今日からフリーになりまして
第16話
「湊斗! どうしたんだその頭!」
「あぁ、ちょっとな……後で話すよ」
俺と藍原の事情を知る湊斗には理由を説明するとして……クラスメイトの誤解はどうやって解くべきか……まぁ、そのうち忘れるか。 それよりも今は藍原だな……昨日の今日で学校に来ないかもしれないけど……。
「藍原……まだ来てないんだな……」
「え? うん、今日は少し遅いね。やっぱりその怪我って……藍原さんに?」
「ちげーよ、どんだけあいつは怪力なんだよ」
「そ、そうだよね! 流石の藍原さんもそんな事しないよね!」
「なんでそんな喜んでるんだよ……あぁ、一応行っておくけど、俺今スマホがぶっ壊れてるから、連絡取れないからな」
「あぁ、昨日電話を掛けたのに出なかったのはそう言うことだったんだ」
「あぁ、画面バッキバッキに割れてさ、もう液晶が反応しないんだよ」
「そっか、落としたの?」
「まぁな……今日行けたら機種変行こうと思ってさ」
「それは災難だったね……もしかしたその怪我とか関係してるの?」
「あぁ、大きな声では言えないんだけどな……」
とりあえず俺は藍原が来てから、藍原の許可を得て直晄に昨日の話しをしようと考えていた。
昨日あんなことがあったし、やっぱり少し心配だ。
「あ、春山君……ってどうしたの!? その頭……」
「ん? あぁ、清瀬さん。いや……ちょっとね」
俺と直晄が話しをしていると、清瀬さんが教室にやってきた。
俺の頭を見るなり、驚き何があったのかを俺に聞いてくる。
心配してくれているのだろう、清瀬さんは不安そうな表情で俺の方を見ていた。
「あぁ……昨日ちょっとね……」
「ちょっとどころじゃ無さそうだけど大丈夫? スマホも繋がらなかったし……」
「あぁ、実は今スマホが壊れてて、連絡出来ないんだ。何か用事でもあった?」
「あ、大丈夫。そんなに大した事じゃないから……ただ、昨日一緒に帰れなかったから……電話したいなって……」
「そ、そうだったんだ……」
顔を赤らめ、モジモジしながらそう言う清瀬さん。
控えめに言って天使だった。
「ところで、その怪我……本当に何があったの? まさか事故とか?」
「いや……別に対した事じゃないから……」
俺が清瀬さんとそんな話しをしていると、教室に藍原が入ってきた。
いつもと変わらない様子で自分の席に座り、友人と談笑を始める。
良かった、特に変わった様子は無いみたいだ……。
昨日の恐怖で学校にこれないかと思ったけど、大丈夫そうでひとまず安心だ。
「清瀬さん、ちょっとごめん」
「あ、春山君?」
俺は清瀬さんと直晄を置いて、藍原の方に近寄っていった。
「藍原」
「……あ、湊斗」
声を掛けると、藍原は最近の不機嫌な表情では無く、不安そうな表情で俺の顔を見た。
「ちょっと来て」
「え? あ、あぁ良いけど」
藍原に言われ、俺は藍原と共に教室の外に出て行った。
藍原は階段の踊り場にやってくると俺の頭を見て話し始めた。
「頭……大丈夫?」
「え? あぁ、大した事ねーよ、切っただけだ」
「そう……てか、昨日メッセージ送ったのに、なんで返信しなかったのよ!」
「え? あぁ、悪い。昨日のあれでスマホがぶっ壊れてさ、連絡取れなかったんだ」
「そ、そうだったの……なんだ……」
「……心配してくれたのか?」
「当たり前でしょ! 頭から血出すし……心配もするわよ……」
藍原はそう言って、俺の頭を不安そうに見つめる。
「本当に大丈夫? かなり強く殴られてたけど……」
「だ、大丈夫だって! 心配すんなよ! お前らしくもない」
なんだか今日の藍原はいつもの藍原と違って優しい。
まぁ、俺の頭の怪我を自分のせいだと思っているからだと思うけど……なんか昔を思い出すな……。
「無理しないでよ……倒れでもしたら……」
「大丈夫だって。お前も変に責任とか感じる必要は無いからな?」
「でも……私が……」
「あぁもう! お前はいつもそうだ!! 責任を感じすぎなんだよ!!」
「だ、だって私のせいでアンタは怪我して……」
「お前のせいじゃないだろ、悪いのはお前を誘拐しようとした奴ら! お前は被害者! 俺は勝手に飛び込んで行っただけだよ……」
「でも……」
まだ不安そうな表情を浮かべる藍原。
俺はそんな藍原の頭に手を置き、優しく話す。
「俺は大丈夫だから、心配すんな……それよりも、俺はお前が学校に来ないんじゃ無いかって心配だったよ」
「……強がってるくせに……馬鹿。でも……ありがとう」
藍原はそう言いながら俺に笑顔を浮かべる。 あぁ……そうだ……俺が藍原を好きな理由……こいつのこの笑顔に惚れたんだった……。
*
僕は清瀬さんと物陰から藍原さんと湊斗が話しているのを見ていた。
なんだか様子のおかしい二人。
昨日までの不仲だった二人が嘘のように、なんだか仲よさげに話しをしている。
これはもしかして……。
「あぐっ!! え? き、清瀬さん!?」
僕がもしかしてこの二人……より戻すんじゃね?
