隣の部屋の裸族さん

Joker0808

第42話

早乙女が言うと冗談に聞こえないんだよなぁ……。

「とにかく、そう言うことなら私も協力するわ」

「マジか! ありがとう!! あ、あとこのことは強には……」

「分かってるわよ、言ったら嫉妬に狂って琉唯ちゃんを殺し兼ねないわ」

「あいつ、どんな形であろうと女子に好かれてる男子が嫌いだからな……」

早乙女の協力が得られたのは大きい、見方が居るというだけで俺の気持ちは少し楽になった。

「それで? どうやって嫌われるの?」

「うーん……それなんだよなぁ……嫌われるってどうすれば良いんだ?」

「そうねぇ……少し無視してみら良いんじゃ無い?」

「無視?」

「えぇ、無視されるのって結構女子は嫌なはずよ」

「なるほど……でも、班の空気悪くならないか?」

「そんな事を気にしてる場合じゃないでしょ? 今はなんとか高石ちゃんから嫌われる事を考えないと!」

「ま、まぁ……そうか……」

俺は早乙女から言われた通り、高石を無視することにした。
話しかけられても応えないなんて、俺に出来るのだろうか?





合宿場に到着した俺たちは班ごとに部屋に荷物を置きに向かっていた。

「キャンプも良かったけど、やっぱりベッドの寝心地が一番だよなぁ」

「そうよねぇ~、寝袋は腰が痛くなっていけないわ~」

「あ、あぁ……そうだな」

男しか居ない空間が落ち着くと思ったのは初めてだ。
この部屋なら高石も入ってこれない安全な場所だ。
俺は一呼吸付いてベッドに座る。
すると、俺のスマホが鳴った。
どうやら誰かからメッセージが届いたようだ。

「はっ!!」

俺はスマホを手に取った瞬間息を呑んだ。
メッセージの相手が高石だったからだ。
い、一体何の用だろうか?
俺は震える手でスマホを操作し、メッセージを確認する。

【こっちの部屋は広くて良い部屋だよ、そっちはどう?】

「なんだ……普通のメッセージか……」

俺は胸をなで下ろし返信を打とうとした。

「あ、今は高石を無視しなくちゃいけないんだ……」

返信を打とうとして、俺はあの作戦を思い出した。
危なく返信を返すところだった……。
俺はそのまま返信をせずにスマホをポケットに仕舞おうとする。
しかし………。

「ん? またメッセージか?」

またしても俺のスマホが音を鳴らした。
またメッセージのようだ。
俺はスマホを再び手に取って、スマホを確認する。

【ねぇ、どうしたの? そっちはどんな感じ?】

またしても送信者は高石だった。
どうやら俺からの返信が無いから、またメッセージを送ってきたらしい。
なんだか可愛そうな気もしたが、俺は高石のメッセージを無視し、スマホをポケットに仕舞おうとした。
すると、またしてもスマホの通知音が鳴った。

【ねぇ、どうしたの? なんで返信してくれないの?】

「うっ………」

そんな事を言われると良心が痛むな……でも、ここで返信をしたら負けてしまう!
そんなことを考えていると、またしても高石からメッセージが来た。

【無視するの?】

うわぁ……なんかさっきまでの感じと雰囲気が違う……てか、若干怖い……。
その後も次々と高石からメッセージは送られてきた。

【そういう事するんだ……】

【あ、もしかしてスマホの充電切れた?】

【そう言えばさっき、早乙女君と何を話してたのかな?】

バレてる!!
し、しかし話しの内容までは……。

【もしかして早乙女君に言われた事を真に受けてる? 木川君の性格じゃそれは無理だよ】

バレてるぅぅぅぅぅぅぅぅ!!
話しの内容までバレてるよ!
てかどこで聞いてたの!?
ヤバイ……早速作戦が失敗した!
こ、ここは早乙女に相談するべきか?

【ウフフ……何をやっても無駄だよ、私が貴方を嫌いになるなんて有り得ないから】

そこまで俺の事を好きなら、俺の気持ちになって考えてくれ!
俺は高石さんと普通に恋愛をしたかったよ!!

「さ、早乙女……ちょっと良いか?」

「あら? どうしたの?」

「いや、緊急事態が………」

そう俺が言いかけた瞬間、スマホに電話が掛かってきた。

「あら、鳴ってるわよ」

「こんな時に一体……っ!?」

スマホに表示された名前を見た瞬間、俺は血の気が引くのを感じた。
スマホの画面には【高石千鶴】と表示されていたからだ。

「ど、どうする!?」

「とりあえず出ないで置いたら? 言ったでしょ? 無視って」

「いや、その話しも実は高石にバレてんだよ……」

「え!? ま、まさかあの会話も聞かれてたってこと?」

「あぁ、多分……」

そんな話しを早乙女としている間に、スマホは鳴り止んだ。

「ん? 二人してどうしたんだ? こそこそして……はっ! お前らまさか……」

「強! 今はお前のボケにツッコんでる暇ねぇんだよ!!」

「えぇ………そんな怒らなくても……」

俺は焦っていた。
俺はもしかしたら、高石の手のひらで踊っているというのか?
ヤバイ……もしかしたら俺はとんでもない女の子とお試しで付き合ってしまったようだ……。

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