モテるのは俺の友達
第76話
結局、初白は俺との約束を飲んだ。
そこまでして俺の過去を知りたい意味はなんなのだろうか……俺はてっきりじゃあ良いですって言われると思ったのだが……。
「まぁ、何でも良いか……あいつがそんな点数取れるとも思えないし……」
俺はそんな事を考えながら、教室に戻った。
*
あの人と出会って、俺は自分がいかに小さい人間だったのかを実感した。
強くて正しいあの人に出会い、俺はあの人に助けられたあの日から、あの人のような人間になりたいと思うようになっていた。
そんなあの人に近づきたくて、俺はあの人の家の道場に入門した。
本格的な稽古はテスト開けからだが、今から楽しみだ。
これで少しでも俺はあの人に近づける。
そう思っていた俺だが、その前にやらねば行けない難題があった、それは……。
「大島君……本当に勉強した?」
「し、したわ! これでも5点上がったんだぞ!!」
「いや、5点て……」
そう、テストだ。
聞いた話しによると、あの人は勉強もかなり出来るらしい。
あの人に近づく為には勉強も手を抜く訳には行かないのだが……勉強なんて今までちゃんとしたことがない俺は、かなり苦戦していた。
「いやぁ……一週間で5点って……伸びしろなさ過ぎだよ……」
「毎回赤点ギリギリだしね……」
「う、うるせぇな!! まだ高校入ったばっかりだろ! まだまだ俺には成長の見込みがあるんだよ!」
同じクラスの友人にそんな事を言われ、俺は声を上げる。
「急に点数を上げるって言っても無理だよ……今まで全然勉強して来なかったんだから」
「うるせぇ! 俺は兄貴みたな男になりたいんだ!」
「は? お前が? そんなの無理だろ?」
「あんだとぉ!?」
俺が友人とそんな話しをしていると、同じクラスの悟が笑いながら俺にそう言ってきた。
「お前みたいな奴が島並さん見たいに慣れるわけねぇだろ、勉強して出直してこい」
「お前みたいな集団で一人をボコることしか出来なかった奴に言われたくないね!」
「あの時はあぁするしか無かったんだよ! あの後謝っただろうが……」
「大体、お前だって俺と点数どっこいどっこいだろ!」
「一緒にするんじゃねぇ! 俺はお前より点数8点も上なんだよ!」
「それをどっこいどっこいって言うんだよ!」
「んだとぉ! 8点舐めるなよ!」
こいつとはどうも馬が合わない。
この前の事はこいつの彼女が人質に取られてたから、仕方ないとは思うが……なんか普段からこいつはムカつく……。
「ま、まぁまぁ……」
「俺ら色々あったけど、これからは仲良くさぁ……」
「俺は絶対こんな奴と仲良くなんて出来ないね!」
「それはこっちの台詞だアホ!」
友人達までそんな話しをするので、俺は思わず熱くなってしまった。
悟もこの前のあの事件が切っ掛けで、兄貴の道場に入門した。
こいつにはなんか負けたく無いと思ってしまう。
「なんでも、良いけど二人とも勉強した方が良いわよ? 島並先輩だってそう言ってたんでしょ?」
「ま、まぁ香奈の言うとおりだが……」
今度は悟の彼女の篠崎がやってきた。
前までは初白さんと敵対していたが、今では仲の良い友人のようだ。
「ねぇ……それよりも二人ともどう思う?」
「何がだ? 悟が浮気してるかどうかって話しか?」
「あぁ!? んな事するわけねぇだろ!」
「違うわよ……島並先輩の噂の事よ」
「兄貴がそんなことする訳ねぇだろ!」
「お前、一月前の自分にも同じ事を言えるか?」
自分でも酷い手のひら返しだとは思った。 だけど……兄貴がそんなことをするとは今はまったく思えない。
酷いことを言い、いちゃもんを付けていた俺たちですらもあの人は助けてくれた。
