今日からフリーになりまして

Joker0808

第50話


なんで付き合っている時は上手くいかなかったのだろうか?
俺は由羽と話しをしながら、そんな事をかんがていた。

「ねぇ、次はどこ行くの?」

「あぁ、近くのショッピングモールでも行こうぜ、買い物したいっていってたろ?」

「うん、じゃあ食べたら行こうか!」

俺たちはそんな話しをしながら、食事を済ませて近くのショッピングモールに向かった。




僕は朝の早い時間に、駅前の噴水の近くに隠れていた。

「はぁ……なんでこんな事に……」

「由羽ったら遅いわね……」

理由は簡単。
白戸さんに付き合って、今日は湊斗と藍原さんのデートを付けて回るからだ。
白戸さんは何やらノリノリな様子で、物陰から湊斗の様子を覗き見ていた。

「はぁ……本当にやるの?」

「もちろんよ! どうせ家に居てもやること無いしね!」

「もっと別な事をしようよ……」

僕はため息を吐きながら、白戸さんにそんな話しをしていた。
はぁ……二人で会うのがこんな形で無くて、湊斗達みたいなデートだったらな……。

「あ! 由羽が来たわ!!」

「本当だね……あっ! 手を握った!」

「あらぁ~なんだか良い感じねぇ~」

「藍原さんも本気って感じだね」

「そりゃそうよ! 相手は強敵だもの!」

相手とは清瀬さんの事だろう。
確かに清瀬さんは綺麗だし、男子からの評判も良いらしい。
大人っぽくて、落ち着いている雰囲気が良いらしい。
なんでも、責任感も強くて女子からも信頼されているらしい。
そんな子に藍原さんが勝てるのか、一時期心配だったけど、最近は素直になり始めてるみたいだし……この勝負、どうなるか分からなくなってきたな。

「あ! 移動するみたいね……追いかけるわよ!」

「はいはい」

僕は白戸さんの後に続いて湊斗達を追う。

「確か最初は水族館よね?」

「うん、そうだよ」

湊斗の今日の予定は僕がこの前聞き出していた。
まぁ、デートコースを考えるの手伝ったのも僕だったりするんだけど……。
僕たちは湊斗達から少し離れて歩き、気がつかれないように注意しながら、二人を付けて回った。

「え! 入場料って結構するのね……」

「あぁ、良いよ。僕が出しておくから」

「え!? そ、そんなの悪いわよ」

「良いって」

まぁ、確かに湊斗達を追っては居るけど、実質デートみたいな感じだし……ここは僕が出して置こう。

「それはダメよ! 今度必ず返すわ!」

「気にしなくて良いのに……」

「私は友達と金銭でトラブルになるのが嫌なの!」

そう言いながら白戸さんはチケットを受け取って、水族館の中に入っていく。

「うわぁ~凄いわねぇ……この水槽!」

「大きいねぇ……そう言えば白戸さんって、水族館初めて?」

「えぇそうよ……凄いわね……サメも居るなんて」

「ここは結構有名だからね……そろそろ次に行く?」

「うん!」

完全に湊斗達の事を忘れてるなぁ……。
まぁでも……こんな笑顔の白戸さん見てたら、そんな事も言えないな……。

「へぇ……こんな小さな魚が海に居るなんて……」

「あっちは川魚だって」

「そう言えば、海の魚と川の魚って何か違うのかしら?」

「確か水の塩分の違いで生きていけるかどうかが決まってたような? 僕も良く覚えてないけど」

「焼いたらどっちが美味しいのかしら?」

「あぁ、食べる方の違い?」

白戸さんって、少し食いしん坊なところあるからなぁ……それであのスタイルなんだから、どこに食べた物が入っているのか不思議だ。

「深海魚ね……なんか特徴的な感じね」

「少しグロテスクな深海の世界って説明に書いてあったけど、本当だね」

「そう? 私はチョウチンアンコウとか結構好きよ」

「え……」

意外な趣味を発見してしまった気がする。

「あ、もう深海コーナー終わりね……次は外か……え!? カピバラが居るの!!」

通路に張り出されてあった張り紙を見て、白戸さんは嬉しそうにそう言う。
カピバラが好きなのだろうか?
やっぱり女の子だな……。

「見に行きましょう!」

「え! あ……うん」

白戸さんはそう言って、目をキラキラさせながら僕の手を引く。
なんかこれ……もう普通のデートみたいだな……。
最初はあまり来たくなかったが、今は来て良かったと感じる。

「あ! カワウソも居る! 可愛い~」

「あっちにはペンギンも居るよ」

「あぁ~可愛い~……なんか癒やされるわねぇ……」

「それは良かった」

僕は僕で、そんな彼女の嬉しそうな顔を見ると癒やされる訳で……。

「ん? そう言えばなんか……大切な事を忘れてない?」

あ、そろそろ気がついたかな?
ここは言って上げるべきかな?
でも……僕はもう少しこのままが良いな……。
だから僕は、彼女にこう言った。

「さぁ、気のせいじゃない?」

「そうよね! さ、早くペンギン見にいきましょう! 写真撮りまくるから!」

「はいはい」

まぁ……これくらいの嘘なら、神様も許してくれるよね?
僕はそんな事を考えながら、白戸さんと共にペンギンを見に向かった。

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