隣の部屋の裸族さん

Joker0808

第9話

「それにしても大変ねぇ~、両親は海外に出張だっけ?」

「あぁ……何かの研究って言ってたな」

「お前の両親、前から何か研究してたもんな」

俺は二人にお茶を出す。
二人は俺の部屋を見ながら、そんな話しをしてくる。

「まぁ、研究員って言っても、研究以外は何も出来ないダメ人間だけどな」

「もお! そんな事を言っちゃだめよ! 琉唯ちゃんのお父さんとお母さんでしょ?」

「いや、実際そうなんだって」

「でも、両親が家に居ないってのは良いよなぁ~、うちなんて両親がうるさくてたまったもんじゃないぜ?」

「でも、自分の事は自分でやらなきゃいけないし、大変でしょ?」

「まぁな……心配してくれるのは嬉しいんだが……お前何やってんの?」

「え? ちょっと下着を漁ってるのよ」

「なんでだよ! やめろ!」

俺はクローゼットを漁る早乙女にそう言い、早乙女をクローゼットから引き離す。
今度からこいつと部屋で二人になるのは避けよう……何かが危ない……。

「って、お前は何してるんだ!」

「え? 普通ベッドの下に隠すだろ? エロ本とかAV」

「隠さねーよ! さっさとベッドの下から出ろ!」

「おかしいな……男なら絶対ここに隠すと思ったんだが……」

「それはお前だけだ、それとその隠し場所、多分バレてるぞ」

「マジで!?」

「お前ら大人しくしてろよ……」

俺はため息を吐きながら二人にそう言う。
すると、隣の部屋から『ゴン!』と大きな音が聞こえてきた。

「ん? なんだ?」

「さっき琉唯ちゃんが行ったお隣さんみたいね……少し壁薄いんじゃない?」

「音漏れとかしそうだな……エロゲーの音とか隣に聞こえるじゃん」

二人の言うとおり、このアパートの壁は少し薄いようだ。
だからか、結構隣の部屋の生活音が聞こえてくる。

「隣はどんな人が住んでるんだ?」

「え!? あ、あぁ……まぁ普通の人だよ……」

「男性? それとも男? それとも男子?」

「選択肢がねーだろ……えっと女性だよ……」

「何!? 女だと!!」

俺がそう言うと、強は興奮したようすで俺に詰め寄る。

「ま、まさか……一人暮らしの大学生とか言うんじゃないだろうな!!」

「あ、アホか! そ、そんなわけ無いだろ……」

一人暮らしの同級生の女の子ではあったけど……。
ややこしくなるから言わないでおこう。

「じゃあ何歳だ! 何歳くらいだ!! 人妻か!!」

「し、知るか!! た、多分結構年上だ!」

「なんだ、そうなのか」

「急に興味を無くしたな……わかりやすい奴だよお前は」

隣の部屋の住人に興味を無くした強。
危なかった……変に興味を持たれて、隣の人を見るまで帰らない、なんて言い出したらどうしようかと思った……。
その後、俺は二人と部屋でゲームをしたり、テレビを見たりして過ごした。
隣の部屋からはその後、物音がする事も無かった。

「今日はサンキューな」

「おう、気を付けてな二人とも」

「大丈夫よ、そんなに暗くないし」

「じゃあ、また明日学校で」

「おう、じゃあな」

俺は二人を見送り、自分の部屋に入った。
先程まで二人がいた部屋に急に自分一人だけになると、なんだか寂しさがこみ上げてくる。

「さて、片付けて飯を作るか……」

俺はお菓子や飲み物で散らかったテーブルを片付け、夕食の支度を始める。
今日は何を作ろうか?
昨日作れなかったし、カレーでも作ろうか?

ピンポーン

そんな事を考えながら、俺が夕食の準備をしていると部屋のインターホンが鳴った。

「ん? 忘れ物でもしたか?」

俺は最初、早乙女か強のどちらかが忘れ物をして戻ってきたのだろうと思った。
しかし、部屋の扉を開けた瞬間、俺は尋ねてきた人物の顔を見て驚いた。

「え? 八島? なんだよ、どうかしたか?」

「……お湯が……」

「お湯?」

「……出ない」

「は!?」

おいおい、ゴキブリの次はお湯かよ……。
なんて事を思いながら、俺は八島の部屋の様子を見に向かった。

「あー水しか出ないな……」

「……お風呂……入れない……」

「だよなぁ……とりあえず管理会社に連絡するか……風呂はどっかに入りに行くしかないだろ?」

「………面倒」

「いや、仕方ないだろ」

俺の部屋の風呂を貸しても良いが、そういうの女子は嫌だろうし。

「……貸して」

前言撤回。
全然有りな感じだこれ。

「い、良いのか? 男の部屋だぞ?」

「別に問題無い……それに……」

「それに?」

「……へたれそうだから………」

「おいコラ、どういう意味だ」

俺は仕方なく、八島に部屋の風呂を貸す殊にした。
さっきの音は給湯器の何かが壊れた音だったのだろうか?
俺はそんな事を考えながら、八島を部屋の中に入れる。

「引っ越しきたばっかりで少し散らかってるが……」

「大丈夫」

確かにこいつの部屋の方が汚かったしな……。

「じゃあ、借りる……」

「お、おう……」

俺は八島が入っている間に晩飯を作ってしまおうと考え、再びキッチンに立つ。
しかし、まさか同級生の女の子が部屋でシャワーを浴びるシュチエーションに遭遇するなんて……強だったら喜びそうなもんだ。

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