なんて事を考えていると、清瀬さんが僕の肩を掴んで不自然な笑顔を浮かべながら、僕に尋ねてきた。
「あぁ、ちょっとな……後で話すよ」
俺と藍原の事情を知る湊斗には理由を説明するとして……クラスメイトの誤解はどうやって解くべきか……まぁ、そのうち忘れるか。 それよりも今は藍原だな……昨日の今日で学校に来ないかもしれないけど……。
「藍原……まだ来てないんだな……」
「え? うん、今日は少し遅いね。やっぱりその怪我って……藍原さんに?」
「ちげーよ、どんだけあいつは怪力なんだよ」
「そ、そうだよね! 流石の藍原さんもそんな事しないよね!」
「なんでそんな喜んでるんだよ……あぁ、一応行っておくけど、俺今スマホがぶっ壊れてるから、連絡取れないからな」
「あぁ、昨日電話を掛けたのに出なかったのはそう言うことだったんだ」
「あぁ、画面バッキバッキに割れてさ、もう液晶が反応しないんだよ」
「そっか、落としたの?」
「まぁな……今日行けたら機種変行こうと思ってさ」
「それは災難だったね……もしかしたその怪我とか関係してるの?」
「あぁ、大きな声では言えないんだけどな……」
とりあえず俺は藍原が来てから、藍原の許可を得て直晄に昨日の話しをしようと考えていた。
昨日あんなことがあったし、やっぱり少し心配だ。
「あ、春山君……ってどうしたの!? その頭……」
「ん? あぁ、清瀬さん。いや……ちょっとね」
俺と直晄が話しをしていると、清瀬さんが教室にやってきた。
俺の頭を見るなり、驚き何があったのかを俺に聞いてくる。
心配してくれているのだろう、清瀬さんは不安そうな表情で俺の方を見ていた。
「あぁ……昨日ちょっとね……」
「ちょっとどころじゃ無さそうだけど大丈夫? スマホも繋がらなかったし……」
「あぁ、実は今スマホが壊れてて、連絡出来ないんだ。何か用事でもあった?」
「あ、大丈夫。そんなに大した事じゃないから……ただ、昨日一緒に帰れなかったから……電話したいなって……」
「そ、そうだったんだ……」
顔を赤らめ、モジモジしながらそう言う清瀬さん。
控えめに言って天使だった。
「ところで、その怪我……本当に何があったの? まさか事故とか?」
「いや……別に対した事じゃないから……」
俺が清瀬さんとそんな話しをしていると、教室に藍原が入ってきた。
いつもと変わらない様子で自分の席に座り、友人と談笑を始める。
良かった、特に変わった様子は無いみたいだ……。
昨日の恐怖で学校にこれないかと思ったけど、大丈夫そうでひとまず安心だ。
「清瀬さん、ちょっとごめん」
「あ、春山君?」
俺は清瀬さんと直晄を置いて、藍原の方に近寄っていった。
「藍原」
「……あ、湊斗」
声を掛けると、藍原は最近の不機嫌な表情では無く、不安そうな表情で俺の顔を見た。
「ちょっと来て」
「え? あ、あぁ良いけど」
藍原に言われ、俺は藍原と共に教室の外に出て行った。
藍原は階段の踊り場にやってくると俺の頭を見て話し始めた。
「頭……大丈夫?」
「え? あぁ、大した事ねーよ、切っただけだ」
「そう……てか、昨日メッセージ送ったのに、なんで返信しなかったのよ!」
「え? あぁ、悪い。昨日のあれでスマホがぶっ壊れてさ、連絡取れなかったんだ」
「そ、そうだったの……なんだ……」
「……心配してくれたのか?」
「当たり前でしょ! 頭から血出すし……心配もするわよ……」
藍原はそう言って、俺の頭を不安そうに見つめる。
「本当に大丈夫? かなり強く殴られてたけど……」
「だ、大丈夫だって! 心配すんなよ! お前らしくもない」
なんだか今日の藍原はいつもの藍原と違って優しい。
まぁ、俺の頭の怪我を自分のせいだと思っているからだと思うけど……なんか昔を思い出すな……。
「無理しないでよ……倒れでもしたら……」
「大丈夫だって。お前も変に責任とか感じる必要は無いからな?」
「でも……私が……」
「あぁもう! お前はいつもそうだ!! 責任を感じすぎなんだよ!!」
「だ、だって私のせいでアンタは怪我して……」
「お前のせいじゃないだろ、悪いのはお前を誘拐しようとした奴ら! お前は被害者! 俺は勝手に飛び込んで行っただけだよ……」
「でも……」
まだ不安そうな表情を浮かべる藍原。
俺はそんな藍原の頭に手を置き、優しく話す。
「俺は大丈夫だから、心配すんな……それよりも、俺はお前が学校に来ないんじゃ無いかって心配だったよ」
「……強がってるくせに……馬鹿。でも……ありがとう」
藍原はそう言いながら俺に笑顔を浮かべる。 あぁ……そうだ……俺が藍原を好きな理由……こいつのこの笑顔に惚れたんだった……。
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僕は清瀬さんと物陰から藍原さんと湊斗が話しているのを見ていた。
なんだか様子のおかしい二人。
昨日までの不仲だった二人が嘘のように、なんだか仲よさげに話しをしている。
これはもしかして……。
「あぐっ!! え? き、清瀬さん!?」
僕がもしかしてこの二人……より戻すんじゃね?
なんて事を考えていると、清瀬さんが僕の肩を掴んで不自然な笑顔を浮かべながら、僕に尋ねてきた。
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