今日からフリーになりまして
第48話
「そうねぇ…………」
「ほら、あるじゃない? 一緒に居て楽しい人とか……」
「うーん……無いわね」
「な、無いの?」
「えぇ、なんていうか……好きになった相手がタイプなんじゃないの?」
「た、確かにそうだけど……」
「じゃあ、私にタイプなんて無いわよ」
「いや、好みの顔とか性格とか無いの?」
「無いわね……別に……興味無いし……」
なんか、私よりも芽生の方が面倒な性格してるんじゃ……。
私がそんな事を思っていると、芽生は難しい顔で私に言ってきた。
「私って鈍いのかな?」
「相当ね……」
「はぁ……まぁ良いわ! そんな事よりも、由羽は明日デートでしょ?」
「う、うん……そ、そうだけど?」
「しっかり悩殺して来るのよ! そして取り戻すのよ!」
「と、取り戻すって……」
なんかいつもの芽生に戻ってきたな……。
それよりも……まさか芽生と栗原君がそんな関係になってるなんって……。
正直ビックリだな……確かに仲が良いなとは思ってたけど。
「はぁーあ、明日は由羽もデートだし……どうしようかしら……明日は一日家に篭もってようかしら……」
「太るわよ」
「大丈夫よ、その分運動するから」
「そういう事じゃ無いでしょ……はぁ……そんなに暇なら栗原君と遊びにでも行ってきたら?」
まぁ、そんな事を言うとは思わないけど……。
なんて事を私が思っていると、私の予想に反して芽生はこう言った。
「あぁ……それも良いわね! この変な気持ちの意味も分かるかもしれないし!」
「え? 芽生?」
「そうと決まれば、早速!」
「な、何をするの?」
「栗原君に電話よ! 早く連絡しないと予定入れられちゃうかもしれないし!」
そう言って芽生は席を立って、外に電話を掛けにいった。
まさか、本当にやるなんて……。
一分ほどで芽生は戻ってきた。
何やらニヤニヤしながら席に座り、私に電話の報告をしてくる。
「大丈夫だって!」
「そ、そう……良かったわね」
「うん。そう言えば久しぶりだなぁ~栗原君と出かけるの」
「そ、そう……どこに行くの? 買い物とか?」
「え? それはまた後で相談するわ。それより、アンタは明日着ていく服とか決まったの?」
「まだだけど……」
「じゃあ、今から買いに行きましょうか!」
「あ、ちょっと!」
私は芽生に言われるがまま、買い物に連れて行かれてしまった。
なんだか、自分のこともそうだけど、芽生と栗原君のデートも少し気になってきちゃった。
*
「んじゃぁな」
「う、うん」
僕、栗原直晄は友人の湊斗と別れて、今は一人で自宅に帰宅する途中だった。
「はぁ……まさかあんな電話が来るなんて……」
僕は先程の牛丼やで掛かってきた電話の内容を思い出す。
『ねぇ、栗原君って明日は暇?』
『え、特に予定は無いけど……どうして?』
『明日、二人で由羽と春山君のデートを覗きに行くわよ!』
『え? どうして?』
『そんなの心配だからに決まってるでしょ? 栗原君は春山君からデートコースを聞き出しておいてね! それじゃ!!』
『あ、ちょっ!』
そこで電話は切れてしまった。
彼女なりに藍原さんと湊斗の事を心配しているからあんな事を思いついたのだろうけど……正直あまり気は進まない。
あんな事があった後だからだろうか、なんだか白戸さんとも会いづらいというか……。
「本当にあの人は……自由と言うか……自分の欲望に素直というか……」
僕はそんな事を考えながら、スマホで明日の湊斗から聞いたデートプランを白戸さんに送る。
「まぁ……そんな白戸さんに付き合う俺も……馬鹿だよなぁ……」
送信を確認し、僕は電車に乗って自宅帰る。 そう言えば、白戸さんと休日に会うのは久しぶりかもしれない。
明日は湊斗達のデートもそうだけど……僕もいい加減、自分の気持ちに対する答えを出さないといけないのかもしれない。
*
翌日の朝、俺は駅前で藍原を待っていた。
なんだかこの感じは久しぶりだ。
前は一週間に一度、必ずデートをしていたのに、最近はそれが無かったからだろうか?
