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好き同士ってめんどくさい

Joker0808

第33話




放課後、俺は久しぶりに一人だった。
何もやることが無いので、このまま真っ直ぐ家に帰ろうと思ったのだが、意外な相手から俺は一緒に帰ろうと誘われてしまった。

「ゆ、悠人……」

「え……」

「た、たまには一緒に帰ろうよ……」

そう言って来たのは彩だった。
昇降口で靴を履き替えようしていた時、急に彩がやってきて俺にそう言った。
夢か幻かと自分の目を疑ったが、頬を抓ったら痛かったので現実のようだった。

「い、いきなりなんだよ……お、お前……仕事は?」

「きゅ、急に休みになったのよ……ほ、ほら……どうせ帰る方向も一緒だし……」

「何だったら家も隣だけどな……」

俺にとっては喜ぶべきイベントだが、喜ぶ反面不安な事も何点かあった。
もし、俺と一緒に居るところを写真に取られ、SNSなんかにアップされたら、彩に迷惑が掛かるのではないだろうか?

「いや、やめた方が良いだろ……俺と一緒だと……お前に迷惑が……」

「べ、別に大丈夫よ……ただクラスメイトと一緒に帰るだけなんだし……それとも私と帰りたくないの!」

「い、いや……そういうわけじゃ無いけど……」

正直言うとメッチャ嬉しい。
だけど、彩の迷惑になり得ることはあまりしたくない。
だが……本人もこう言ってるし……。

「ほら! 行くわよ!」

「お、おい!」

俺が考えをまとめる前に、彩が歩き始めてしまった。 俺は彩の後ろを付いて行き、強制的に一緒に帰る事になってしまった。

「なぁ……急にどうしたんだよ」

帰り道、俺は彩に尋ねた。

「別に……ただそういう気分だっただけよ……」

「どんな気分だよ……」

まぁ、理由はどうあれ久しぶりに一緒に帰れるのだ、嬉しいことに変わりは無い。

「あのさ……」

「ん、どうした? 腹でも減ったか?」

「違うわよ! あ、明日なんだけど……」

「あぁ……買い物に付き合えってやつだろ?」

もちろん覚えている。
そのことしか頭になかったよ。

「明日は朝十時に家を出るから、遅れないでよ!」

「分かってるよ、お前こそ変装してこいよ」

「分かってるわよ」

明日は何を着ていこうか……。
それよりも買い物が終わった後はどこに誘うか……。 俺は頭の中でそんな事を考えていた。
すると再び彩が話し掛けてきた。

「ね、ねぇ……」

「ん? なんだ?」

「最近なんか……西井さんと仲良くない?」

「は? ……いや、そんな事ないだろ……ただ一緒に飯食ったり……」

「十分仲良いわよ! 今日も一緒に食堂行ってたでしょ!」

「一緒にって言っても……学も沢井も一緒だったけど……」

「そ、そうよ! アンタなんか沢井さんとも仲良くない!?」

「いや、別に特別仲が良いわけでは……」

「楽しげに話してたくせに……」

別に楽しくは無いのだが……。
てか、やっぱり見てたのかよ……まぁでも、ヤキモチ焼かれるのは結構嬉しいけど……。

「別に楽しげではねーよ」

「ふーん……振った相手にあんなに優しくするんだ」

「そ、それは……あんまり冷たくするのも……可愛そうだろ?」

俺がそう言うと彩は深くため息を吐き、一呼吸ついて俺に話してくる。

「まぁ、アンタがそういう性格なのは知ってるけど……あんまり優しくしすぎるのも良くないと思うわよ?」

「そうか?」

「そうよ……そうしないと、西井さんだっていつまで経っても諦められないじゃない。思わせぶりな態度ばっかりとるのは逆効果よ」



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