隣の部屋の裸族さん

Joker0808

第18話




「んで、何しにきたんだ?」

「もぐもぐ……ごくん。いやぁ暇だったからつい……」

「ついじゃねぇ!」

俺は上屋敷を家に上げ、上屋敷と八島の二人に昼食を振る舞っていた。
上屋敷と八島は仲良く並んで、俺の作った焼きそば(卵付き)を食べていた。
てか、なんで上屋敷の分まで作ってるんだ……俺……。

「だって皆部活とかバイトで暇なんだもん!」

「俺だって忙しいわ!」

「じゃあ、どう忙しいんだよぉ!」

「え……えっと……あの……チャーシュー作ったり?」

「………」

「………」

「暇じゃん!!」

「……暇そう」

「うるせぇ!!」

あぁ、そうだよ!
俺も特にやることはねぇよ!
でも、なんかここで暇だって言うのは嫌だったんだよ!

「なんだ、じゃあ全然大丈夫じゃん」

「何がだよ! はぁ……今日は一人でゆっくりしようと思ったのに……」

「大丈夫、大丈夫! 好きなだけチャーシュー作っててよ!」

「……じゅるり…」

「八島……お前は食う満々だな……」

なんでこうなってしまったんだ……。
一人暮らしを始めて、自由気ままな一人暮らしを満喫しようと思っていたのに……。

「で! 何しようか!!」

「さっき邪魔しないって言わなかったか?」

「………何しよっか!」

「おいコラ、うやむやにしようとするな」

「だって暇なんだもん!!」

「八島と何かしてろよ!」

「……ん?」

とは言ったものの、チャーシューも後はやること無いしなぁ……。

「んじゃ……ゲームでもする?」

「する!!」

八島と上屋敷はテレビゲームをするようだな……。
てか、八島……なぜ俺のゲーム機の有る場所を知っている……一回もお前の前でした事無いぞ……。

「さて、じゃあ俺は……」

何をしよう……。
ムキになってあんな事を言ってしまったが、正直やることないぞ?
スマホでも弄ってようか?
てか、なんで俺は自分部屋でこんな肩身の狭い思いをしてるんだ?

「や、八島さん強すぎない?」

「………普通」

「あ! またやられた!!」

「………普通」

「全然普通じゃないじゃん! あ! またやられた!!」

「……ふふ……」

二人がやっているのは大人気格闘ゲームだ。 シンプルな操作性と爽快感から、幅広い世代に愛されているソフトで、かなり人気のソフトだ。
確かに八島上手いな……。
そういえばあいつの部屋を掃除したとき、やたらとゲーム機が出てきたけど……もしかして八島ってゲーマー?

「うぅ……ボッコボコにされた……」

「むふー………」

一発も食らわずに勝ったのか……まぁ、上屋敷もそんなに上手く無かったが……。

「もう一回!」

「……いいよ」

またやるのか?
あの実力差だと、何回やっても結果は変わらないだろ?
俺はそんな事を考えながら、キッチンから二人の様子を見ていた。

「また負けた……」

「むふふ~……」

やっぱりな……。
まぁ、でも今回は結構頑張ったな。

「あぁもう! 木川君!!」

「ん? なんだよ」

「チェンジ!!」

「はぁ?」

上屋敷がそう言うと、八島が俺の方にやってきてコントローラーを手渡してきた。

「はい……」

「俺にやれと?」

「木川君になら勝てる気がする!!」

そんな目をキラキラさせながら言うなよ……。
まったく、上屋敷は知らないんだな。
俺がこのゲームをやり込んでいることの……。
そして……。

「また負けたぁ!!」

「弱いな」

やっぱり上屋敷は弱かった。
まぁ、あんまりゲームとかやるタイプに見えないしな……。

「うぅ~くやしぃ~……」

「俺の家のゲームだぞ? 当然やり込んでるに決まってるだろ?」

「くやしぃ~二人に負けたぁ~」

悔しそうな表情の上屋敷。
俺がそんな上屋敷を笑っていると、八島が俺の服の裾をちょいちょいと引っ張ってきた。
「ん? なんだよ?」

「ネクストバトル……」

「え? 次は八島と?」

「……」

こくりと頷く八島。
正直言うと、俺も八島と勝負してみたいと思っていた。
動きを見る限り、八島もかなりやり込んでいる感じがする。

「よし、手加減しないぞ」

「こっちも……しない……」

「二人とも頑張れぇー!!」

上屋敷と八島が交代し、俺と八島の勝負が始まった。

「くそっ! 避けるの上手すぎだろ!」

「むふふ……」

八島は俺のキャラの攻撃をひたすら避けていた。
まったく八島のキャラに攻撃が当たらず、当たったとしても防御されてしまう。
そんな事の繰り返しで、なかなか八島のキャラのスタミナが減らない。

「くそっ! なんで当たらないんだ!!」

「………今……」

「あぁ! やべっ!!」

一瞬油断した瞬間だった。
八島は避けるのをやめて、俺のキャラに攻撃を仕掛けてきた。
投げ技からの掴み技、そして必殺技を食らい、俺のキャラクターのスタミナは一気にゼロになった。

「あっ! くそっ!」

「むふふ~ん………」

無表情だが、八島の表情はどこか満足そうだった。
こいつ……完全に天狗になってやがる……。 そして、分かったことがる……こいつ絶対ゲーマーだ。


「隣の部屋の裸族さん」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く