今日からフリーになりまして
第5話
*
私、清瀬彩葉自室の部屋で今日の事を思い返していた。
「うーん……少し不自然だったかな? まぁでもいっか……連絡先手に入れたし」
まさか、湊斗君が別れてたなんて、ラッキーだったなぁ……。
でも、私の事覚えてなかったなぁ……。
「まぁ、昔の事だし仕方ないか……さて、次の計画を始めますか」
私はめがねを掛けて、ノートにペンを走らせる。
「このチャンス……絶対に逃さない……」
*
翌日、俺は学校に到着するなり、熱い視線を感じていた。
その視線の主がなぜ俺の事をこんなに凝視しているのか、俺は皆目見当も付かない。
まぁ、その視線の主は藍原なのだが……。
「ねぇ……」
「なんだよ……」
「藍原ずっと見てるけど……何かあった?」
「いや……何かはあったが……何も無いと言えば無い……」
「いや……なんか凄い、恨みを込めた視線が湊斗に向けられてるけど……」
あいつはなんで俺の事を凝視してるんだ?
もう別れたんだし、あいつから私と関わるなって言ったくせに……。
「ま、まぁいいや……それより相談があるんだが……」
「相談? どうかしたの?」
俺は直晄に昨日の事を相談しようと、場所を階段の踊り場に移して話しを始める。
「実はな……俺にモテ期が来たらしい……」
「は? 一体何があったの?」
「昨日の帰りの事だ……」
俺は昨日の帰り道に起こった出来事を直晄に話した。
「へぇ……清瀬彩葉さんねぇ……確か隣のクラスだったと思うけど?」
「隣のクラスなのか?」
「それも知らなかったの?」
「あぁ、この前話したのが始めてだから……」
「ふーん……でも、確かに上手く行き過ぎてる気がするね……」
「だろ? 俺は絶対何か有ると思うんだが……」
「本根は?」
「メッチャ嬉しい」
「あっそ……はぁ……すぐに他の女に行くなんて……」
「なんだよその言い方。諦めが悪いよりも良いだろ?」
「はぁ……藍原さんと寄りを戻そうとか思わないの?」
「思わない」
「即答……」
そりゃあ即答もする。
藍原みたいな暴力女より、清瀬さんみたいな優しくて大人っぽい子の方が何倍も良い。
「なんだかなぁ……まぁでも、清瀬さんの事も気になるね……」
「あぁ、このままホイホイ付いて行って良いものか……」
「湊斗は可愛い子に弱いからね……まぁ、騙されないようにだけ気を付けてね」
騙されないようにか……。
確かにこんな上手い話しは無いだろうし……絶対に裏があると思うんだが……。
そしてあっという間に放課後、俺は早く帰ろうと帰宅の準備をしていた。
「湊斗、たまにはどこかに遊びに行かないか? 今日バイト休みなんだ」
「お、いいな! じゃあゲーセンにでも……」
「春山君」
俺と直晄が話しをしていると、後ろから誰かが話し掛けてきた。
後ろを振り向くと、そこには鞄を持った清瀬さんが居た。
「き、清瀬さん? ど、どうしたの?」
「ん? いやぁ、一緒に帰れないかなぁーって思って。あ、それとも先約があったかな?」
直晄を見て、清瀬さんはそう言う。
直晄は何かを察し、清瀬さんの方を向いて不自然な笑顔で尋ねる。
「えっと、二組の清瀬さんだよね? 湊斗から少し話しを聞いたけど、湊斗のどこが良くてあんな事を言ったの?」
「お、おい直晄! いきなりそんな事を聞くのは失礼だろ!」
俺が直晄にそう言って注意すると、清瀬さんは直晄に向かって話し始める。
クラスの視線も集まってきて、なんだかいたたまれない空気になってきた。
その中にはもちろん藍原もいた。
「あぁ、私の事を疑ってるのかな? 大丈夫大丈夫、春山君の事を騙そうなんて思ってないから」
「そう言われてもねぇ……湊斗は女の子に弱いから」
「うん知ってる」
「しかも美少女にはめっぽう弱いし」
「胸の大きな子が好きだよね?」
「あぁ、おまけにロングヘアーの子に弱い!」
「大学生物のエッチなDVDとか持ってそうだよね」
「いや、湊斗のパソコンの中は以外と女子高生物が多……」
「さっきから何を言ってんだよ!! クラスの連中に俺の性癖が暴露されてんだろ!!」
話しの趣旨が段々ズレていき、何故か俺の性癖暴露大会になってしまった。
てか、こいつら一体何がしたいんだよ!!
クラスの女子の俺を見る目がどんどんキツくなっていくだろうが!!
てか、なんで清瀬さんは俺のそんな情報を知ってんだよ!!
