好き同士ってめんどくさい
第51話
*
彩が連れ去られた。
アーネは俺に待機しているように言ったが、俺は落ち着いてなんて居られなかった。
彩が攫われたのにジッとなんてしてられない!
しかし、部屋のドアには昨晩アーネが掛けた魔法が掛けられており、部屋の外に出る事が出来なくなっていた。
「クソッ!! 一体どうしたら……」
アーネやユートを信用していない訳ではないが、やはり不安だ。
居ても経ってもいられないとはこの事だ。
俺は何をするでも無く、部屋の中をウロウロする。
「あぁぁ!! クソッ!! なんで俺は待機なんだよ!」
一人、部屋の中でそう叫んだところで状況は変わらない。
こうしている間も彩が何をされるか分からない。
なんとか部屋を抜け出さなければ……。
「窓は……無理だよなぁ、開かないし……ここ二階だし……」
うーむどうしたものだろうか……これではトイレに行きたい時はどうすれば……って違う!!
早く抜け出して彩を助けに行かなければ!!
「仕方ない……かくなるうえは……ドアを破壊するか……」
「それはやめてもらえる? 修理が大変だから」
「あ! アーネ! ユートから連絡は!?」
「なんとかするって連絡があったわ……でも……レイミーの足取りが掴めないから……少し時間が掛かるかもね……」
「そ、そうか……やっぱり俺も!!」
「悠人君が行ったところで何も出来ないでしょ?」
「それは……そうだが……」
でも、だからといって何もしないでジッとなんてしていられない!
「でも! それでも俺は!!」
「ダメよ、下手をしたら命に関わるわ……それに貴方は魔法も使えないし……戦いだって……」
「格闘技は結構やってきたぞ!」
「それでもダメです! 貴方は実践経験がありませんし……」
「ジッとなんてしてられねーんだよ!!」
「でも……悠人にもしもの事があったら……」
アーネが悩んでいると、アーネの背後に魔方陣が浮かび上がる。
「アーネ! 状況は!?」
「ユート! もう戻ってきたの?」
魔方陣から現れたのはユートだった、鎧を着込み、右手には剣を持っている。
アーネはユートに状況を説明する。
「……なるほど……レイミーが……」
「えぇ……なぜ彩を攫ったのか……」
「戦場にもレイミーの姿は無かった……だが、戦場で有力な情報を手に入れてきた」
「ど、どんな情報だ!?」
俺はユートの言葉に身を乗り出して尋ねる。
「反乱軍の一人が行っていた、レイミーは別任務で北の山のふもとにある反乱軍の隠れ家に居るらしい」
「だったら、早くそこに!!」
「分かってるよ、幸い戦況は圧倒的に軍が優勢だし、ゼリウスにまかせてあるからね……」
「ユート、気を付けてね」
「あぁ、じゃあ行ってくる」
「待ってくれ! 俺も!!」
俺はユートにそう言う。
ユートについて行けば、アーネを助けられる。
でも……アーネが反対するか……いや、それでも俺は!
「悠人……」
「……頼む」
俺はユートに頼んだ。
ユートは俺の目を見つめる。
「……よし、行こう」
「え? ユート! それは危険よ!」
「だろうね……でも僕も悠人と同じ立場なら……同じ事を言っていただろうね……だから分かるんだ、彼の気持ちが……」
「でも……」
「大丈夫さ……僕は僕を信じてる」
ユートはアーネを説得し、俺に武器と鎧を貸してくれた。
「これを着てくれ、何があるか分からないからね……」
「鎧か随分重いんだな」
「魔法を掛けて軽くするから大丈夫だよ」
準備をえた俺とユートは、レイミーがいるであろう北の山のふもとに向かう。
山までは転移魔法という魔法で一瞬で移動し、そこからは徒歩で隠れ家を探す。
「どこだ? どこにあるんだ……」
「悠人、あまり焦らない方が良い、ここはもう敵地だ!」
彩が連れ去られた。
アーネは俺に待機しているように言ったが、俺は落ち着いてなんて居られなかった。
彩が攫われたのにジッとなんてしてられない!
しかし、部屋のドアには昨晩アーネが掛けた魔法が掛けられており、部屋の外に出る事が出来なくなっていた。
「クソッ!! 一体どうしたら……」
アーネやユートを信用していない訳ではないが、やはり不安だ。
居ても経ってもいられないとはこの事だ。
俺は何をするでも無く、部屋の中をウロウロする。
「あぁぁ!! クソッ!! なんで俺は待機なんだよ!」
一人、部屋の中でそう叫んだところで状況は変わらない。
こうしている間も彩が何をされるか分からない。
なんとか部屋を抜け出さなければ……。
「窓は……無理だよなぁ、開かないし……ここ二階だし……」
うーむどうしたものだろうか……これではトイレに行きたい時はどうすれば……って違う!!
早く抜け出して彩を助けに行かなければ!!
「仕方ない……かくなるうえは……ドアを破壊するか……」
「それはやめてもらえる? 修理が大変だから」
「あ! アーネ! ユートから連絡は!?」
「なんとかするって連絡があったわ……でも……レイミーの足取りが掴めないから……少し時間が掛かるかもね……」
「そ、そうか……やっぱり俺も!!」
「悠人君が行ったところで何も出来ないでしょ?」
「それは……そうだが……」
でも、だからといって何もしないでジッとなんてしていられない!
「でも! それでも俺は!!」
「ダメよ、下手をしたら命に関わるわ……それに貴方は魔法も使えないし……戦いだって……」
「格闘技は結構やってきたぞ!」
「それでもダメです! 貴方は実践経験がありませんし……」
「ジッとなんてしてられねーんだよ!!」
「でも……悠人にもしもの事があったら……」
アーネが悩んでいると、アーネの背後に魔方陣が浮かび上がる。
「アーネ! 状況は!?」
「ユート! もう戻ってきたの?」
魔方陣から現れたのはユートだった、鎧を着込み、右手には剣を持っている。
アーネはユートに状況を説明する。
「……なるほど……レイミーが……」
「えぇ……なぜ彩を攫ったのか……」
「戦場にもレイミーの姿は無かった……だが、戦場で有力な情報を手に入れてきた」
「ど、どんな情報だ!?」
俺はユートの言葉に身を乗り出して尋ねる。
「反乱軍の一人が行っていた、レイミーは別任務で北の山のふもとにある反乱軍の隠れ家に居るらしい」
「だったら、早くそこに!!」
「分かってるよ、幸い戦況は圧倒的に軍が優勢だし、ゼリウスにまかせてあるからね……」
「ユート、気を付けてね」
「あぁ、じゃあ行ってくる」
「待ってくれ! 俺も!!」
俺はユートにそう言う。
ユートについて行けば、アーネを助けられる。
でも……アーネが反対するか……いや、それでも俺は!
「悠人……」
「……頼む」
俺はユートに頼んだ。
ユートは俺の目を見つめる。
「……よし、行こう」
「え? ユート! それは危険よ!」
「だろうね……でも僕も悠人と同じ立場なら……同じ事を言っていただろうね……だから分かるんだ、彼の気持ちが……」
「でも……」
「大丈夫さ……僕は僕を信じてる」
ユートはアーネを説得し、俺に武器と鎧を貸してくれた。
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「鎧か随分重いんだな」
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