隣の部屋の裸族さん

Joker0808

第12話

「大丈夫! 買うのは下着だから!」

「余計ダメだわ」

胸を張って言う彼女に俺はため息を吐く。
知り合って少しして気がついたが、上屋敷は少しアホな気がする。

「流石に下着売り場に付いてこいとは言わないよぉ~」

「当たり前だ……はぁ……まぁ良いか……」

「良し! じゃあ行こう!」

上屋敷に言われるまま、俺たちはショッピングモール内のアパレルショップに向かった。
「じゃ、俺はメンズコーナーに」

「そうね」

「……何故付いてくる」

「まぁまぁ、お気になさらずに~」

「気にするわ! 自分の見てこいよ……」

「良いじゃ無い。男子がどういう風に服を選ぶのか気になるし」

「別に普通だよ、それに今日買うのは下着なんだが……」

「別に良いじゃ無い、女子じゃ無いんだし」

「いや、嫌だよ」

「大丈夫大丈夫、私は気にしないから」

「俺が気にするんだよ。良いからお前は自分の下着を買いに行け」

「なんだよー冷たいなー」

「なんでだよ」

俺がそう言うと、上屋敷ブーブー言いながらレディースコーナーに向かっていった。

「あいつも変わってるよな」

上屋敷が離れたのを確認し、俺は自分の下着を選び始める。
選ぶのにはあまり時間は掛からなかった。
会計を済ませ、店の外のベンチで上屋敷を待つ。

「お待たせー!」

「おう、買ってきたのか?」

「うん、ピンクのやつ!」

「言わんで良い……」

それを聞いて俺にどんな反応を求めてるんだよ。
てか……ピンクか……って何想像してんだ俺は!?

「想像した?」

「してねーよ!」

ニヤニヤ笑いながらそう言ってくる上屋敷。 こいつは人をからかうのも好きらしい。

「んで、次は何を買うつもりだったの?」

「まぁ、洗面用品だな……洗顔とかシャンプーとか……持ち物に書いてあったし」

「あ、私も新しい化粧水買おっと」

「あとは……まぁ新しいバックだな」

「無いの?」

「あぁ、引っ越した時に捨てちまってさ」

「そうなの? てか、引っ越したの?」

「あぁ、この春からな」

そう言えば上屋敷には言ってなかったな。 まぁ、聞かれもしなかったんだが……。
てか、よく考えると……俺、今こいつとデートしてるのか?
男と女が一緒に買い物をするのはデートだって、強も言ってたしな……。

「ねぇ、どうしたの? 考え事?」

「ん? あぁ、まぁな……それより化粧水買うんだろ?」

「あ、そうだった! じゃあちょっと言ってきまーす」

「はいよ」

その間に俺は隣の店で鞄を見るか。
旅行用だし、少し大きめのやつが良いんだが……。

「うーん、これはなんかデザインがな……」

「あら、それじゃあこれなんか良いんじゃ無い?」

「あ、確かに良いな……って、早乙女!?」

「偶然ね! 私も買い物に来たのよん!」

「何を買いに来たんだ?」

「ん? 新しいファンデーション」

「お前……ついに化粧まで……」

「前からしてるじゃない?」

「買いに来るまでになってるとは思ってなかったよ」

「まぁ、昔は母さんのお下がりをとかを使ってたからね……今はバイトしてお金があるから」

「なるほどな……」

「琉唯ちゃんはバックを買いに来たの?」

「そんなところ……まぁ一人じゃないけど……」

「あら? そうなの?」

早乙女とそんな話しをしていると、丁度タイミング良く、袋を持った上屋敷が俺たちのところにやってきた。

「お待たせーって……誰?」

「あら? 琉唯ちゃん、もしかしてデート? 妬けちゃうわねぇ~」

「え? 誰? もしかしてオカマさん!?」

「そうよ、何か悪い?」

上屋敷の質問に早乙女は強気で答える。
こういう質問を早乙女は今まで何度もされてきた。
その度にバカにされてきたから、早乙女はこの質問が嫌いだった。
これはまずいかもしれないな……早く上屋敷を早乙女から離した方が良いかもしれない。 そうじゃないと、早乙女を傷つけてしまうかもしれない……。

「おい、上屋敷……」

「あ! もしかしてあれでしょ! メチャクチャメイクが上手いっていう男子!」

「男じゃないの! 女なの!」

「ねぇねぇ! 私にも教えてよ! 男の子なのに凄いね!」

「だから男じゃないって言ってるでしょ! それに何? 貴方のそのメイク……全然なってないわ!」

「え? ダメ?」

「デートならもっと気合い入れなさい! 何よその薄い化粧は!」

「うーん、元々今日は一人の予定だったし……」

「日常では何が起こるか分からないのよ! 外出するときはフルメイク! これを覚えておきなさい!」

「分かりました! 先生!」

「物分かりが良いわね! 弟子にして上げるわ!」

「ありがとうございます!!」

いや、なんでだよ!
まぁ、俺が予想してた事態になれなくて良かったか……。
上屋敷がそう言うのに抵抗無いやつで良かった。

「琉唯ちゃん、なかなか良い彼女ね」

「いや、彼女じゃねーし」

「あら? 違うの?」

「そうだよ? ただ仲が良いだけだよ!」

「いや、ただ委員会が一緒なだけ」

「え! 仲良いじゃない!?」

俺がそう言うと、上屋敷は驚いた様子で自分にそう言う。
まぁ、俺と上屋敷の関係はギリギリ友人関係ってところだろ。

「隣の部屋の裸族さん」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く