「も、もう良いから……場所移そうぜ……周囲の目が痛い……」
周りのクラスの女子は俺の方を見てコソコソ話しをしていた。
「やーねぇ……女子高生物だって……」
「私たちをどんな目で見てるんだか」
「ほんとやーねぇー」
ヤバイ……死にたい。
男共は男共で別な話題でコソコソしてるし……。
「春山の野郎……別れたばっかで早速次の女かよ!」
「くぅーなんであいつがあんなモテるんだよ!」
「今度あいつの靴に画鋲でも入れといてやるか」
なんでだろう……このクラスが嫌いになりそうだ。
俺がそんな事を思っていると、今度は遠目で見ていた藍原がこちらにやってきた。
私、清瀬彩葉自室の部屋で今日の事を思い返していた。
「うーん……少し不自然だったかな? まぁでもいっか……連絡先手に入れたし」
まさか、湊斗君が別れてたなんて、ラッキーだったなぁ……。
でも、私の事覚えてなかったなぁ……。
「まぁ、昔の事だし仕方ないか……さて、次の計画を始めますか」
私はめがねを掛けて、ノートにペンを走らせる。
「このチャンス……絶対に逃さない……」
*
翌日、俺は学校に到着するなり、熱い視線を感じていた。
その視線の主がなぜ俺の事をこんなに凝視しているのか、俺は皆目見当も付かない。
まぁ、その視線の主は藍原なのだが……。
「ねぇ……」
「なんだよ……」
「藍原ずっと見てるけど……何かあった?」
「いや……何かはあったが……何も無いと言えば無い……」
「いや……なんか凄い、恨みを込めた視線が湊斗に向けられてるけど……」
あいつはなんで俺の事を凝視してるんだ?
もう別れたんだし、あいつから私と関わるなって言ったくせに……。
「ま、まぁいいや……それより相談があるんだが……」
「相談? どうかしたの?」
俺は直晄に昨日の事を相談しようと、場所を階段の踊り場に移して話しを始める。
「実はな……俺にモテ期が来たらしい……」
「は? 一体何があったの?」
「昨日の帰りの事だ……」
俺は昨日の帰り道に起こった出来事を直晄に話した。
「へぇ……清瀬彩葉さんねぇ……確か隣のクラスだったと思うけど?」
「隣のクラスなのか?」
「それも知らなかったの?」
「あぁ、この前話したのが始めてだから……」
「ふーん……でも、確かに上手く行き過ぎてる気がするね……」
「だろ? 俺は絶対何か有ると思うんだが……」
「本根は?」
「メッチャ嬉しい」
「あっそ……はぁ……すぐに他の女に行くなんて……」
「なんだよその言い方。諦めが悪いよりも良いだろ?」
「はぁ……藍原さんと寄りを戻そうとか思わないの?」
「思わない」
「即答……」
そりゃあ即答もする。
藍原みたいな暴力女より、清瀬さんみたいな優しくて大人っぽい子の方が何倍も良い。
「なんだかなぁ……まぁでも、清瀬さんの事も気になるね……」
「あぁ、このままホイホイ付いて行って良いものか……」
「湊斗は可愛い子に弱いからね……まぁ、騙されないようにだけ気を付けてね」
騙されないようにか……。
確かにこんな上手い話しは無いだろうし……絶対に裏があると思うんだが……。
そしてあっという間に放課後、俺は早く帰ろうと帰宅の準備をしていた。
「湊斗、たまにはどこかに遊びに行かないか? 今日バイト休みなんだ」
「お、いいな! じゃあゲーセンにでも……」
「春山君」
俺と直晄が話しをしていると、後ろから誰かが話し掛けてきた。
後ろを振り向くと、そこには鞄を持った清瀬さんが居た。
「き、清瀬さん? ど、どうしたの?」
「ん? いやぁ、一緒に帰れないかなぁーって思って。あ、それとも先約があったかな?」
直晄を見て、清瀬さんはそう言う。
直晄は何かを察し、清瀬さんの方を向いて不自然な笑顔で尋ねる。
「えっと、二組の清瀬さんだよね? 湊斗から少し話しを聞いたけど、湊斗のどこが良くてあんな事を言ったの?」
「お、おい直晄! いきなりそんな事を聞くのは失礼だろ!」
俺が直晄にそう言って注意すると、清瀬さんは直晄に向かって話し始める。
クラスの視線も集まってきて、なんだかいたたまれない空気になってきた。
その中にはもちろん藍原もいた。
「あぁ、私の事を疑ってるのかな? 大丈夫大丈夫、春山君の事を騙そうなんて思ってないから」
「そう言われてもねぇ……湊斗は女の子に弱いから」
「うん知ってる」
「しかも美少女にはめっぽう弱いし」
「胸の大きな子が好きだよね?」
「あぁ、おまけにロングヘアーの子に弱い!」
「大学生物のエッチなDVDとか持ってそうだよね」
「いや、湊斗のパソコンの中は以外と女子高生物が多……」
「さっきから何を言ってんだよ!! クラスの連中に俺の性癖が暴露されてんだろ!!」
話しの趣旨が段々ズレていき、何故か俺の性癖暴露大会になってしまった。
てか、こいつら一体何がしたいんだよ!!
クラスの女子の俺を見る目がどんどんキツくなっていくだろうが!!
てか、なんで清瀬さんは俺のそんな情報を知ってんだよ!!
「も、もう良いから……場所移そうぜ……周囲の目が痛い……」
周りのクラスの女子は俺の方を見てコソコソ話しをしていた。
「やーねぇ……女子高生物だって……」
「私たちをどんな目で見てるんだか」
「ほんとやーねぇー」
ヤバイ……死にたい。
男共は男共で別な話題でコソコソしてるし……。
「春山の野郎……別れたばっかで早速次の女かよ!」
「くぅーなんであいつがあんなモテるんだよ!」
「今度あいつの靴に画鋲でも入れといてやるか」
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俺がそんな事を思っていると、今度は遠目で見ていた藍原がこちらにやってきた。
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