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好き同士ってめんどくさい

Joker0808

第10話

「おいおい、悠人。女の子を泣かせるのは感心しないよ?」

「うるせぇな……黙って………ってなんで居るんだよ!?」

後ろから急にユートから声を掛けられる。
いつの間に背後に居たのか、まったく気がつかなかった。
てか、こんな頻繁に来れるのかよ……。
驚きながら思っている俺を置いて、ユートは話し始める。

「君………まさか」

「お、緒方君が……二人……」

ユートは彼女を見ながら何かを考えていた。
しかし、今はそんな場合では無い。

「おい! ややこしくなるから帰れよ!」

「……悠人、君とこの子はどんな関係なんだ?」

「は?」

真面目な顔で尋ねてくるユート。
関係と言われても……友達ってわけじゃないし……知り合いや顔見知りだと思うが……告白されてるしなぁ……。

「恋人(仮)です!」

「ちげーよ!」

何言ってるのこの子……。
マジでどうするんだよこの状況……ややこしくなりすぎて、もう俺は訳がわからんぞ。

「悠人、こっちへ」

「な、何だよ……」

ユートは俺を連れて彼女から少し離れ、俺に耳打ちをしてくる。

「彼女も別世界の自分と合ったと言ったのか?」

「え? あぁ、そうだって言ってたけど……」

「じゃあ……彼女もこの世界に……」

ユートは真面目な表情で何やら考え込んでいた。

「なんだよ、お前の世界の知り合いがあの子なのか?」

「まぁ、そうなんだけど……」

何やら難しい顔をしながら、ユートは俺から離れ、彼女の目の前に行って尋ねる。

「君……名前は?」

「西井麗美(にしいれいみ)だけど……」

「君の元に来たのは、レイミーという女の子じゃなかったかい?」

「う、うん……私そっくりだった」

「そうか……悠人」

「な、何だよ」

ユートは西井の話しを聞き終えると、俺の方に向き直って口を開く。

「彩ちゃんに連絡は取れるか? 重要な話しがあるって……もちろん、君にも関係がある」

「わ、私?」

ユートは真面目な顔で俺と西井に言う。
そんな事を言われても、俺は彩の電話番号なんてしらない。
スマホを買って貰った頃には、既に仲が悪い状態だったので、電話番号もメッセージアプリのアカウントもお互いに教えて居ない。

「直ぐは無理だ……まぁ、今頃は家に居ると思うが……」

「じゃあ、悠人の家で話そう。5人で」

「まぁ良いが……ん? 5人?」

「そう、5人」





学校から自宅に帰って来た俺は、隣の家から彩を連れて部屋に戻っていた。
彩と一緒にアーネもおり、今俺の部屋には俺とユート、そして西井を含めた5人が居る。
てか、狭いんだが……。

「何よ、ドラマの撮影で疲れてるのに……それに……この子は?」

彩は眉間にシワを寄せながら、西井の方を見る。
いや、見るというよりも睨むと言った方が適当かもしれない。

「あぁ……この子は……その……」

「西井麗美……昨日、緒方君に告白したの」

対抗するかのように、西井が彩を睨みながら言う。
すると彩は一瞬驚いたような顔をした後、眉間にシワを寄せて俺のを方を見てきた。
怒ってるなぁ……いや、ヤキモチか?
まぁ……あれだな……怒った顔も可愛い……。

「ふーん……あっそ」

「幼馴染みなんだよね? ただの」

「さぁ、それはどうかしらね」

「余裕そうね……」

あぁ……なんか予想通りの展開だなぁ……。
気まずい雰囲気の中、俺は何も言えずに黙って座っていた。
自分の部屋なのに、なんでこんなに居心地が悪いのだろうか……。

「ユート……」

「アーネ」

お前らはイチャイチャすんじゃねーっつの!
俺がイチャつくユートとアーネを睨んでいると、それに気がついたユートが本題に入り始める。

「さて……本題に入ろうか」

「そうね」

「そうね……じゃねーよ! なんだお前らは! 人前でイチャつき過ぎだろ!」

「そうよ!!」

ユートとはアーネを膝の上に乗せながら、真面目な顔で話しを始めた。
まぁ、俺の部屋が狭いからそうしているんだろうが……気まずいからやめて欲しい。

「えぇ~……折角ユートと一緒なのに……」

「えぇ~……じゃないのよ! 下りなさい!」

「でも、この部屋は狭いし……」

「悪かったな!」

話しをするのに、部屋を提供しているというのに、なんて言い草だ!
ユートは仕方なくアーネを膝の上から下ろし、隣に座らせる。
それによって、少し座るスペースを詰める事になり、俺は彩の方に少し詰める。

「ちょ、ちょっと! あんまり来ないでよ!」

「仕方ねーだろ……せ、狭いんだから」

そうだ、狭いから仕方がないのだ!
俺は決して、彩の体に触れたいとか、女の子特有の良い香りを楽しみたい訳ではない!
あぁ……良い香り……。

「………」

そんな俺の様子を西井さんは、頬を膨らませながら涙目で見ていた。
一方の彩は頬を真っ赤に染めながら、勝ち誇った表情と羞恥心の混ざった複雑な表情をしていた。

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