隣の部屋の裸族さん

Joker0808

第53話

「ん……」

「よぉ、やっと起きたか」

「………ご飯?」

「俺を見ると必ずそれを言うのな……」

俺は布団にくるまる八島にそう言い、服を渡す。

「ほら、あっち行ってるからさっさと着替えろ」

「ん……あれ? なんでいるの……」

「いや、絢葉ちゃんが呼んだんでしょうが……」

こいつ、上屋敷の事を家に呼んだことまで忘れてやがる……。
俺は八島の部屋から出て、八島が着替え終わるのを待った。

「なぁ上屋敷、お前今日はどうするんだ?」

「ん? まぁ、今日は絢葉ちゃんに泊めてもらおうかなって」

「そうか……」

「うん。あ、私は今日なんか麺の気分です!」

「やっぱり俺が作るのね……」

「当たり前じゃないか!」

グッと親指を前に突き出してくる上屋敷。

「はぁ……こういう時って普通、女子が料理するものじゃないの?」

「私は料理が出来ない!」

「威張るな!」

結局こうなるのかよ……。
俺がそんな事を考えていると、着替えを済ませた八島が部屋から出てきた。

「お待たせ」

「ん、飯食うだろ?」

「うん……」

「じゃあ、俺の部屋来て待ってろ。上屋敷も来いよ」

「……変なことしない?」

「するわけねぇだろ……なんだよ急に」

「だって……絢葉ちゃんの肌を視感してたって……」

「してねーよ!!」

俺は部屋に二人を呼び、三人分の食事を作り始めた。
やれやれ……なんで俺がこんな事をしなきゃいけないのか……。

「いやぁ~いつ食べても琉唯君のごはんは美味しいねぇ~」

「ん……美味しい……」

「それはようござんした」

なんか一人暮らしを初めてから、一人で飯を食べることの方が少なくなったな。
どっちかっていうと、去年の方が一人で食ってたな……。

「どうしたの? 琉唯君?」

「ん? なにがだ?」

「なんかうれしそうな顔してるから」

「………んなわけねぇだろ」

そんなわけ無い……。
だが……去年より退屈ではなくなったのかもしれない。
俺はそんな事を考えながら飯を食べる。
すると、俺のスマホに通知が来た。

「ん? 一体なんだ?」

俺は箸を止め、スマホの画面を見る。
どうやら高石からメッセージが来たらしい。

【ねぇ、なんで上屋敷さんがいるの? ねぇ、なんで?】

「………」

俺はそのメッセージを見た瞬間、咄嗟に辺りを見回した。

「どうしたの? 琉唯君?」

「い、いや……ストーカーって怖いなって……」

俺は冷や汗をかきながら、とりあえず部屋のすべてのカーテンを閉めた。



続く!!

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