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好き同士ってめんどくさい

Joker0808

第27話

「あ、彩ちゃん……あのさ……な、何か嫌な事でもあった? な、悩みとかあれば聞くわよ!」

「いえ、悩みとかないです。どっちかって言う、最近は調子が良いくらいです」

「そ、そう……それは良かったわ……」

好きな人と両思いだと分かる、その事がどんなに幸福なものか……多分、この人達にはわからないだろう。 好きな人の為にアイドルになり、好きな人から好かれたくて私は人気アイドルになった。
でも……良いのかな?
そんな理由でアイドルをやめても……。
それで悠人は喜んでくれるのかな?

「わ、分かった! 無いか不満があるなら言ってくれ! 事務所側も可能な限り、君の要望には答えていく! だから、やめるのだけはどうか……」

「はぁ……そう言われても……」

社長が私に向かって頭を下げてくる。
事務所の社長が頭を下げてくるほどの事なのだろうか?

「頼む! 君に抜けられたら……うちの事務所は……」

「なんとかなるんじゃないですか?」

「ならないよ!」

そんなハッキリ言わなくても……。
確かに私の所属する事務所は、そこまで大きな事務所では無い。
私が有名になり、ようやく有名になり始めたくらいの小さな事務所だ。
その後も社長と村北さんは私に色々と言ってきた。
何だったら、少しの間活動休止でも良いと言ってきたが、そういう問題では無い。

「アイドルだったら悠人と付き合えないじゃん……」

私は帰りの車の中でそんな事を小さく呟く。
時刻は夜の十時を回り、辺りは暗くなっていた。
私はスマホで時間を確認すると、何件かメッセージが届いている事に気がつく。
誰からだろう?
私はそんな事を思いながら、スマホのロックを外し、メッセージを確認する。

【まだ仕事なのか?】

お父さんからかな?
私はそんな事を思いながら、返信する文を考えながらメッセージアプリを開く。
あれ? でもこのアイコンってお父さんじゃ……ってこれ悠人から!?
思わず私はスマホを落としてしまった。
え? 悠人からのメッセージ!?
何よもぉ~急に積極的になっちゃってぇ~。
私はニヤニヤしながら、スマホを拾い上げる。

「ん?」

拾ったスマホの画面を見て、私はフリーズした。
落とした拍子にスマホの画面が押されてしまったらしく、悠人にスタンプを送信してしまっていた。
しかもそのスタンプが悪かった。「大っ嫌い!!」のスタンプを送信してしまったのだ……。

「……ヤバ」

早く誤送信だって事を知らせないと!
悠人に誤解されちゃう!
私は直ぐに間違えた事を知らせようと、メッセージを打つ。
しかし、それより早く悠人からメッセージが送られてきてしまった。

【俺、なにかしたか?】

なにもしてないわよ!
今すぐ訂正メッセージを送るから!

【間違えたの! そんな事思ってない!】

よし、これで大丈夫。
私が一安心していると、再び悠人からメッセージが送られてきた。

【そうか、少し話したいことがあるんだけど、今日も夜話せる?】

話したいこと?
何を言っているのよ、ただ単に私と話しをしたいだけでしょ……もう、仕方が無いわねぇ……。
私はスマホを見ながらニヤニヤと笑みを浮かべていた。

【コーラ一本】

【分かったよ】

仕方ないわねぇ~、今日も話し相手になって上げるわよ。
私は機嫌を良くしながら、家に帰った。





「悠人、聞いて欲しいことがあるんだ」

「なんだよ急に……」

家に帰った俺を待っていたのは、俺の部屋でくつろぐユートだった。
最早毎日こっちの世界に来ているが、こいつは向こうの世界では仕事とかしていないのだろうか?

「実はレイミーの事なんだ」

「あぁ、何か進展あったのか?」

「うん、実はレイミーと話しが出来たんだ……」

「そうなのか?」

話しをしたってことは、状況が何か変わったということだろうな。
良い方に進展していてくれてると良いのだが……。

「で、どうなったんだ?」

「あぁ……彼女は変わってしまったよ」

あぁ、これなんか悪い流れだわ……。

「僕は彼女と話しをしようとしただけなのに……彼女は僕に攻撃を仕掛けてきたんだ」

「へぇ……どんな攻撃?」

「彼女お得意の精神攻撃さ……僕の精神を攻撃してきたんだ」

「へぇ……どんな精神攻撃だったんだ?」

「悪夢を見せられた……アーネから酷いことを言われ続けるっていう……っく……今思い出しても……」

「へぇ……」

「なんだい君は! 僕が命がけで交渉していたというのに!」

「いや……」

多分お前は殺されねーよ……それにその精神攻撃には別な意図を感じるんだが……。

「っく……なんで彼女と争わなくてはいけないんだ……戦いは避けられないのか!!」

多分、お前がレイミーに甘い言葉を掛ければ解決しそうな気がする。

「と言うわけで、呪いは解けない確率が高くなった……だから早くしてくれ!」

「何をだよ」

「早く彩ちゃんと結婚してくれ!」

「あぁ……はいはい」

「なんだその態度は! こっちは真剣に話しをしているというのに!!」

俺はベッドで横になりながら、漫画を読んで答える。 俺の予想が合っていればだが、そこまで大変な話しではないと思う。

「お前に前も言ったけどよ……この世界では男は18歳、女は16歳にならないと結婚出来ないんだよ」

「それは分かってるけど……でも、なんとか!!」

「なんとかの意味がわからん」

無理な事を言うなよ……。
俺はため息を吐きながら漫画を閉じて、ユートに尋ねる。

「なぁ……」

「なんだい?」

「お前はお姫様と結婚する為に、魔王軍と戦ったって言ってたよな?」

「あぁ、そうだけど? それがどうかしたの?」

「いや……すげーなっと思って」

前にユートからアーネとに馴れ初めを聞いた事があった。
ユートはアーネと一緒になりたい一心で、勇者になり戦争の英雄となった。
平民のユートが姫と結ばれる為には、これしかなかったらしいが、誰にでも出来ることではない。
同じ俺とは思えないな……。


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