モテるのは俺の友達
第74話
*
「お、お邪魔しました……」
「またいつでも来てね、待ってるわ」
「あ、はい……」
出来ることなら城崎さんのお父さんの居ない日にしたい。
「あ、島並さん送ります」
「あぁ、良いよ近いし、もう夜だから」
「玄関先までなら問題無いですよね?」
「まぁ、それくらいなら……」
玄関先まで見送ってくれた城崎さん、丁寧に今日のお礼を言い頭を下げてきた。
ここがどっかの馬鹿とは大違いだな。
「ありがとうございました、今日は本当に助かりました」
「城崎さんは覚えが早いし、応用なんかも柔軟にこなせるから、教えるのが楽だったよ。流石優秀だ」
「そ、そんな事無いですよ……」
「いや、謙遜する必要ないよ、城崎さんは真面目で良い子だと思うよ」
どっかのアホと違ってな……。
俺がそう言うと城崎さんは俯いて何かを呟いていた。
何を言ってるか聞き取れなかったが、どうやら照れているようだ。
「じゃあ、また明日来るよ」
「は、はい。明日もよろしくお願いします!」
「あぁ、じゃあな」
俺は城崎さんにそう言って、城崎さんの家を後にした。
*
放課後の図書館。
僕は平斗に頼まれて、一年生の後輩である初城さんに勉強教えていた。
たしかに平斗が言っていた通り、この子は頭は弱いようだ。
「えっと……じゃあ、この公式の意味って分かる?」
「す、すみません……わからないです…・・・」
「あ、そっかそっか、じゃあここからやろうか」
「は、はい」
彼女と二人で会うのもこれで何度か目だ。
平斗意外の人間と放課後に二人きりになることなんて今までなかったけど、最近は初城さんと居る事が増えた。
「それで、これがこうなるんだよ……」
「あ、なるほどぉ! わかりました! 校ですね!!」
「そうそう! なんだ出来るじゃない」
「えへへ……」
なんだ、教えれば覚えるじゃないか。
最初は少し教えるのが大変かと思ったけど、どうやら物覚えは結構良いみたいだ。
「少し休憩しようか? 何か飲むかい? 奢るよ」
「え! そ、そんなの悪いですよ!」
「そんな事言わないで、何か飲みなよ」
「す、すいません……ありがとうございます……」
僕は初城さんを誘って、自動販売機に向かった。
僕は初城さんに飲み物を奢り、二人でベンチに座って飲んでいた。
「あ、あの……少し聞いても良いですか?」
「え? 何かな?」
「あ、いえ……あの……この前の事件の事で……」
「あぁ……もしかして……平斗の事?」
「はい……私は直接見たわけじゃないんですけど……助けて貰った男性二人が興奮気味に『あの人は凄い!』って言うもので……」
「はは……まぁ、確かに平斗は凄いよ」
「それと島並先輩が嫌われてる事って……何か関係あるんですか?」
「………やっぱり気になる?」
「はい、先輩には良くして貰ってますし……その……助けて貰ったので、力になれることがあればなりたいですし……」
彼女はモジモジしながら僕にそう言った。
やっぱりこの子は良い子だ。
力になりたいか……僕はこの子に中学時代の平斗の事を話すべきなのだろうか?
