隣の部屋の裸族さん
第38話
「お前……俺が告白を断ったら……どうする気だ?」
「ん? どうもしないよ? ただ……少し口が軽くなるけど」
笑いながらそう言う彼女を見ながら、俺は悟った。
彼女は性格の良い美少女なんかじゃないと……。
唯一班の中でまともだと思っていた少女が俺にとって一番ヤバイ奴だったなんて…・・・。
*
私、上屋敷佐恵は同じクラスの男子からの告白を受けその返事をした後、思わぬ場面に出会してしまった。
「私と付き合ってよ」
「え?」
私は茂みの中で隠れてその様子を見ていた。 話しをしているのは同じ委員会の木川君だ、それと女の子の方は……名前は確か高石さんだ。
穏やかそうな雰囲気の子で、凄く可愛い。
そんな子が木川君に告白していた。
「う、うわぁ……なんか大変場面に出会しちゃったぁ~」
私は茂みの中で隠れながら、二人の様子を見ていた。
少し離れていたので、良く話しは聞こえなかったが、なんだか木川君が騒いでいる。
まぁ、あれだけ可愛い子から告白されたんだし、嬉しいのは分かるけど……あそこまではしゃがなくても……。
「あれ? 私……なんでこんなモヤッとしてるんだろ?」
別に木川君の事は仲の良い友達くらいにしか思っていない。
でも……なんだろう……この胸にあるモヤモヤ……。
「うーん……変な物でも食べたかな? あ、もしかしてカレーにイチゴを入れたのが悪かったのかなぁ?」
きっとそうだ。
あぁ、変なことしなきゃよかった~。
私はそんな事を考えながら、その場を後にした。
まぁ、覗いて悪かったけど木川君を弄るネタが出来たなぁ~。
明日、根掘り葉掘り聞いちゃうんだから!
私はそんな事を考えながら、自分のテントに戻って行った。
*
「はぁ……疲れた」
「あら、ようやく戻ってきたの?」
俺は自分のテントに戻ってきた。
テントに戻ると早乙女は美肌パックをしており、強はスマホで美少女ゲームをしていた。
「お、一体どこに行ってたんだよ?」
「ちょっとな……」
「トイレにしては長かったわね……まさか!! 私以外の男とトイレで!?」
「早乙女、お前が考えているようなことは絶対無い」
「じゃあ、あれか? 茂みの中で男と……」
「強、お前までそんな事を言うようになったら、俺はいよいよお前らと上手くやってく自信が無くなる……」
「冗談だって。で、どこに行ってきたんだ?」
「散歩だよ、山の空気が吸いたくてな……」
まぁ、実際は散歩どころでは無いほど、大変な事態になってしまったが……。
てか、俺の班って全員変な奴で構成されてたんだな……ん?
その理論で行くと俺も変な奴なのだろうか?
まぁ今はそんな事はどうでも良いか……。
「はぁ……明日から気が重いな……」
あの答えは果たして正しかったのだろうか?
まぁ、あの場合はあぁ答えるしか方法が無かったのだが……。
「まだ21時ね……どうせまだ二人とも寝ないんでしょ?」
「当たり前よ! 今から吉谷達のテントに行って、皆で人狼やろうぜ!」
「あら、良いわね!」
そう言う強とノリノリの早乙女。
しかし、俺はなんだかそんな気分じゃなかった。
明日の事を考えると俺はなんだか体が重たくなるのを感じた。
はぁ……そう言えば、八島はテントで上手くやれてんのかな?
テントの中でいつもの感じで服脱いでないよな?
*
「八島さん! それで実際はどうなの!」
「………何が?」
私、八島絢葉は自分のテントの中で同じクラスの女子生徒に詰め寄られていた。
質問の内容はもちろん、木川との関係……付き合ってるか付き合って無いかって話し。
「好きなの!?」
「でも、なかなか良いところを狙うわよねぇ~」
「木川君って、うちのクラスで顔は普通だけど優しいし、なんだかんだ言って率先していろいろやってくれるし、話しやすいし」
「いやぁ~八島さんって見る目有るよねぇ~」
結構木川は女子からの評価が高い。
当たり前か……じゃないと私のお世話なんてしてくれないし……。
でも……私は木川の事をどう思ってるんだろ……。
「ただいまぁ~」
「あ、千鶴おかえり~」
「何やってたの? もしかして誰かに告白!?」
「違うよ、ちょっとお散歩」
同じ班の高石が帰ってきた。
私と違って表情豊かで友達も多い、だからこのテントには女子が七人も居る。
「今ね、八島さんに聞いてたのよ! 実際木川君とはどうなの? って!」
「ふーん、そうなんだ」
「………」
なんだろう……高石は確かに優しいし、性格も良いと思う……でも、私と話す時は彼女から黒い物を感じる。
「仲は良いよね? でも木川君は否定してたよ?」
「そこよ! 木川に聞いたってあいつは答えないから、八島さんに聞いてるの! 八島さんなら答えてくれるかなって」
そんな事を言われても……。
私も木川と私の関係は誰にも言わないって約束したし……。
「ん……付き合ってはいない」
「えぇ~本当にぃ~」
「実際は違うんじゃないの~」
「誰にも言わないから~」
もうそろそろ……眠い……。
私はそんな事を考えながら、彼女達の質問責めに耐え続けた。
