隣の部屋の裸族さん
第18話
*
「んで、何しにきたんだ?」
「もぐもぐ……ごくん。いやぁ暇だったからつい……」
「ついじゃねぇ!」
俺は上屋敷を家に上げ、上屋敷と八島の二人に昼食を振る舞っていた。
上屋敷と八島は仲良く並んで、俺の作った焼きそば(卵付き)を食べていた。
てか、なんで上屋敷の分まで作ってるんだ……俺……。
「だって皆部活とかバイトで暇なんだもん!」
「俺だって忙しいわ!」
「じゃあ、どう忙しいんだよぉ!」
「え……えっと……あの……チャーシュー作ったり?」
「………」
「………」
「暇じゃん!!」
「……暇そう」
「うるせぇ!!」
あぁ、そうだよ!
俺も特にやることはねぇよ!
でも、なんかここで暇だって言うのは嫌だったんだよ!
「なんだ、じゃあ全然大丈夫じゃん」
「何がだよ! はぁ……今日は一人でゆっくりしようと思ったのに……」
「大丈夫、大丈夫! 好きなだけチャーシュー作っててよ!」
「……じゅるり…」
「八島……お前は食う満々だな……」
なんでこうなってしまったんだ……。
一人暮らしを始めて、自由気ままな一人暮らしを満喫しようと思っていたのに……。
「で! 何しようか!!」
「さっき邪魔しないって言わなかったか?」
「………何しよっか!」
「おいコラ、うやむやにしようとするな」
「だって暇なんだもん!!」
「八島と何かしてろよ!」
「……ん?」
とは言ったものの、チャーシューも後はやること無いしなぁ……。
「んじゃ……ゲームでもする?」
「する!!」
八島と上屋敷はテレビゲームをするようだな……。
てか、八島……なぜ俺のゲーム機の有る場所を知っている……一回もお前の前でした事無いぞ……。
「さて、じゃあ俺は……」
何をしよう……。
ムキになってあんな事を言ってしまったが、正直やることないぞ?
スマホでも弄ってようか?
てか、なんで俺は自分部屋でこんな肩身の狭い思いをしてるんだ?
「や、八島さん強すぎない?」
「………普通」
「あ! またやられた!!」
「………普通」
「全然普通じゃないじゃん! あ! またやられた!!」
「……ふふ……」
二人がやっているのは大人気格闘ゲームだ。 シンプルな操作性と爽快感から、幅広い世代に愛されているソフトで、かなり人気のソフトだ。
確かに八島上手いな……。
そういえばあいつの部屋を掃除したとき、やたらとゲーム機が出てきたけど……もしかして八島ってゲーマー?
「うぅ……ボッコボコにされた……」
「むふー………」
一発も食らわずに勝ったのか……まぁ、上屋敷もそんなに上手く無かったが……。
「もう一回!」
「……いいよ」
またやるのか?
あの実力差だと、何回やっても結果は変わらないだろ?
