隣の部屋の裸族さん

Joker0808

第25話




クラス研修前日、俺は部屋で明日の宿泊研修の準備をしていた。

「えっと……下着に……歯ブラシ……」

「………」

俺が準備を進める隣で八島はスマホでゲームをしていた。

「おい八島、お前明日の準備したのか?」

「ん……した」

「本当かよ……」

「ん……下着は持った……」

「他は?」

「ん?」

「ん? じゃねーよ、まさか下着だけ準備したわけじゃねーだろうな?」

「………ん……」

「目を反らすな! はぁ……手伝ってやるから、お前も荷造りしろよ、明日はクラス研修なんだぞ?」

「なんとか……なると思った……」

「一日目はキャンプなんだから、最低限の物は持って行けよ」

俺はため息を吐きながら、八島の部屋に向かった。
相変わらず部屋は汚い……てか、一週間前に掃除したはずなんだが……。
俺はそんな事を考えながら、八島の荷造りの手伝いを始める。

「下着は自分で入れろよ」

「……なんで?」

「気にしろよ!!」

「……もう何回も見られてる………」

「そうだけど、こっちが気になるの!!」

なんで俺がこんな事をしなくちゃいけないんだ……。
そんな事を思いつつも俺は八島の荷造りを手伝い、無事に八島の準備も整った。

「はぁ……明日はいつもより早く出るんだから、早く起きろよ」

「ん………大丈夫」

「って言って、いつもギリギリなのはどこのどいつだよ」

「ん?」

「ん? じゃねーよ……はぁ……まぁいつもの如く俺がお前を叩き起こすことになりそうだ……」

「ん……木川……無理矢理………起こす……」

「当たり前だ! お前のせいで俺まで遅刻したらどうするんだ!!」

最近俺は八島を起こして、途中まで八島と学校に通うようにしていた。
流石に最後まで一緒に登校はしない、そんなところクラスの誰かに見られたら面倒だし。
「さて、じゃあ俺はこれで、お前も早く寝ろよ」

「……ん」

俺はそう言って八島の部屋を後にする。
そして翌日、俺はいつも通り家を出る一時間前に目を覚まし、準備を整えていた。

「八島!! 早く起きろ!! 遅刻するぞ!!」

「……ん……眠い……」

「良いから起きろ!!」

「あぐっ………」

そしていつも通り、寝過ごした八島を叩き起こしていた。
まぁ……予想通りだな……。
八島を起こすときは少し注意が必要だ。
八島全裸で寝る為、起こすときは布団に繰るんだ状態で、ベッドから床に落下させるのが効果的だ。

「うぅ……イタイ………」

「良いからさっさと飯食って準備しろ」

「うぅ……木川の……鬼」

俺は八島にそう言って、八島の部屋を後にして玄関先で待つ。


「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く