「ん? どうもしないよ? ただ……少し口が軽くなるけど」
笑いながらそう言う彼女を見ながら、俺は悟った。
彼女は性格の良い美少女なんかじゃないと……。
唯一班の中でまともだと思っていた少女が俺にとって一番ヤバイ奴だったなんて…・・・。
*
私、上屋敷佐恵は同じクラスの男子からの告白を受けその返事をした後、思わぬ場面に出会してしまった。
「私と付き合ってよ」
「え?」
私は茂みの中で隠れてその様子を見ていた。 話しをしているのは同じ委員会の木川君だ、それと女の子の方は……名前は確か高石さんだ。
穏やかそうな雰囲気の子で、凄く可愛い。
そんな子が木川君に告白していた。
「う、うわぁ……なんか大変場面に出会しちゃったぁ~」
私は茂みの中で隠れながら、二人の様子を見ていた。
少し離れていたので、良く話しは聞こえなかったが、なんだか木川君が騒いでいる。
まぁ、あれだけ可愛い子から告白されたんだし、嬉しいのは分かるけど……あそこまではしゃがなくても……。
「あれ? 私……なんでこんなモヤッとしてるんだろ?」
別に木川君の事は仲の良い友達くらいにしか思っていない。
でも……なんだろう……この胸にあるモヤモヤ……。
「うーん……変な物でも食べたかな? あ、もしかしてカレーにイチゴを入れたのが悪かったのかなぁ?」
きっとそうだ。
あぁ、変なことしなきゃよかった~。
私はそんな事を考えながら、その場を後にした。
まぁ、覗いて悪かったけど木川君を弄るネタが出来たなぁ~。
明日、根掘り葉掘り聞いちゃうんだから!
私はそんな事を考えながら、自分のテントに戻って行った。
*
「はぁ……疲れた」
「あら、ようやく戻ってきたの?」
俺は自分のテントに戻ってきた。
テントに戻ると早乙女は美肌パックをしており、強はスマホで美少女ゲームをしていた。
「お、一体どこに行ってたんだよ?」
「ちょっとな……」
「トイレにしては長かったわね……まさか!! 私以外の男とトイレで!?」
「早乙女、お前が考えているようなことは絶対無い」
「じゃあ、あれか? 茂みの中で男と……」
「強、お前までそんな事を言うようになったら、俺はいよいよお前らと上手くやってく自信が無くなる……」
「冗談だって。で、どこに行ってきたんだ?」
「散歩だよ、山の空気が吸いたくてな……」
まぁ、実際は散歩どころでは無いほど、大変な事態になってしまったが……。
てか、俺の班って全員変な奴で構成されてたんだな……ん?
その理論で行くと俺も変な奴なのだろうか?
まぁ今はそんな事はどうでも良いか……。
「はぁ……明日から気が重いな……」
あの答えは果たして正しかったのだろうか?
まぁ、あの場合はあぁ答えるしか方法が無かったのだが……。
「まだ21時ね……どうせまだ二人とも寝ないんでしょ?」
「当たり前よ! 今から吉谷達のテントに行って、皆で人狼やろうぜ!」
「あら、良いわね!」
そう言う強とノリノリの早乙女。
しかし、俺はなんだかそんな気分じゃなかった。
明日の事を考えると俺はなんだか体が重たくなるのを感じた。
はぁ……そう言えば、八島はテントで上手くやれてんのかな?
テントの中でいつもの感じで服脱いでないよな?
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「………何が?」
私、八島絢葉は自分のテントの中で同じクラスの女子生徒に詰め寄られていた。
質問の内容はもちろん、木川との関係……付き合ってるか付き合って無いかって話し。
「好きなの!?」
「でも、なかなか良いところを狙うわよねぇ~」
「木川君って、うちのクラスで顔は普通だけど優しいし、なんだかんだ言って率先していろいろやってくれるし、話しやすいし」
「いやぁ~八島さんって見る目有るよねぇ~」
結構木川は女子からの評価が高い。
当たり前か……じゃないと私のお世話なんてしてくれないし……。
でも……私は木川の事をどう思ってるんだろ……。
「ただいまぁ~」
「あ、千鶴おかえり~」
「何やってたの? もしかして誰かに告白!?」
「違うよ、ちょっとお散歩」
同じ班の高石が帰ってきた。
私と違って表情豊かで友達も多い、だからこのテントには女子が七人も居る。
「今ね、八島さんに聞いてたのよ! 実際木川君とはどうなの? って!」
「ふーん、そうなんだ」
「………」
なんだろう……高石は確かに優しいし、性格も良いと思う……でも、私と話す時は彼女から黒い物を感じる。
「仲は良いよね? でも木川君は否定してたよ?」
「そこよ! 木川に聞いたってあいつは答えないから、八島さんに聞いてるの! 八島さんなら答えてくれるかなって」
そんな事を言われても……。
私も木川と私の関係は誰にも言わないって約束したし……。
「ん……付き合ってはいない」
「えぇ~本当にぃ~」
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