俺はそんな事を考えながら、キッチンから二人の様子を見ていた。
「また負けた……」
「むふふ~……」
やっぱりな……。
まぁ、でも今回は結構頑張ったな。
「あぁもう! 木川君!!」
「ん? なんだよ」
「チェンジ!!」
「はぁ?」
上屋敷がそう言うと、八島が俺の方にやってきてコントローラーを手渡してきた。
「はい……」
「俺にやれと?」
「木川君になら勝てる気がする!!」
そんな目をキラキラさせながら言うなよ……。
まったく、上屋敷は知らないんだな。
俺がこのゲームをやり込んでいることの……。
そして……。
「また負けたぁ!!」
「弱いな」
やっぱり上屋敷は弱かった。
まぁ、あんまりゲームとかやるタイプに見えないしな……。
「うぅ~くやしぃ~……」
「俺の家のゲームだぞ? 当然やり込んでるに決まってるだろ?」
「くやしぃ~二人に負けたぁ~」
悔しそうな表情の上屋敷。
俺がそんな上屋敷を笑っていると、八島が俺の服の裾をちょいちょいと引っ張ってきた。
「ん? なんだよ?」
「ネクストバトル……」
「え? 次は八島と?」
「……」
こくりと頷く八島。
正直言うと、俺も八島と勝負してみたいと思っていた。
動きを見る限り、八島もかなりやり込んでいる感じがする。
「よし、手加減しないぞ」
「こっちも……しない……」
「二人とも頑張れぇー!!」
上屋敷と八島が交代し、俺と八島の勝負が始まった。
「くそっ! 避けるの上手すぎだろ!」
「むふふ……」
八島は俺のキャラの攻撃をひたすら避けていた。
まったく八島のキャラに攻撃が当たらず、当たったとしても防御されてしまう。
そんな事の繰り返しで、なかなか八島のキャラのスタミナが減らない。
「くそっ! なんで当たらないんだ!!」
「………今……」
「あぁ! やべっ!!」
一瞬油断した瞬間だった。
八島は避けるのをやめて、俺のキャラに攻撃を仕掛けてきた。
投げ技からの掴み技、そして必殺技を食らい、俺のキャラクターのスタミナは一気にゼロになった。
「あっ! くそっ!」
「むふふ~ん………」
無表情だが、八島の表情はどこか満足そうだった。
こいつ……完全に天狗になってやがる……。 そして、分かったことがる……こいつ絶対ゲーマーだ。
「んで、何しにきたんだ?」
「もぐもぐ……ごくん。いやぁ暇だったからつい……」
「ついじゃねぇ!」
俺は上屋敷を家に上げ、上屋敷と八島の二人に昼食を振る舞っていた。
上屋敷と八島は仲良く並んで、俺の作った焼きそば(卵付き)を食べていた。
てか、なんで上屋敷の分まで作ってるんだ……俺……。
「だって皆部活とかバイトで暇なんだもん!」
「俺だって忙しいわ!」
「じゃあ、どう忙しいんだよぉ!」
「え……えっと……あの……チャーシュー作ったり?」
「………」
「………」
「暇じゃん!!」
「……暇そう」
「うるせぇ!!」
あぁ、そうだよ!
俺も特にやることはねぇよ!
でも、なんかここで暇だって言うのは嫌だったんだよ!
「なんだ、じゃあ全然大丈夫じゃん」
「何がだよ! はぁ……今日は一人でゆっくりしようと思ったのに……」
「大丈夫、大丈夫! 好きなだけチャーシュー作っててよ!」
「……じゅるり…」
「八島……お前は食う満々だな……」
なんでこうなってしまったんだ……。
一人暮らしを始めて、自由気ままな一人暮らしを満喫しようと思っていたのに……。
「で! 何しようか!!」
「さっき邪魔しないって言わなかったか?」
「………何しよっか!」
「おいコラ、うやむやにしようとするな」
「だって暇なんだもん!!」
「八島と何かしてろよ!」
「……ん?」
とは言ったものの、チャーシューも後はやること無いしなぁ……。
「んじゃ……ゲームでもする?」
「する!!」
八島と上屋敷はテレビゲームをするようだな……。
てか、八島……なぜ俺のゲーム機の有る場所を知っている……一回もお前の前でした事無いぞ……。
「さて、じゃあ俺は……」
何をしよう……。
ムキになってあんな事を言ってしまったが、正直やることないぞ?
スマホでも弄ってようか?
てか、なんで俺は自分部屋でこんな肩身の狭い思いをしてるんだ?
「や、八島さん強すぎない?」
「………普通」
「あ! またやられた!!」
「………普通」
「全然普通じゃないじゃん! あ! またやられた!!」
「……ふふ……」
二人がやっているのは大人気格闘ゲームだ。 シンプルな操作性と爽快感から、幅広い世代に愛されているソフトで、かなり人気のソフトだ。
確かに八島上手いな……。
そういえばあいつの部屋を掃除したとき、やたらとゲーム機が出てきたけど……もしかして八島ってゲーマー?
「うぅ……ボッコボコにされた……」
「むふー………」
一発も食らわずに勝ったのか……まぁ、上屋敷もそんなに上手く無かったが……。
「もう一回!」
「……いいよ」
またやるのか?
あの実力差だと、何回やっても結果は変わらないだろ?
