モテるのは俺の友達
第68話
村谷と仲良くなった切っ掛けは、中学一年の頃の宿泊研修だった。
レクリエーション中に怪我をしてしまった、俺を村谷が介抱してくれたことが切っ掛けだった。
村谷は誰に対しても優しくて、人を差別したりしない良い奴だった。
最初はまた高弥目当てかと思ったが、どうやら村谷はそうではないらしい。
「はぁ~あ、今日も疲れたぁ~」
「今日は部活無しの日だぞ、いつもより疲れないだろ」
「椅子に座って受業を受けてても疲れるのー」
「あはは、村谷さんは勉強苦手だもんね」
「高弥、こういう奴は馬鹿って言うんだよ」
「あぁ! 言ってはならぬ事ぉ~!」
「だって馬鹿じゃん、毎回赤点ギリギリだし」
「うるさいうるさーい! 人間勉強がすべてじゃないの!」
「まぁでも……多少は出来ないと苦労すると思うよ」
「真木君までそんな事を言うの!?」
「おい高弥、こんな馬鹿放って置こう、受験のときにこいつが泣くだけだ」
「あぁ! それは勘弁してぇ~二人がいないと私赤点まみれのテスト用紙をお母さんに見せなきゃ行けなくなるぅ~」
「普通に勉強しろよ……」
俺たち三人はこんな感じで毎日を送っていた。
一緒に海に行ったり、クリスマスは三人で過ごしたり、正月はみんなで初詣に行ったり、中学時代のほとんどをこの三人で過ごしていた。
だから、良くこんな噂が流れた。
村谷は高弥と付き合っていると……。
高弥に憧れる女子は多い、だから村谷は一部の女子からはかなり嫌われていた。
たまに露骨に嫌がらせをする奴も居たりしたが、村谷はその性格の良さから味方も多く、そこまで大事になることは無かった。
「なぁ、お前……大丈夫なのか? その……高弥との事とか……」
「え? 何心配してるの? 大丈夫? 熱有るんじゃ無い?」
「おい、そんなに俺がおまえの心配をするのがおかしいか?」
「あはは、大丈夫大丈夫、私はそんなにメンタル弱くないから!」
「それならいいが……何かあったら言えよ」
「はいはい、分かってる分かってる~」
村谷は自分の意見を持っていて、他人に流されることの無い奴だと、俺はそう思っていた。
そこが魅力に感じたのか、それとも明るい生活に引かれたのか、それともどっちもなのか……俺は彼女に好意を抱くようになっていた。
彼女への好意を隠したまま、俺たちは三年生になった。
そんなある日だった、あの日は夏休み前で俺は彼女が俺に言った事を今でも鮮明に覚えていた。
「え? 彼氏が出来た?」
「そう! 三個上の高校生の先輩なんだけどね!」
彼女は俺と高弥に楽しそうにそう話した。
俺は表情を変えて無いつもりだったのだが、長い付き合いの高弥には俺のわずかな表情の変化が読み取れたらしい。
「平斗……君は……」
「あぁ? なんだよ、そんな顔で……しかし物好きも居たもんだ……あの馬鹿を好きになるなんて……しかも高校生」
村谷が居ないところで高弥は悲しげな表情で俺にそう言った。
なんでお前がそんな顔するんだよ……なんて当時は思っていた。
「お前には隠し事は出来なさそうだな……」
「何年一緒だと思ってるんだい?」
「まぁそうか……まぁ、行動に移せなかった俺が悪いな……高弥、このことは村谷に絶対言うなよ」
「あぁ、分かってるよ……暖かい目で見守ろう……」
レクリエーション中に怪我をしてしまった、俺を村谷が介抱してくれたことが切っ掛けだった。
村谷は誰に対しても優しくて、人を差別したりしない良い奴だった。
最初はまた高弥目当てかと思ったが、どうやら村谷はそうではないらしい。
「はぁ~あ、今日も疲れたぁ~」
「今日は部活無しの日だぞ、いつもより疲れないだろ」
「椅子に座って受業を受けてても疲れるのー」
「あはは、村谷さんは勉強苦手だもんね」
「高弥、こういう奴は馬鹿って言うんだよ」
「あぁ! 言ってはならぬ事ぉ~!」
「だって馬鹿じゃん、毎回赤点ギリギリだし」
「うるさいうるさーい! 人間勉強がすべてじゃないの!」
「まぁでも……多少は出来ないと苦労すると思うよ」
「真木君までそんな事を言うの!?」
「おい高弥、こんな馬鹿放って置こう、受験のときにこいつが泣くだけだ」
「あぁ! それは勘弁してぇ~二人がいないと私赤点まみれのテスト用紙をお母さんに見せなきゃ行けなくなるぅ~」
「普通に勉強しろよ……」
俺たち三人はこんな感じで毎日を送っていた。
一緒に海に行ったり、クリスマスは三人で過ごしたり、正月はみんなで初詣に行ったり、中学時代のほとんどをこの三人で過ごしていた。
だから、良くこんな噂が流れた。
村谷は高弥と付き合っていると……。
高弥に憧れる女子は多い、だから村谷は一部の女子からはかなり嫌われていた。
たまに露骨に嫌がらせをする奴も居たりしたが、村谷はその性格の良さから味方も多く、そこまで大事になることは無かった。
「なぁ、お前……大丈夫なのか? その……高弥との事とか……」
「え? 何心配してるの? 大丈夫? 熱有るんじゃ無い?」
「おい、そんなに俺がおまえの心配をするのがおかしいか?」
「あはは、大丈夫大丈夫、私はそんなにメンタル弱くないから!」
「それならいいが……何かあったら言えよ」
「はいはい、分かってる分かってる~」
村谷は自分の意見を持っていて、他人に流されることの無い奴だと、俺はそう思っていた。
そこが魅力に感じたのか、それとも明るい生活に引かれたのか、それともどっちもなのか……俺は彼女に好意を抱くようになっていた。
彼女への好意を隠したまま、俺たちは三年生になった。
そんなある日だった、あの日は夏休み前で俺は彼女が俺に言った事を今でも鮮明に覚えていた。
「え? 彼氏が出来た?」
「そう! 三個上の高校生の先輩なんだけどね!」
彼女は俺と高弥に楽しそうにそう話した。
俺は表情を変えて無いつもりだったのだが、長い付き合いの高弥には俺のわずかな表情の変化が読み取れたらしい。
「平斗……君は……」
「あぁ? なんだよ、そんな顔で……しかし物好きも居たもんだ……あの馬鹿を好きになるなんて……しかも高校生」
村谷が居ないところで高弥は悲しげな表情で俺にそう言った。
なんでお前がそんな顔するんだよ……なんて当時は思っていた。
「お前には隠し事は出来なさそうだな……」
「何年一緒だと思ってるんだい?」
「まぁそうか……まぁ、行動に移せなかった俺が悪いな……高弥、このことは村谷に絶対言うなよ」
「あぁ、分かってるよ……暖かい目で見守ろう……」
「恋愛」の人気作品
書籍化作品
-
-
1168
-
-
93
-
-
20
-
-
24251
-
-
4
-
-
238
-
-
4405
-
-
157
-
-
3
コメント