自分には何の得も無いというのに……。
そこまでして俺の過去を知りたい意味はなんなのだろうか……俺はてっきりじゃあ良いですって言われると思ったのだが……。
「まぁ、何でも良いか……あいつがそんな点数取れるとも思えないし……」
俺はそんな事を考えながら、教室に戻った。
*
あの人と出会って、俺は自分がいかに小さい人間だったのかを実感した。
強くて正しいあの人に出会い、俺はあの人に助けられたあの日から、あの人のような人間になりたいと思うようになっていた。
そんなあの人に近づきたくて、俺はあの人の家の道場に入門した。
本格的な稽古はテスト開けからだが、今から楽しみだ。
これで少しでも俺はあの人に近づける。
そう思っていた俺だが、その前にやらねば行けない難題があった、それは……。
「大島君……本当に勉強した?」
「し、したわ! これでも5点上がったんだぞ!!」
「いや、5点て……」
そう、テストだ。
聞いた話しによると、あの人は勉強もかなり出来るらしい。
あの人に近づく為には勉強も手を抜く訳には行かないのだが……勉強なんて今までちゃんとしたことがない俺は、かなり苦戦していた。
「いやぁ……一週間で5点って……伸びしろなさ過ぎだよ……」
「毎回赤点ギリギリだしね……」
「う、うるせぇな!! まだ高校入ったばっかりだろ! まだまだ俺には成長の見込みがあるんだよ!」
同じクラスの友人にそんな事を言われ、俺は声を上げる。
「急に点数を上げるって言っても無理だよ……今まで全然勉強して来なかったんだから」
「うるせぇ! 俺は兄貴みたな男になりたいんだ!」
「は? お前が? そんなの無理だろ?」
「あんだとぉ!?」
俺が友人とそんな話しをしていると、同じクラスの悟が笑いながら俺にそう言ってきた。
「お前みたいな奴が島並さん見たいに慣れるわけねぇだろ、勉強して出直してこい」
「お前みたいな集団で一人をボコることしか出来なかった奴に言われたくないね!」
「あの時はあぁするしか無かったんだよ! あの後謝っただろうが……」
「大体、お前だって俺と点数どっこいどっこいだろ!」
「一緒にするんじゃねぇ! 俺はお前より点数8点も上なんだよ!」
「それをどっこいどっこいって言うんだよ!」
「んだとぉ! 8点舐めるなよ!」
こいつとはどうも馬が合わない。
この前の事はこいつの彼女が人質に取られてたから、仕方ないとは思うが……なんか普段からこいつはムカつく……。
「ま、まぁまぁ……」
「俺ら色々あったけど、これからは仲良くさぁ……」
「俺は絶対こんな奴と仲良くなんて出来ないね!」
「それはこっちの台詞だアホ!」
友人達までそんな話しをするので、俺は思わず熱くなってしまった。
悟もこの前のあの事件が切っ掛けで、兄貴の道場に入門した。
こいつにはなんか負けたく無いと思ってしまう。
「なんでも、良いけど二人とも勉強した方が良いわよ? 島並先輩だってそう言ってたんでしょ?」
「ま、まぁ香奈の言うとおりだが……」
今度は悟の彼女の篠崎がやってきた。
前までは初白さんと敵対していたが、今では仲の良い友人のようだ。
「ねぇ……それよりも二人ともどう思う?」
「何がだ? 悟が浮気してるかどうかって話しか?」
「あぁ!? んな事するわけねぇだろ!」
「違うわよ……島並先輩の噂の事よ」
「兄貴がそんなことする訳ねぇだろ!」
「お前、一月前の自分にも同じ事を言えるか?」
自分でも酷い手のひら返しだとは思った。 だけど……兄貴がそんなことをするとは今はまったく思えない。
酷いことを言い、いちゃもんを付けていた俺たちですらもあの人は助けてくれた。
自分には何の得も無いというのに……。
コメント