俺はそんな事を考えながら、キッチンから二人の様子を見ていた。
「また負けた……」
「むふふ~……」
やっぱりな……。
まぁ、でも今回は結構頑張ったな。
「あぁもう! 木川君!!」
「ん? なんだよ」
「チェンジ!!」
「はぁ?」
上屋敷がそう言うと、八島が俺の方にやってきてコントローラーを手渡してきた。
「はい……」
「俺にやれと?」
「木川君になら勝てる気がする!!」
そんな目をキラキラさせながら言うなよ……。
まったく、上屋敷は知らないんだな。
俺がこのゲームをやり込んでいることの……。
そして……。
「また負けたぁ!!」
「弱いな」
やっぱり上屋敷は弱かった。
まぁ、あんまりゲームとかやるタイプに見えないしな……。
「うぅ~くやしぃ~……」
「俺の家のゲームだぞ? 当然やり込んでるに決まってるだろ?」
「くやしぃ~二人に負けたぁ~」
悔しそうな表情の上屋敷。
俺がそんな上屋敷を笑っていると、八島が俺の服の裾をちょいちょいと引っ張ってきた。
「ん? なんだよ?」
「ネクストバトル……」
「え? 次は八島と?」
「……」
こくりと頷く八島。
正直言うと、俺も八島と勝負してみたいと思っていた。
動きを見る限り、八島もかなりやり込んでいる感じがする。
「よし、手加減しないぞ」
「こっちも……しない……」
「二人とも頑張れぇー!!」
上屋敷と八島が交代し、俺と八島の勝負が始まった。
「くそっ! 避けるの上手すぎだろ!」
「むふふ……」
八島は俺のキャラの攻撃をひたすら避けていた。
まったく八島のキャラに攻撃が当たらず、当たったとしても防御されてしまう。
そんな事の繰り返しで、なかなか八島のキャラのスタミナが減らない。
「くそっ! なんで当たらないんだ!!」
「………今……」
「あぁ! やべっ!!」
一瞬油断した瞬間だった。
八島は避けるのをやめて、俺のキャラに攻撃を仕掛けてきた。
投げ技からの掴み技、そして必殺技を食らい、俺のキャラクターのスタミナは一気にゼロになった。
「あっ! くそっ!」
「むふふ~ん………」
無表情だが、八島の表情はどこか満足そうだった。
こいつ……完全に天狗になってやがる……。 そして、分かったことがる……こいつ絶対ゲーマーだ。
「隣の部屋の裸族さん」を読んでいる人はこの作品も読んでいます
-
好き同士ってめんどくさい
-
3
-
-
スクールカースト最下層がイケメンに魔改造されたけど、恋愛スキルを誰かください。
-
1
-
-
異世界クロスロード ゆっくり強く、逞しく
-
7
-
-
夏の仮睡
-
4
-
-
銀の魔眼は楽園を夢見る
-
2
-
-
勇者はなぜチーレムなのか?~剣と魔法の異世界白書~
-
5
-
-
異世界でひたすらコンティニュー!
-
4
-
-
(旧)こっそり守る苦労人
-
1
-
-
The hater
-
4
-
-
日常のち冒険~俺は世界を超えて幼馴染を救う~
-
4
-
-
居候人は冒険者で店員さん
-
1
-
-
異世界転移で無双したいっ!
-
4
-
-
ティーガー戦車異世界戦記 ~小さな希望を紡ぐ姫と鋼鉄の王虎を駆る勇者~
-
3
-
-
苦労して魔王を倒したと思ったら勇者パーティーを追い出された件
-
2
-
-
僕のお姫様
-
3
-
-
タイムカプセル・パラドックス
-
2
-
-
犬が吠える
-
1
-
-
世界の真実を知るためには生贄が必要と言われ、問答無用で殺された俺と聖女 〜実はこっちが真の道!? 荷物運びと馬鹿にされた【空間魔法】で真の最強へ至る〜
-
3
-
-
彼の名はドラキュラ~ルーマニア戦記~改訂版
-
10
-
-
【ジョブチェンジ】のやり方を、《無職》の俺だけが知っている
-
4
-
コメント