか。」

「調査したところ、この現象は我が領内全域で起こったことであり、とても人為的に起こすなど考えられません。そもそも、王国魔術師でも、一人に対して瘴気を取り除くのが限界でしょう。それを我が領全域となると、、、。神の御意志としか、、。」

「そうであるか。ならば、私は今から教会へ行く。今私が娘にしてやれることは祈ることしかあるまい。」

「ご快復をお祈り申し上げます。」

「うむ。下がって良いぞ。」

「はは。」





時は今に戻る。

「兄さん、今のは?」

「この領内全ての瘴気の影響を受けた人たちを回復させたんだ。」

「へー。すごいことするね。」

「まあな。で、これからどうする?」

「うーん。とりあえず、復興の手伝いをしようか。」

まあ、それしかすることないもんな。今、この街は何もできない状態にあるし。

そこで、俺は、作業をしている人に声をかけてみた。

「あの、何か手伝うことはありますか?」

「ん!?、、えらい可愛いお嬢ちゃん達だなあ。そうだなぁ、手伝うことか、、、。お!ちょうどいいや、あそこを頼むか。」

「あそこ、とは?」

「ああ。俺と奥さんが経営してる宿だよ。そこも今修理中でな。それを手伝って欲しいんだよ。今、家がなくなったって人もいるから、宿の修理は急務なんだ。ちょうど、君たちぐらいの娘もいるから仲良くしてやって欲しい。どうだ?」

「うん。兄さんそこ行こ。」

「そうだね。いかせてもらうことにするよ。」

「おお!そうか!ありがとう。泊まるとこがないなら無料で止めてやるし、ご飯もご馳走になっていてってくれ。場所はそこを右に曲がってまっすぐ行ってしばらくしたら、左側に"銀の宿"って言う看板があるからそこに入ってくれ。」

「わかりました。では。」

俺たちはその場を離れようとするが、

「おおっと、忘れてた。俺の名前はドルトだ。よろしくな。」

まずいな。名前どうしよう。カイルじゃおかしいし。サクラも使わないほうがいいな。

「私は、、、ルイ。こっちはマリお姉ちゃん。」

「マリです。」

「そうかそうか。ルイ、マリ。また後でな。」


こうして、俺たち二人はルイ、マリと名乗り、"銀の宿"に向かうことになった。







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