「えっと……藍原はまだ来てないか……」
待ち合わせの時間は朝の9時に駅前の噴水の前に集合という約束だ。
約束の時間まであと15分もある。
まぁ、来ていなくてもおかしくは無い。
「それにしても……良い天気だなぁ……」
それには雲一つ無い青空で、天気は凄く良かった。
今日のデートの予定は午前中に水族館に行き、午後はショッピングモールで買い物というコースにした。
直晄が一緒に考えてくれたコースなのだが、このコースにはそれ以外にも意味がある。
「ご、ごめん、お待たせ」
「ん? あ、あぁ……全然大丈夫だぞ」
俺がそんな事を考えていると、後ろから俺の服を藍原がつまんできた。
俺は藍原の方を振り返ってそう言うと、藍原の服装を見る。
「あれ? もしかして新しい服か?」
「え? よ、よく分かったわね……き、昨日買ったの」
「あぁ、やっぱりか? なんか見たこと無いなって思って……似合ってるぞ」
「あ、ありがとう……」
「ほら、あるじゃない? 一緒に居て楽しい人とか……」
「うーん……無いわね」
「な、無いの?」
「えぇ、なんていうか……好きになった相手がタイプなんじゃないの?」
「た、確かにそうだけど……」
「じゃあ、私にタイプなんて無いわよ」
「いや、好みの顔とか性格とか無いの?」
「無いわね……別に……興味無いし……」
なんか、私よりも芽生の方が面倒な性格してるんじゃ……。
私がそんな事を思っていると、芽生は難しい顔で私に言ってきた。
「私って鈍いのかな?」
「相当ね……」
「はぁ……まぁ良いわ! そんな事よりも、由羽は明日デートでしょ?」
「う、うん……そ、そうだけど?」
「しっかり悩殺して来るのよ! そして取り戻すのよ!」
「と、取り戻すって……」
なんかいつもの芽生に戻ってきたな……。
それよりも……まさか芽生と栗原君がそんな関係になってるなんって……。
正直ビックリだな……確かに仲が良いなとは思ってたけど。
「はぁーあ、明日は由羽もデートだし……どうしようかしら……明日は一日家に篭もってようかしら……」
「太るわよ」
「大丈夫よ、その分運動するから」
「そういう事じゃ無いでしょ……はぁ……そんなに暇なら栗原君と遊びにでも行ってきたら?」
まぁ、そんな事を言うとは思わないけど……。
なんて事を私が思っていると、私の予想に反して芽生はこう言った。
「あぁ……それも良いわね! この変な気持ちの意味も分かるかもしれないし!」
「え? 芽生?」
「そうと決まれば、早速!」
「な、何をするの?」
「栗原君に電話よ! 早く連絡しないと予定入れられちゃうかもしれないし!」
そう言って芽生は席を立って、外に電話を掛けにいった。
まさか、本当にやるなんて……。
一分ほどで芽生は戻ってきた。
何やらニヤニヤしながら席に座り、私に電話の報告をしてくる。
「大丈夫だって!」
「そ、そう……良かったわね」
「うん。そう言えば久しぶりだなぁ~栗原君と出かけるの」
「そ、そう……どこに行くの? 買い物とか?」
「え? それはまた後で相談するわ。それより、アンタは明日着ていく服とか決まったの?」
「まだだけど……」
「じゃあ、今から買いに行きましょうか!」
「あ、ちょっと!」
私は芽生に言われるがまま、買い物に連れて行かれてしまった。
なんだか、自分のこともそうだけど、芽生と栗原君のデートも少し気になってきちゃった。
*
「んじゃぁな」
「う、うん」
僕、栗原直晄は友人の湊斗と別れて、今は一人で自宅に帰宅する途中だった。
「はぁ……まさかあんな電話が来るなんて……」
僕は先程の牛丼やで掛かってきた電話の内容を思い出す。
『ねぇ、栗原君って明日は暇?』
『え、特に予定は無いけど……どうして?』
『明日、二人で由羽と春山君のデートを覗きに行くわよ!』
『え? どうして?』
『そんなの心配だからに決まってるでしょ? 栗原君は春山君からデートコースを聞き出しておいてね! それじゃ!!』
『あ、ちょっ!』
そこで電話は切れてしまった。
彼女なりに藍原さんと湊斗の事を心配しているからあんな事を思いついたのだろうけど……正直あまり気は進まない。
あんな事があった後だからだろうか、なんだか白戸さんとも会いづらいというか……。
「本当にあの人は……自由と言うか……自分の欲望に素直というか……」
僕はそんな事を考えながら、スマホで明日の湊斗から聞いたデートプランを白戸さんに送る。
「まぁ……そんな白戸さんに付き合う俺も……馬鹿だよなぁ……」
送信を確認し、僕は電車に乗って自宅帰る。 そう言えば、白戸さんと休日に会うのは久しぶりかもしれない。
明日は湊斗達のデートもそうだけど……僕もいい加減、自分の気持ちに対する答えを出さないといけないのかもしれない。
*
翌日の朝、俺は駅前で藍原を待っていた。
なんだかこの感じは久しぶりだ。
前は一週間に一度、必ずデートをしていたのに、最近はそれが無かったからだろうか?
「えっと……藍原はまだ来てないか……」
待ち合わせの時間は朝の9時に駅前の噴水の前に集合という約束だ。
約束の時間まであと15分もある。
まぁ、来ていなくてもおかしくは無い。
「それにしても……良い天気だなぁ……」
それには雲一つ無い青空で、天気は凄く良かった。
今日のデートの予定は午前中に水族館に行き、午後はショッピングモールで買い物というコースにした。
直晄が一緒に考えてくれたコースなのだが、このコースにはそれ以外にも意味がある。
「ご、ごめん、お待たせ」
「ん? あ、あぁ……全然大丈夫だぞ」
俺がそんな事を考えていると、後ろから俺の服を藍原がつまんできた。
俺は藍原の方を振り返ってそう言うと、藍原の服装を見る。
「あれ? もしかして新しい服か?」
「え? よ、よく分かったわね……き、昨日買ったの」
「あぁ、やっぱりか? なんか見たこと無いなって思って……似合ってるぞ」
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