隣の部屋の裸族さん

Joker0808

第33話

なぜだろうか、俺はこのテントで一晩を過ごすのが不安になってきた・・・・・・。

「それにしても高石は何をお願いするんだろうな?」

「さぁな・・・・・・」

そんな事よりも俺は高石のあの言葉がずっと気になっていた。
高石は何かを知っている・・・・・・。
そしてなぜあのタイミングで俺にその事を言ってきたのか・・・・・・。

「高石か・・・・・・高石ってどんな奴なんだ?」

「はぁ? 急にどうしたよ?」

「いや、正直どんな奴か知らないなって思って」

「いきなりだな・・・…なんだ? 今度は高石が気になるのか?」

「そう言いながらなんでカッターを取り出す? そんなんじゃ無くてだな・・・・・・」

「千鶴ちゃんねぇ……お肌の張りは良いけど・・・・・・化粧っ気が無いわねぇ~」

「お前はその手の情報しか言わないな・・・・・・」

「高石なぁ・・・・・・美人だし性格も良いってクラスの男子には人気だな、ちょっと抜けてるところも可愛いって」

「ふぅーん・・・・・・」

「何かあったのか?」

「いや・・・・・・別に・・・・・・」

性格の良い奴があんな顔するか?
きっと何か裏がある。
俺がそんな事を考えていると、テントの外から誰かの気配を感じた。

「もしもーし、開けて大丈夫かな?」

「あぁ、どうぞ」

そう言ってテントを開けたのは、今まさに話題にしていた高石だった。

「そろそろ夕飯の準備だって、炊事場行こ」

「あぁ、了解。琉唯、早乙女行こうぜ」

「あいよ」

「お腹減ったわねぇ~」

俺たちは高石に言われ、テントから出て炊事場に向かう。





炊事場に到着すると食事を作る準備が始まった。
材料を切るのを女子に任せ、俺たち男衆は火の準備をして米を炊く。

「おい琉唯……木が燃えないんだが」

「着火剤使えって、直接ライターで火は付かないぞ」

「琉唯ちゃん、米はどれくらい洗えば良いの」

「二回くらい洗えば大丈夫だろ」

「木川君、にんじんの大きさってこれくらい?」

「あぁ、大丈夫だ」

「木川・・・・・・タマネギの皮が無限・・・・・・」

「白いところは全部食えるんだよ」

なんか知らんが、みんな俺に確認してくる。 レシピ先生から貰っただろ・・・・・・。
てか、八島は包丁持って大丈夫か?
なんか心配になってきたぞ・・・・・・。
俺は火を起こして、米を炊く準備を整えると、野菜を切っている女子達の手伝いに向かった。

「野菜切れたか?」

「な、なんとか・・・・・・やりました・・・・・・」

「横川、お前はなんでそんな疲れてんだよ、たかが野菜切るくらいで・・・・・・」

「や、八島さんが…・・・」

「オーケー、お前は頑張った。俺が認めてやる」

確かに八島の面倒を見ながら野菜を切るのは大変だ。
そりゃあこれだけ疲れるのも分かる。

「あ、木川君」

「ん・・・・・・た、高石か……どうした?」

「そろそろ野菜炒め始めようかと思うんだけど、どうかな?」

「あ、あぁ・・・良いんじゃないか・・・・・・」

「どうしたの? そんな挙動不審で」

「な、なんでもないよ・・・・・・」

あの高石の言葉から、俺はどうも高石を意識してしまっているらしい。
なるべく高石とは一緒にならないようにしていたのだが、自動的にカレーを作るのを任されてしまった。
しかも高石と一緒に・・・・・・他の奴らは米を炊きに行ってしまった。
いや、米を炊くのに四人は要らんだろ。

「ルーはどれくらい入れる?」

「あぁ・・・・・・じゃあとりあえず5個入れるか・・・・・・」

「うん、了解」

「・・・・・・」

気まずい・・・・・・。
俺が意識しすぎてしまっているからか、会話が続かない。
話す内容も業務的な内容ばっかりだし・・・・・・。

「ねぇ、木川君」

「な、なんだ?」

「どうしたの? さっきから私の事を意識してるみたいだけど」

高石は先程の小悪魔のよう笑みを浮かべながら俺にそう言う。
こいつ・・・・・・完全に分かっててそう言ってやがる・・・・・・。

「別に何も意識なんかしてねーよ」

「ふぅーん・・・・・・そうなんだ・・・・・・八島さんにもこうやってカレーを作ってあげてるの?」

「な、何のことだ?」

俺がとぼけると、高石は更に嬉しそうに笑って俺の方を見る。

「いろいろ知ってるよ、八島さんと部屋が隣通しのことも、互いに部屋を行き来してることも・・・・・・」

「・・・・・・・・・なんでそんな事知ってるんだよ」

最早ここまで知られているのであれば、隠すことは出来ない。
俺は開き直って、高石にそう尋ねる。

「うふふ・・・・・・それは今度教えてあげる」

「何が目的だ? クラスの奴に言いふらして、俺を亡き者にでもするつもりか?」

「そこまでは考えてないよ? まぁでも・・・・・・木川君が隠してるってことはこの事実は木川君の弱みになるってことだよね?」

「まぁ・・・・・・そうだが・・・・・・」

「じゃあ、私は木川君を脅すことになるかもねぇ~」

「お前・・・・・・」

どこが性格の良い美人だよ・・・・・・腹の中真っ黒じゃねーか・・・・・・。

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