今日からフリーになりまして

Joker0808

第26話

しかし……藍原のところでバイトか……果たしてこのことを清瀬さんに言うのは良いのだろうか?
いや、ただバイトに行くだけだし……問題は無いよな?

「ねぇ、そう言えばスマホ変えたんでしょ?」

「え? あぁ、うんそうだけど」

「なんか、藍原さんとケースの種類が色違いだって気がするんだけど?」

「あ、いや……それはあの……偶然だよ……多分藍原も偶々のあのケースを買ったんだと思う」

「そう……」

そう言う清瀬さんの目は俺を真っ直ぐに見つめていた。
笑顔なのにも関わらず、その目の奥では俺の嘘を見抜いているようだった。

「ね、まだ時間ある?」

「え? うん、まぁあと帰るだけだし……時間はあるけど?」

「じゃあ、寄り道して行こうよ! 私ちょっとお腹空いたから!」

「あ! ちょ、ちょっと!?」

清瀬さんはそう言うと、俺の手を引いて店に向かいだした。





「どう思う?」

「え? どう思うって?」

「由羽と春山君の事よ!」

僕は今、白戸さんと一緒に学校帰りにファーストフード店に来ていた。
話しの内容はもちろん、湊斗と藍原さんの事だ。
あの二人、昨日からなんか妙に仲が良い。

「まぁ、別れて一週間も経ってないし……普通に仲直りすれば、よりを戻すと思うんだけどね……」

「そうよねぇ……あの二人、変に頑固だから……」

「はぁ……まぁ、僕たちも勝手に心配してるだけなんだけどね……」

「まぁ、それもそうだけど……あの二人はお似合いだと思うんだけどなぁ……」

「だね、あの二人はもっとお互い話し合うべきだと思うんだけど……」

僕はそう言いながら注文したウーロン茶を飲む。
なんとかこのまま元の鞘に戻すことは出来ないのだろうか?
僕と白戸さんはそんな事を考えていた。

「そう言えば、湊斗が明後日は藍原さんの家でバイトをするって言ってたよね?」

「えぇ、確かそう言ってたわね」

「そこで何かあったり……」

「有れば良いんだけどねぇ……」

「「はぁ……」」

俺と白戸さんは同時にため息を吐く。
白戸さんも俺もあの二人がそう簡単によりを戻すとは考えて居なかった。
あの二人は本当に変な事で頑固になる。
僕の勝手な考えだが、恐らく湊斗も藍原さんもまだ二人は互いを好きなんじゃないだろうか?

「そう言えば、湊斗が清瀬さんとゴールデンウイークに映画を見に行くって話しもしてたね」

「清瀬さんって言うライバルが現れたから、少しはあの子も自分の気持ちに気づいてると思うんだけどねぇ……」

「まぁ、藍原さんって昔から結構ヤキモチを焼くこと多かったからね……俺が湊斗と二人で遊んでた時も若干睨まれたし……」

「あれは行き過ぎ、あの子……春山君の事大好きだったから」

「まぁ、それは見てればわかったよ……良く湊斗が怒られてたし……」

「あれはあの子がやり過ぎ……でも、春山君も色々と女の影があったからねぇ~」

「まぁ……湊斗は頼まれたら断れない性格だから……色々と女の子から頼まれ事とか多かったみたいだし……」

「それにしてもでしょ? あの子は独占欲強すぎ」

「確かにそれはあったかもね……」

まぁ、藍原さんは湊斗が他の女の子と仲良くしてると機嫌悪かったし、少し独占欲が強いところは見てればわかった。

「さて、これからどうしようね、二人にはよりを戻して欲しいけど……」

「こうなったら、私たちが手助けをするしかないわ!」

「手助け?」

「そうよ、あの二人がよりを戻せるよるように私たちでサポートするの!」

「なんか白戸さん楽しそうだね……」

「な、何を言ってるの! 私は純粋に二人の事を思って……」

「本音は?」

「楽しそうだから!」

正直だなぁ……。
まぁ、でもあの二人じゃいくら経ってもよりなんか戻さないだろうし……ここは僕たちも手伝うしかないのかな?

「はぁ……それで、何か考えでもあるの?」

「実はね……」

白戸さんは僕にどうするかを話し始めた。





「ふぅー食べたねぇ~」

「食べたって言ってもサラダだけじゃん」

「女の子は小食なのー」

俺は帰り道に清瀬さんとファミレスによって、小腹を満たしていた。
俺がピザを頼んだのに対して、清瀬さんが頼んだのはサラダだけだった。
よくサラダだけで腹が満たされるものだ……。

「さて、もう日も暮れるし……そろそろ帰ろうか」

「うん、じゃあ私はこっちだから……」

「え? いや、送って行くよ? 夜道は危険だし」

それに、清瀬さんまで藍原みたいなことになったら大変だしな……。

「あぁ、私は大丈夫だよ。私の家はここから直ぐだし、それに人通りの多い道ばっかりだから」

「そ、そう? それなら良いけど……」

「うん、じゃあまた明日学校でね!」

「お、おう」

「じゃあね~」

清瀬さんはそう言うと、小走りで俺と逆方向に歩いていった。

「家……この近くなのか……」

この近くは結構高級なマンションが多かったはずだけど……まさか清瀬さんもそこに住んでたり?
なんてことを考えながら、俺は家に向かって歩いていた。

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