今日からフリーになりまして

Joker0808

第5話




私、清瀬彩葉自室の部屋で今日の事を思い返していた。

「うーん……少し不自然だったかな? まぁでもいっか……連絡先手に入れたし」

まさか、湊斗君が別れてたなんて、ラッキーだったなぁ……。
でも、私の事覚えてなかったなぁ……。

「まぁ、昔の事だし仕方ないか……さて、次の計画を始めますか」

私はめがねを掛けて、ノートにペンを走らせる。

「このチャンス……絶対に逃さない……」





翌日、俺は学校に到着するなり、熱い視線を感じていた。
その視線の主がなぜ俺の事をこんなに凝視しているのか、俺は皆目見当も付かない。
まぁ、その視線の主は藍原なのだが……。

「ねぇ……」

「なんだよ……」

「藍原ずっと見てるけど……何かあった?」

「いや……何かはあったが……何も無いと言えば無い……」

「いや……なんか凄い、恨みを込めた視線が湊斗に向けられてるけど……」

あいつはなんで俺の事を凝視してるんだ?
もう別れたんだし、あいつから私と関わるなって言ったくせに……。

「ま、まぁいいや……それより相談があるんだが……」

「相談? どうかしたの?」

俺は直晄に昨日の事を相談しようと、場所を階段の踊り場に移して話しを始める。

「実はな……俺にモテ期が来たらしい……」

「は? 一体何があったの?」

「昨日の帰りの事だ……」

俺は昨日の帰り道に起こった出来事を直晄に話した。

「へぇ……清瀬彩葉さんねぇ……確か隣のクラスだったと思うけど?」

「隣のクラスなのか?」

「それも知らなかったの?」

「あぁ、この前話したのが始めてだから……」

「ふーん……でも、確かに上手く行き過ぎてる気がするね……」

「だろ? 俺は絶対何か有ると思うんだが……」

「本根は?」

「メッチャ嬉しい」

「あっそ……はぁ……すぐに他の女に行くなんて……」

「なんだよその言い方。諦めが悪いよりも良いだろ?」

「はぁ……藍原さんと寄りを戻そうとか思わないの?」

「思わない」

「即答……」

そりゃあ即答もする。
藍原みたいな暴力女より、清瀬さんみたいな優しくて大人っぽい子の方が何倍も良い。

「なんだかなぁ……まぁでも、清瀬さんの事も気になるね……」

「あぁ、このままホイホイ付いて行って良いものか……」

「湊斗は可愛い子に弱いからね……まぁ、騙されないようにだけ気を付けてね」

騙されないようにか……。
確かにこんな上手い話しは無いだろうし……絶対に裏があると思うんだが……。
そしてあっという間に放課後、俺は早く帰ろうと帰宅の準備をしていた。

「湊斗、たまにはどこかに遊びに行かないか? 今日バイト休みなんだ」

「お、いいな! じゃあゲーセンにでも……」

「春山君」

俺と直晄が話しをしていると、後ろから誰かが話し掛けてきた。
後ろを振り向くと、そこには鞄を持った清瀬さんが居た。

「き、清瀬さん? ど、どうしたの?」

「ん? いやぁ、一緒に帰れないかなぁーって思って。あ、それとも先約があったかな?」

直晄を見て、清瀬さんはそう言う。
直晄は何かを察し、清瀬さんの方を向いて不自然な笑顔で尋ねる。

「えっと、二組の清瀬さんだよね? 湊斗から少し話しを聞いたけど、湊斗のどこが良くてあんな事を言ったの?」

「お、おい直晄! いきなりそんな事を聞くのは失礼だろ!」

俺が直晄にそう言って注意すると、清瀬さんは直晄に向かって話し始める。
クラスの視線も集まってきて、なんだかいたたまれない空気になってきた。
その中にはもちろん藍原もいた。

「あぁ、私の事を疑ってるのかな? 大丈夫大丈夫、春山君の事を騙そうなんて思ってないから」

「そう言われてもねぇ……湊斗は女の子に弱いから」

「うん知ってる」

「しかも美少女にはめっぽう弱いし」

「胸の大きな子が好きだよね?」

「あぁ、おまけにロングヘアーの子に弱い!」

「大学生物のエッチなDVDとか持ってそうだよね」

「いや、湊斗のパソコンの中は以外と女子高生物が多……」

「さっきから何を言ってんだよ!! クラスの連中に俺の性癖が暴露されてんだろ!!」

話しの趣旨が段々ズレていき、何故か俺の性癖暴露大会になってしまった。
てか、こいつら一体何がしたいんだよ!!
クラスの女子の俺を見る目がどんどんキツくなっていくだろうが!!
てか、なんで清瀬さんは俺のそんな情報を知ってんだよ!!

「も、もう良いから……場所移そうぜ……周囲の目が痛い……」

周りのクラスの女子は俺の方を見てコソコソ話しをしていた。

「やーねぇ……女子高生物だって……」

「私たちをどんな目で見てるんだか」

「ほんとやーねぇー」

ヤバイ……死にたい。
男共は男共で別な話題でコソコソしてるし……。

「春山の野郎……別れたばっかで早速次の女かよ!」

「くぅーなんであいつがあんなモテるんだよ!」

「今度あいつの靴に画鋲でも入れといてやるか」

なんでだろう……このクラスが嫌いになりそうだ。
俺がそんな事を思っていると、今度は遠目で見ていた藍原がこちらにやってきた。

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