今日からフリーになりまして

Joker0808

第22話

俺たちはそれぞれ会計を済ませて、店を出た。
帰る途中、俺たちが互いに購入したケースを見せ合っていると……。

「「あ……」」

まさかの同じケースの色違いだった。
マジか……これを明日から二人で付けて学校に行くのか……誤解されるんじゃ……。
しかし、そんな俺とは違い、藍原は落ち着いた態度でこう言う。

「まぁ、仕方ないでしょ。商品券も使っちゃったし、買い直すのも面倒だし」

「い、良いのか? なんか色々誤解とかされないか?」

「スマホのケース被りなんて、たまにあるでしょ。そんなに気にしてもしょうがないわよ」

「そ、そうか?」

「そうよ、面倒だし……ほら、早く帰りましょう」

「お、おう」

俺たちはそんな話しをしながら、家に帰った。
俺は藍原をもう一度自宅のマンションに送っていき、そのあと自分の家に帰ってきた。
時刻は19時を回っていた。
日も落ちてきて、辺りは暗くなり始めていた。

「ただいま」

「あら、おかえり。機種変してきた?」

「うん、無事に……」

「そう、良かったわね……ところで女の匂いがするけど……何かあった?」

「なんでわかるんだよ!」

「母の勘よ」

「こえーよ! べ、別に良いだろ! 何だって!!」

「若いわねぇ……」

俺はそう母に言って、自分の部屋に戻って行った。

「はぁ……早くスマホのデータ移すか……」

俺はスマホをパソコンに繋ぎ、データの移行を行った。
一時間ほどでデータの移行が終わり、やっとスマホをが使えるようになった。
ソシャゲのデータも残っていたし、これで普通に使える。

「はぁ……一次はどうなるかと思ったぜ……」

俺は新しいスマホを触りながら、昨日から今日の今までに着ていた着信やメッセージの返信を行っていた。

「ん? あ、清瀬さんからも来てる……」

清瀬さんからは昨日の日付で、メッセージが二件、電話が一件来ていた。
清瀬さんにも悪い事をしたな……。
俺はそう思い、清瀬さんにメッセージを送る。

【スマホ買い替えたよ。昨日に引き続き、一緒に帰れなくてごめん】

「これで良いか」

俺は清瀬さんにそうメッセージを送り、他の人からのメッセージも確認する。

「えっと……直晄にも送って……あ、藍原からも来てたのか……」

藍原からもメッセージが来ていた。
今日、色々説明したし、メッセージは別に返す必要はないけど……。
一応返信して置くか……。

【スマホ使えるようになったぞ、お前は大丈夫か?】

「これで良いか……はぁ……なんか藍原にメッセージを送るの久しぶりだな……」

それにしても今日の藍原はなんだか……素直だったな。
なんか昔の初デートを思い出すな……。
藍原も今日は全然怒って無かったし。
もしかして、俺と藍原って……喧嘩さえしなければ上手くいってたのかな?
はぁ……俺は何を当たり前の事を言ってる
んだ。

「さて、ソシャゲしよ……」

俺はベッドに寝っ転がってスマホでゲームをし始めた。
しかし、ゲームを始めてすぐに清瀬さんからメッセージが送られてきた。

【そうなんだ! 良かったね! それより、本当に頭の怪我大丈夫?】

「心配してくれてるのか……」

俺は清瀬さんに【心配しなくても病院行ったから大丈夫だよ】と返信しゲームに戻ろうとした。
しかし、一分もしないうちに清瀬さんから返信が帰ってきた。

【そう? なら良いけど……。あ、そう言えば春山君ってゴールデンウイークは何してるの?】

ゴールデンウイーク?
あぁ、そう言えば来週からか……別に何も考えてないしなぁ……直晄と遊びに行くくらいか?

【直晄と遊びに行くくらいだと思おうよ。特に予定は無いかな?】

【そうなんだ! じゃあ私と映画でも見に行かない?】

「え? 清瀬さんと映画?」

嬉しいお誘いだが、俺の財布事情は今厳しい……。
うーむどうしたものか……。

「まぁでも、バイトでもすれば金は手に入るか……」

【良いよ、何か見たい映画あるの?】

そう送信した後、またしてもすぐに清瀬さんから返信があった。

【本当! ありがとう。じゃあ今度日程とか決めよっか!】

うーむ……可愛い。
文章だけなのにそんな事を感じてしまう。
ん? こんどは藍原からの返信か?

【大丈夫よ、色々ありがとね】

藍原もなんか今日は素直なんだよなぁ……。 昨日の今日だからだろうけど。
ん? また藍原からメッセージが来たぞ。

【ねぇ、お願いがあるんだけど】

【なんだよ? 何かあったのか?】

【いや……そう言う訳じゃ無いんだけど……明日学校で話すから】

【ん? おう、わかった】

一体なんだろうか?
あいつが俺に頼み事なんて珍しいな。
俺はそんな事を考えながら、スマホに買ってきたケースを取り付ける。

「良い感じだな」

俺が買ったのは青色の手帳型ケース、藍原は同じケースのピンク色を買っていた。

「……まさか、同じのを選ぶとはな」

あれだけの数のケースがあったのに、なんで被るんだか……。

「はぁ……学校で何か言われないと良いけど……」

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