今日からフリーになりまして

Joker0808

第11話

「事件は教室じゃない、現場で起きるんだよ!!」

「現場ってなんだよ……なんだ、昨日あのあとそんなヤバかったのか? もう俺とあいつは恋人関係じゃないんだぞ?」

「ま、まぁ……そうだけど……なんか藍原さん物騒だから……」

「それは元からだよ……はぁ……付き合ってる時もそうだったなぁ……すぐに叩いてくるし……女の癖にグーで殴ってくるんだぞ?」

「あぁ……一回やられてるのね……」

「一回? いや、多分……数え切れないな」

「日常的なのね……」

「まぁな……でも、あいつだってそこまでアホじゃ無いだろ? 別れた男をぶん殴るなんて事はぐぁっ!!」

「湊斗!?」

俺が直晄と話しをしていると、後ろから強い衝撃を感じ、俺は椅子から転げ落ちた。
なんとなく久しぶりなこの感覚……これは絶対あいつの仕業だ……。

「あ、藍原!! 急になにしやがる!!」

「別に……」

俺は後ろに居た藍原にそう言うと、藍原は冷たい視線を俺に向けてそう言った。
なんなんだよ……別に俺たち別れたんだし藍原には関係ないだろ……いろいろ……。
藍原は俺にそう言うと、自分の席に向かい、友人達と話しを始めた。

「なんなんだよ……」

「まぁ、昨日の事がかなり頭にきてるんだろうね……なんでも良いけど、今日一日は藍原さんに気を付けたほうがいいよ」

「それもそうだな」

俺は今日一日、藍原を避けながら生活をすることにした。
しかし、こんな日に限って、どこに行っても藍原に会ってしまう。
なんでなんだろうか、俺が行く先々に藍原がおり、藍原はその度に俺を睨んできた。

「はぁ……」

「どうしたの? なんか疲れてるな」

「あぁ……藍原に会わないようにしてるつもりなんだが……どこに行ってもあいつが居るんだよ……」

「そ、そうなんだ……何か話した?」

「話しなんかしねーよ、ひたすら無視! また殴られるのも嫌だしな」

「な、なるほど……そうなんだ……」

まったく、なんでこんな日に限って藍原とこんなに遭遇するのかねぇ……。





私、藍原由羽はいつも通り学校生活を送っていた。
いつもと違うところがあるとすれば、今朝湊斗を殴ったことだろうか?

「あ、あのさ由羽」

「え? なに?」

「あ、あの……なんか今日機嫌悪い?」

「え、そんな事ないわよ」

「じゃあ、なんで額に青筋が浮かんでるの……」

クラスの友人にそう言われ、私は慌てて青筋を引っ込める。
別に怒ってなんかいない。
ただ、ちょっとなんかモヤモヤしているだけ。

「あぁ、ごめんね、怖かった?」

「そ、そういう訳じゃないんだけど、何かあったのかと思って……なんか……顔が怖いし……」

「そ、そうかしら?」

友人に言われて、私は頬に手を当てて、表情を直す。
はぁ……ダメね……いらいらしすぎて顔に出ちゃってる……。
てか、なんで私こんなイライラしてるんだろ……。

「やっぱり春山君の事?」

「え? そ、そうじゃないわよ……あいつとはもう何でも無いし……」

「そう? なんか、昨日も春山君の事で怒ってたし………もしかしてまだ未練があるとか?」

「そんなことあるわけ無いでしょ! 誰があんなやつ……」

「そ、そうなんだ……」

はぁ……まったく、なんで私が湊斗に未練なんか……。
こっちは清々してるのよ、ようやくあんな馬鹿と別れられたんだから!
だけど、今度は湊斗の奴が私を差し置いて自分だけ幸せになろうとしてるのが許せないのよ!!

「ねぇ、由羽」

今度は芽生が話し掛けてきた。

「はぁ……本当に春山君とはもうよりを戻す気はないの?」

「ないわよ!」

「あっそ……じゃあ早く他の男を見つけなさいよ、いつまでも春山君に絡む必要も無いでしょ?」

「湊斗が私と別れて早々に幸せになろうとするのが許せないだけよ」

「はぁ……なんでも良いけど、ほどほどにしなさいよ……もうあんたら恋人同士じゃないんだから……」

「わ、わかってるわよ」

「じゃあ、もう春山君には手を出しちゃダメよ」

「なんでよ?」

「言わなきゃわからないの……」

芽生は肩をガクッと落としてそう言っていた。
でも……芽生の言うことも最もよね……新しい男かぁ……。
告白されることは結構多い。
でも、なんでだろう……付き合いたいとあまり思えないのよね。

「はぁ……なんで私……湊斗とは付き合えたんだろ……」

「好きだからじゃないの?」

「……今は違うわよ……てか、なんで私はあいつが好きだったんだろ……」

私は昔を思い返し、なんで湊斗を好きになったかを考える。

「どう? 思い出せた?」

「………ダメだわ、思い出せない。きっと一時の気の迷いね」

「アンタの恋ってそんなので良いの……」

まぁ、湊斗にも彼女が出来そうなんだし、私にだってきっとすぐに……出来るのかしら?
いや、大丈夫よね?

「芽生」

「今度は何?」

「誰かいい人紹介して」

「そんな人居たら、私がアタックしてるわよ」

「そうよね……はぁ……試しに誰かと付き合ってみようかしら」

「ま、今のアンタにはその方が良いのかもしれないわね……」

「どっかに性格が良くて、イケメンで、頭が良くて、お金持ってる男って居ないかしら?」

「春山君にその要素は一つも無いわね……」

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