モテるのは俺の友達

Joker0808

第48話

「はぁ、先輩は絶対にモテませんね」

「うるせぇよ」

「女子の買い物にはちゃんと付き合わないと、女子からの好感度は上がりませんよ? 女の子がいっぱい出てくるゲームとかして勉強したらどうですか?」

「お前以外の女子には気を遣うから大丈夫だ」

「フン!」

「おっと」

初白は俺の足を踏みつけようとしてきたが、俺はそんな初白の足を避ける。

「なんで避けるんですか?」

「痛いから」

「踏まれて下さいよ」

「嫌だよ」

口より先より手が……いや足が出たな。
俺たちはそんな感じで買い物を続けた。
雑貨屋に行ったり、本屋に行ったり、まぁほとんど初白の希望だが……。
しかし、俺には一つ気になる事があった。
それはあのアパレルショップから感じている視線である。

「さて、次はどこに行きましょうか?」

「あぁ、悪い……俺は少し便所だ」

「もう! もっと言い方を考えて下さいよ!」

「別にいいだろ、他にどんな良い方があるんだよ?」

「お花を摘みにとか?」

「それを俺が言ったら、お前はどう思う?」

「気持ち悪くて吐くかもしれません」

「だろ? 分かったここで大人しく待ってろアホ」

俺は初白にそう言い、初白の元を離れた。
そして、俺はトイレでは無い別な場所に向かった。
そこは……。

「なぁなぁ、初白が一人になったぞ!」

「うふふ、じゃあ早速囲んじゃって!」

「おい」

「んだよ! こっちは今取り込み中だ!」

「そうよ! 少し黙って……あ……」

「お前ら何やってんだ?」

俺が向かった先、そこは俺と初白の事を影からずっと見ていた犯人、初白のクラスメイトであり、恐らく初白をあまり良く思っていない奴らの元だった。

「お前……確か男の方は悟君だっけ? 女子の方は香奈ちゃんだっけ? まぁ、他の四人は知らないけど」

そこに居たのは、以前初白のスマホを拾って何かよからぬ事を企んでいた女子三人組と後から入ってきた男子三人組だった。

「な、なんでアンタがここに!」

「おいおい、ずっと見てたなら分かるだろ? 俺は今トイレに向かってたんだよ」

「おい、お前……あんまりふざけるなよ?」

悟は俺にそう言いながら睨みをきかせてくる。
悟に続いて他の男二人も俺に睨みをきかせる。
こいつら本当に失礼だな……。

「おいおい、年上にそれは無いだろ? てかお前ら……一体あいつに何のようだ?」

「お前には関係ないだろ」

「まぁ、それもそうなんだが、一応あいつは後輩だからな……」

「そうか……丁度良い、俺もアンタとやってみたかったんだ……噂が本当ならアンタをやれば俺にも箔が付くってもんだ!」

「あっそ」

悟はそう言いながら、俺に殴り掛かってきた。





まずい……見失ってしまった!
僕は駅でお姉さんに逆ナンされてしまい、二人を見失ってしまった!
さり気なくサポートをして上げようと思ったのに!
僕は急いで街中を探した。
そして僕は、路地裏で平斗の姿を発見した。 しかし、まずかったのはその時平斗と思いっきり目が合ってしまった事だ。

「あ! おい高弥! お前こんなとこで何をしてんだよ!」

「え? あ、あぁいや……ごめんごめん……それよりこれは?」

平斗の周りには男子高校生が一人倒れていた。
他にも二人の男と三人の女子が居たのだが、なんだか怯えた様子で平斗を見ていた。
それを見た瞬間、僕は何となく状況を理解した。

「いや……これはその………なんかこいつ急に眠くなってみたいで……」

「はぁ……平斗、手加減しなかったでしょ?」

「うっ………そ、それよりお前こそなんでこんなとこにいんだよ! 用事があったんじゃないのか!」

「そ、そんな事はどうでも良いだろ!」

「良くねぇよ! あんなアホの買い物に付き合わせやがって! 今からお前も来い!」

「あ! ちょっと平斗!」

僕は平斗にそう言われながら、初白さんの元に引っ張られて行った。

「……な、なんだ……あの人……」

「つ、強い………」

引っ張られる間際、怯えた様子だった男二人は平斗を見ながらそう呟いていた。

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