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好き同士ってめんどくさい

Joker0808

第41話




「……そういう訳で、俺はこの世界に来たんだよ」

「間抜けな理由ね」

「ハッキリ言うなよ!」

俺は最初に通された部屋に戻り、彩と二人でボードゲームをしながら、この世界に来た理由を話していた。
「そういう彩はどうしてこっちの世界に来たんだよ」

「な、なんでも良いでしょ! それよりもアンタの番よ!」

「俺は話したのに……」

俺はそう言いながら、自分の軍のドラゴンのコマを動かす。
まぁ、彩もこっちの世界に来たのは良かった。
これで明日の約束は自動的に無くなった。
それに今は彩と部屋に二人きり……この状況はかなり嬉しい。

「うーん……どうしようかしら……」

彩はゲームの盤面を見ながら次の手を考えている。
このゲームは俺たちの世界で言うところのチェスのようなゲームで、互いに自軍の駒を動かし、先に王を倒した方の勝ちになる。
まぁ、駒にドラゴンとか不死鳥とかあるだけで中身はあまり変わらない。

「ユートは明日帰れるって行ってたけど……本当に帰れるのかね……」

「さぁ、私に聞かれてもね……でも、普通じゃ絶対出来ない経験だし、それに楽しんだ方が精神的にも楽でしょ?」

「そりゃあそうだけどよ……」

「あ、じゃあこうして私のかーち」

「あ! ちょ、ちょっと待て! 待ってくれ!」

「待たないわよ~だ、これで私の二連勝ね」

「くっそぉ~……」

また負けてしまった。
こう言うゲームはあまり得意では無いんだよなぁ……。

「それにしても……いつまで待たせるのかしら……」

「さぁな、そろそろゲームも飽きてきたな」

ユートとアーネから待っていろと言われて約一時間、そろそろゲームにも飽きてきたし……。

「なぁ、明日の買い物……行けなくなっちまったな……」

「仕方ないでしょ? お互いにこっちの世界に来ちゃったんだし」

「久しぶりの休みだったんだろ?」

「休みなんてまたあるわよ」

「そうだけど……楽しみだったんじゃ……」

「は、はぁ!? べ、別に楽しみなんかじゃないし!! わ、私はただ買い物に行きたかっただけで……」

「俺は……楽しみだったけどな……」

「ふ、ふぇ……?」

「あ……いや……その……」

思わず本音が出てしまった。
彩は俺の方を見て顔を赤く染めている。
恐らく俺の顔も相当赤いだろう、顔がもの凄く熱い……。

「な、なんで……楽しみだったのよ……あ、アンタはただの荷物持ちでしょうが……」

「あ……いや……その……」

言えない……お前と一緒だからなんて、恥ずかしくて死んでしまう……。

「お、俺も買いたい物が……あ、あったんだよ」

「そ、そう……それは残念ね……で、でもアンタこそいつでも買えるでしょ……」

いつでもどころか売ってねーよ……お前とデート出来る権利なんて……。

「限定だったんだよ……明日じゃなきゃ……意味がねー」

「そんな物買おうとしてたの? そんなお金良くあったわね」

「まぁな……でも……もっと良いもん買えたし」

「え? どういうこと?」

お前と二人で過ごせるこの時間だよ。
なんてホストみたいな甘い台詞なんて言えるはずもなく……俺は彩の質問を無視する。

「そ、そういえば遅いなユート達……」

「あ、ごまかした」

「遅いなぁ~」

そんな事を言った丁度その時、部屋のドアが二回ノックされ、中にユートが入ってきた。

「良い雰囲気のところ悪いけど……」

「「良くない!!」」

「それはそれは……まぁ、なんでも良いけど食事にしよう、付いてきてくれ」

ユートはニヤニヤと笑みを浮かべながら、俺と彩にそう言い食堂に案内し始める。

「ここだよ」

「相変わらず良い部屋だな」

「ありがとう、そこに並んで座ってくれ」

俺と彩は言われたとおり、並んで椅子に座る。
向かいの席にはアーネがニコニコしながら座っていた。

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