僕は少し迷ってしまった。
この子には話しても問題が無いと思う反面で、僕は心のどこかでまた中学の頃の二の前になるのでは無いかと言う不安もあった。
「………そうだなぁ……こればっかりは平斗に了承を得ないと話せないよ……知られて困るのは平斗だからね」
「そう……ですか……あの、じゃあ一つだけ聞いても良いですか?」
「なんだい?」
「島並先輩のやった事って……真木先輩から見て正しかったと思いますか?」
僕はそう尋ねてくる彼女に笑顔を向けて応えた。
「僕は平斗がした事を……正しいとは思わないよ」
「え……」
これが僕の本心だ。
「お、お邪魔しました……」
「またいつでも来てね、待ってるわ」
「あ、はい……」
出来ることなら城崎さんのお父さんの居ない日にしたい。
「あ、島並さん送ります」
「あぁ、良いよ近いし、もう夜だから」
「玄関先までなら問題無いですよね?」
「まぁ、それくらいなら……」
玄関先まで見送ってくれた城崎さん、丁寧に今日のお礼を言い頭を下げてきた。
ここがどっかの馬鹿とは大違いだな。
「ありがとうございました、今日は本当に助かりました」
「城崎さんは覚えが早いし、応用なんかも柔軟にこなせるから、教えるのが楽だったよ。流石優秀だ」
「そ、そんな事無いですよ……」
「いや、謙遜する必要ないよ、城崎さんは真面目で良い子だと思うよ」
どっかのアホと違ってな……。
俺がそう言うと城崎さんは俯いて何かを呟いていた。
何を言ってるか聞き取れなかったが、どうやら照れているようだ。
「じゃあ、また明日来るよ」
「は、はい。明日もよろしくお願いします!」
「あぁ、じゃあな」
俺は城崎さんにそう言って、城崎さんの家を後にした。
*
放課後の図書館。
僕は平斗に頼まれて、一年生の後輩である初城さんに勉強教えていた。
たしかに平斗が言っていた通り、この子は頭は弱いようだ。
「えっと……じゃあ、この公式の意味って分かる?」
「す、すみません……わからないです…・・・」
「あ、そっかそっか、じゃあここからやろうか」
「は、はい」
彼女と二人で会うのもこれで何度か目だ。
平斗意外の人間と放課後に二人きりになることなんて今までなかったけど、最近は初城さんと居る事が増えた。
「それで、これがこうなるんだよ……」
「あ、なるほどぉ! わかりました! 校ですね!!」
「そうそう! なんだ出来るじゃない」
「えへへ……」
なんだ、教えれば覚えるじゃないか。
最初は少し教えるのが大変かと思ったけど、どうやら物覚えは結構良いみたいだ。
「少し休憩しようか? 何か飲むかい? 奢るよ」
「え! そ、そんなの悪いですよ!」
「そんな事言わないで、何か飲みなよ」
「す、すいません……ありがとうございます……」
僕は初城さんを誘って、自動販売機に向かった。
僕は初城さんに飲み物を奢り、二人でベンチに座って飲んでいた。
「あ、あの……少し聞いても良いですか?」
「え? 何かな?」
「あ、いえ……あの……この前の事件の事で……」
「あぁ……もしかして……平斗の事?」
「はい……私は直接見たわけじゃないんですけど……助けて貰った男性二人が興奮気味に『あの人は凄い!』って言うもので……」
「はは……まぁ、確かに平斗は凄いよ」
「それと島並先輩が嫌われてる事って……何か関係あるんですか?」
「………やっぱり気になる?」
「はい、先輩には良くして貰ってますし……その……助けて貰ったので、力になれることがあればなりたいですし……」
彼女はモジモジしながら僕にそう言った。
やっぱりこの子は良い子だ。
力になりたいか……僕はこの子に中学時代の平斗の事を話すべきなのだろうか?
僕は少し迷ってしまった。
この子には話しても問題が無いと思う反面で、僕は心のどこかでまた中学の頃の二の前になるのでは無いかと言う不安もあった。
「………そうだなぁ……こればっかりは平斗に了承を得ないと話せないよ……知られて困るのは平斗だからね」
「そう……ですか……あの、じゃあ一つだけ聞いても良いですか?」
「なんだい?」
「島並先輩のやった事って……真木先輩から見て正しかったと思いますか?」
僕はそう尋ねてくる彼女に笑顔を向けて応えた。
「僕は平斗がした事を……正しいとは思わないよ」
「え……」
これが僕の本心だ。
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