モテるのは俺の友達
第67話
*
「悪い、またせたな」
「まったく……放っておけば良かったのに」
「仕方ないだろ……あんなの見たら……」
数分後、俺は高弥が待つゲームセンターの中に戻っていた。
「男達は?」
「路地裏で寝てるよ、それより早く帰ろう」
「あぁ、そうだな……また村谷さんに何か文句を言われても面白くないし」
「……あいつらは?」
「さぁ、どこかに行っちゃたよ、まったく……あの女は感謝の言葉もないのか……」
「まぁまぁ……それだけ俺が彼女にしたことは大きかったんだよ」
俺は高弥とそんな話しをしながら、その場を後にした。
「はぁ……村谷さんのせいでなんか不完全燃焼のままゲームセンターから撤退しちゃったなぁ……」
「じゃあ、別なゲーセン行くか?」
「良いね! 行こう行こう!」
乗り気な高弥と共に俺は別なゲームセンターに向かった。
そのゲームセンターで俺たちは日が暮れるまで、ゲームを楽しみその日はその場でお開きになった。
俺は高弥と別れ、自分の家に帰っていた。
「あ……」
「……あ」
神様のイタズラだろうか、俺は帰る途中でまたしても村谷と会ってしまった。
「………」
俺は彼女を無視してその場を後にしようとした。
しかし、村谷は意外にも俺に話し掛けてきた。
「余計な事しないでよ、あんな奴らアンタなんかに助けて貰わなくても良かったわ」
「………そうかい」
短い会話だった。
だが、俺はそんな短い会話でも彼女が無事だったということに安心した。
俺はそのまま彼女の横を通り過ぎる。
「………私……アンタを許す気なんてないから」
「………」
通り過ぎる瞬間、彼女は俺にそう言った。
正直許されないのは分かっている。
だから、俺は彼女に許してくれと言うつもりもない。
俺が出来るのは出来るだけ彼女と関わらないように生きていくことだけだ。
彼女を後にしながら、俺は昔の事を思い出していた。
*
中学二年生の頃、俺はクラスでは目立たない普通の生徒だった。
何かが普通とは違うとしたら、少し腕っ節に自信がある事と、友人が異常なまでモテることだろうか。
「平斗、一緒に帰ろうよ」
「あぁ、良いぞ」
「今日も稽古?」
「あぁ、お前は部活は良いのか? 陸上部」
「今日は休みだよ、それより今度の休み暇ならゲームセンターにでも行かないかい?」
「お前、隣のクラスの森下に映画に誘われてなかったか?」
「用事が有るって言って断ったよ」
「ん? ならゲーセンなんて無理だろ?」
「だから、その用事がこれってこと、僕を助けると思って口裏を合わせてくれよ」
「あぁ、そう言うことな……」
教室を出て昇降口に向かう道すがら、高弥は俺にそんな事を言ってくる。
こいつはいつもそうだ、女の子からの誘いを断る野に毎回俺を使う。
「2人とも!」
「いでっ……」
「おぉ……村谷さん」
俺と高弥がそんな話しをしていると、後ろから村谷が俺と高弥の背中にダイブしてきた。
「いてぇなアホ、いきなり来んな」
「まぁ、女の子がこういうことをするのはどうかと思うよ?」
「まぁ良いじゃん、私らの仲だしさぁ~」
「「そう言う問題じゃない」」
中学時代、俺と高弥、そして村谷の3人は仲が良かった。
クラスが同じで、帰り道もいつも一緒だった。
「それで、何の話ししてたの?」
「あぁ、今度の休日に皆でゲームセンター行こうって話しだよ、村谷さんも来るだろ?」
「行く行く! 今回も島並君を格闘ゲームでボコボコにする!」
「おい、楽しそうに物騒な事を言ってんじゃねー」
「だって島並君弱すぎなんだも~ん、リアルの格闘技は強いのにねぇ~」
「うるせぇなぁ、俺はどっちかって言うとパズルゲームが好きなんだよ」
「え? その顔で?」
「顔関係ねーだろ!」
「悪い、またせたな」
「まったく……放っておけば良かったのに」
