隣の部屋の裸族さん

Joker0808

第41話

「あ、あははは……そうなるよね……でも、俺なんて大した事無い人間だし」

「好きになる人は何か特別じゃ無いといけないの?」

「そ、そうでは無いけど……あ、俺って結構金使い荒いし!」

「スーパーで安くなるからって、タイムセールを狙う木川君が?」

なんでそんな恥ずかしい俺の秘密まで知ってんだよ!
そうだよ!
食費はいくらでも安く済ませたいから、毎回必ずタイムセールを狙って行くんだよ!

「で、でも……その節約も欲しいゲーム買うためだし……ギャルゲーとか!」

嘘はついてない。
実際俺は結構ゲーム買う方だし……まぁ、ギャルゲーは買った事無いけど……。

「え? 木川君が好きなゲームのジャンルって、RPGとかアクションとかでしょ? ギャルゲーなんて買ってるところ見た事無いよ? あ、そう言えばこの前は先週発売された格闘ゲーム買ってたよね?」

バレているぅぅぅぅぅぅぅぅ!!
この子どんだけ俺の事を知ってるんだよ!
なんで俺の好みのゲームのジャンルまで知ってるんだよ!
こえぇよ!!

「あ、あぁ……よ、良く知ってるな……」

「当然だよ、だって……見てたもん」

なんだこの子、マジで怖い!
こ、この子俺の部屋の中に盗聴器とかカメラとか仕掛けてないよな?
てか、この子を俺の家に上げるのは絶対ダメだ!
家に入れた瞬間に何かを設置される!!

「あ、あはは……そ、それは気がつかなかったなぁ……」

「うふふ………」

ヤバイ……一体この子はいつから俺をストーキングしているんだ!!
も、もしかして一年の頃から?
ヤバイ! この子は非常にヤバイ!!
絶対ヤバイストーカーだ!!
絶対にまともな子だと思ったのに!!
俺は手を震わせながら、朝食のスープを作り、カップに分けていく。

「どうしたの? もしかして緊張してる?」

緊張じゃねーよ!
これは恐怖だよ!!

「あ、あはは……そ、そんな事無いよ……」

「うふふ、じゃあ手伝って上げる」

「え? うぉっ!!」

高石はそう言うと、俺の手を握ってスープを分けるのを手伝い始めた。
なぜだろう……女子から手を握られたからだろうか、俺は背中に変な汗を掻いているのに気がついた。
緊張しているのだろうか?
それとも恐怖しているのだろうか?

「お、おい……だ、大丈夫だから離してくれ……」

「ん? 私に手を握られるのは嫌?」

嫌です!
断固拒否します!!
なんて事を言えるはずも無く……。

「い、嫌では無いが……大丈夫だから」

「そう? なら離すわ、残念」

「あはは………」

はぁ……はぁ……なんか疲れるな……。
やっぱり高石とは出来るだけ距離を置いた方が良さそうだ……。
このままじゃ身が持たない……。
色々あったが、俺は無事スープを作り終えて皆のところに持って行く。

「お、お待たせ……」

「遅かったな、琉唯らしくもない……やっぱり具合悪いのか?」

「い、いや……だ、大丈夫だ……」

まぁ、病を患っているのは俺じゃ無くて高石なんだと思うが……。

「ほ、ほらさっさと飯を食おうぜ、時間も無いし」

「あ、あぁ……本当に大丈夫か? なんか顔色も悪いぞ?」

「だ、大丈夫だ! 問題無い!」

「絶対に何か問題があった見たいな顔して言われても……」

俺たちは他の班から数分遅れて、朝食をとり始めた。
朝食は昨日のカレーよりも簡単な物ばかりなので早く出来上がった。
朝食の後はテントを畳み、合宿場に移動になった。
移動の途中も強は俺がいつもと違うことに気がつき、俺に話し掛けてきた。

「なぁ、どうしたんだ? やっぱり具合でも悪いのか? 今朝も変な事言ってきたし」

「あ、いや……心配させて悪いな……」

荷物を持って歩きながら、俺は強にそう言う。
このことを強に話す訳にはいかない。
強に話せば、多分……強に殺されるからだ。
「はぁ……」

「………ちょっと、琉唯ちゃん」

「ん……なんだよ早乙女……」

「……高石ちゃんと何かあったの?」

「え? い、いや……別に?」

「じゃあなんで目をそらすのよ、もう女の勘を舐めないでよね!」

「いや、お前は女じゃなくて化けm……」

「ちゅーするわよん」

「よ、よく分かったな! 流石は女の勘だ……」

しまった、なんか流れで話してしまった……。
まぁでも早乙女になら話しても問題は無いか……幸い今は強も居ないし……。

「実はな……」

俺は昨日の高石との出来事を八島の事を省いて、早乙女に話した。

「なるほどね……なんか怪しいと思ったのよ、あんたら二人、朝から」

「お前は気がついてたのか?」

「バレバレよ、まさかそんな面白……げふんげふん、大変な事になっていたなんて……」

「おい、今面白そうって言いかけたか?」

「気のせいよ、それでどうやって高石ちゃんに嫌われる気? 聞いた話だと、高石ちゃん何をするか分からないみたいな子だけど……」

「そうだよなぁ……俺の行動とか趣味とか……色々詳しいんだよ」

「まぁでも気持ちは分からなくもないわ………好きな人の色んな事を知りたいと思う気持ちは……私もそうだったわ……」

「え?」

「冗談よ」

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