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好き同士ってめんどくさい

Joker0808

第53話

「フン!!」

ユートは剣で植物の化け物を切りつけ、触手のように伸びる根を次々と切り落としていく。

「おわ!! イデッ!!」

俺を捕まえていた根も切ってくれたようで、俺は宙から地面に落ちる。
これで自由になれたが、未だに化け物がいる事に変わりは無い。

「よし、悠人! 僕の後ろに! このまま決める!」

俺はユートに言われた通り、ユートの後ろに隠れる。
「はっ!」

ユートは俺が後ろに来たのを確認すると、手をかざし、手のひらから大きな炎を出し、植物の化け物を焼き払う。

「ふぅ……下級の魔物だな、恐らく隠れ家を守るための防衛システムだったんだろうね」

「そ、そうか……お前って……本当に強いんだな」

始めてユートの実力と言うものを見たが……本当に強いんだな……怒らせないようにしよ……。

「そんな事ないよ、この魔物は下級だから、誰でも倒せるよ」

「誰でもって……これがかよ……」

デカい上になんか気持ち悪いんだが……。

「そんなことよりも急がないと!!」

「お、おう! そうだな!」

俺たちは再び隠れ家を目指して進み始めた。





「ん……こ、ここは?」

目が冷めると、私は小さな部屋の中に居た。
部屋の中にはベッド、そして机と椅子があり、窓には鉄格子が取り付けられている。

「そうだ……私、連れ去られて……」

だとするとここはどこ?
牢屋にしては清潔感があるし……何より普通の部屋みたい……。
私がそんな事を思っていると、部屋のドアが開き誰かが部屋の中に入ってきた。

「あら、起きたのね」

「あ、貴方は……」

入って来たのは西井さんと瓜二つの少女だった。
しかし、この少女の頭には角が付いており、見た感じ普通の人間ではなかった。

「ご飯持ってきたから食べてね」

「あ、ありがとう……ってそうじゃないわよ! なんで私を攫ったの!」

「……悪いけど、貴方がちょっと邪魔なのよ」

「邪魔って何よ! 私は何も……」

「貴方の存在が……邪魔なのよ!」

そういう彼女の目には涙が浮かんでいた。
彼女の目的は一体何なんだろう……。
そして、なんで彼女は泣いていたのだろう。

「とりあえず、全部終わるまで待ってて……あと、抜けだそうなんて考えないことね」

「まって! 一体なんで私を攫ったの!」

「……言ったでしょ……貴方が邪魔なのよ……」

「邪魔って何よ!! ちゃんと答えなさいよ!」

顔が西井さんだからだろうか?
始めて会った感じのしない私は、初対面なのにも関わらず、強気で話しをしてしまう。

「アンタに何が分かるのよ!! あいつから愛されてるアンタが!!」

彼女はそう言って私の胸ぐらを掴む。
何の事を言っているのだろうか?
それと私とアーネを間違えているのだろうか?
私がそんな事を考えていると、彼女はハッと我に返り私を離す。

「ごめんなさい……貴方には関係無い話しよね」

「連れ去られてるんだから、もう十分関係あると思うけど」

「……こっちの世界の貴方……アーネと私は……元々仲が良かったのよ……」

「え……」

彼女は寂しそうな表情で話し始めた。
彼女は魔王の妹だったらしいのだが、戦いの途中で力尽き倒れていたらしい、そんな彼女を救ったのがユートだった。
ユートは彼女を敵の大将の妹だと知りながらも、彼女の傷が治るまで看病をし、傷が治った後は魔王軍の領地まで送り届けたらしい。
その時にユートやアーネと和解し、人間と魔物の和解の為にユートと一緒に戦ったらしい。
しかし、ユートと過ごすうちに彼女はユートに恋をしてしまった。
だが、彼女は知ってしまったのだ、ユートがアーネを愛している事を……。

「私だって最初は仕方ないって思ったわよ……でも……もう私の心は彼に夢中だった……でも、アーネと結婚した彼を見る度に、私は胸を引き裂かれるような思いだった。苦しくて、苦しくて……そんな時に……私はあの人と出会った」

「あの人?」

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