「仕方ないだろ……あんなの見たら……」
数分後、俺は高弥が待つゲームセンターの中に戻っていた。
「男達は?」
「路地裏で寝てるよ、それより早く帰ろう」
「あぁ、そうだな……また村谷さんに何か文句を言われても面白くないし」
「……あいつらは?」
「さぁ、どこかに行っちゃたよ、まったく……あの女は感謝の言葉もないのか……」
「まぁまぁ……それだけ俺が彼女にしたことは大きかったんだよ」
俺は高弥とそんな話しをしながら、その場を後にした。
「はぁ……村谷さんのせいでなんか不完全燃焼のままゲームセンターから撤退しちゃったなぁ……」
「じゃあ、別なゲーセン行くか?」
「良いね! 行こう行こう!」
乗り気な高弥と共に俺は別なゲームセンターに向かった。
そのゲームセンターで俺たちは日が暮れるまで、ゲームを楽しみその日はその場でお開きになった。
俺は高弥と別れ、自分の家に帰っていた。
「あ……」
「……あ」
神様のイタズラだろうか、俺は帰る途中でまたしても村谷と会ってしまった。
「………」
俺は彼女を無視してその場を後にしようとした。
しかし、村谷は意外にも俺に話し掛けてきた。
「余計な事しないでよ、あんな奴らアンタなんかに助けて貰わなくても良かったわ」
「………そうかい」
短い会話だった。
だが、俺はそんな短い会話でも彼女が無事だったということに安心した。
俺はそのまま彼女の横を通り過ぎる。
「………私……アンタを許す気なんてないから」
「………」
通り過ぎる瞬間、彼女は俺にそう言った。
正直許されないのは分かっている。
だから、俺は彼女に許してくれと言うつもりもない。
俺が出来るのは出来るだけ彼女と関わらないように生きていくことだけだ。
彼女を後にしながら、俺は昔の事を思い出していた。
*
中学二年生の頃、俺はクラスでは目立たない普通の生徒だった。
何かが普通とは違うとしたら、少し腕っ節に自信がある事と、友人が異常なまでモテることだろうか。
「平斗、一緒に帰ろうよ」
「あぁ、良いぞ」
「今日も稽古?」
「あぁ、お前は部活は良いのか? 陸上部」
「今日は休みだよ、それより今度の休み暇ならゲームセンターにでも行かないかい?」
「お前、隣のクラスの森下に映画に誘われてなかったか?」
「用事が有るって言って断ったよ」
「ん? ならゲーセンなんて無理だろ?」
「だから、その用事がこれってこと、僕を助けると思って口裏を合わせてくれよ」
「あぁ、そう言うことな……」
教室を出て昇降口に向かう道すがら、高弥は俺にそんな事を言ってくる。
こいつはいつもそうだ、女の子からの誘いを断る野に毎回俺を使う。
「2人とも!」
「いでっ……」
「おぉ……村谷さん」
俺と高弥がそんな話しをしていると、後ろから村谷が俺と高弥の背中にダイブしてきた。
「いてぇなアホ、いきなり来んな」
「まぁ、女の子がこういうことをするのはどうかと思うよ?」
「まぁ良いじゃん、私らの仲だしさぁ~」
「「そう言う問題じゃない」」
中学時代、俺と高弥、そして村谷の3人は仲が良かった。
クラスが同じで、帰り道もいつも一緒だった。
「それで、何の話ししてたの?」
「あぁ、今度の休日に皆でゲームセンター行こうって話しだよ、村谷さんも来るだろ?」
「行く行く! 今回も島並君を格闘ゲームでボコボコにする!」
「おい、楽しそうに物騒な事を言ってんじゃねー」
「だって島並君弱すぎなんだも~ん、リアルの格闘技は強いのにねぇ~」
「うるせぇなぁ、俺はどっちかって言うとパズルゲームが好きなんだよ」
「え? その顔で?」
「顔関係ねーだろ!」
「恋愛」の人気作品
書籍化作品
-
-
157
-
-
4405
-
-
1
-
-
37
-
-
59
-
-
141
-
-
149
-
-
841
-
-
1
コメント