モテるのは俺の友達

Joker0808

第12話

なんでこいつはこんなに失礼なんだ……。
そんなことを俺が考えていると、初白の番になり、初白がレジで注文し始めた。

「えっと、ポテトとシェイクでお願いします」

注文は何とも女子らしい、友人と来ていると言っていたが、その友人はどこにいるのだろうか?

「先輩たちは何を注文するんですか?」

「別になんだっていいだろ、さっさと行けよ」

「まだ商品来てないんですもん」

「はぁ……まさかこんなところでもお前と会うなんて……」

「平斗、僕たちの番だよ」

「え? あ、あぁそうか……えっと……」

俺はレジで店員にポテトとシェイクを注文する。
高弥はシェイクのみを注文した。

「先輩真似しないでくださいよ」

「俺は元々この組み合わせって決めてたんだよ、商品来たならさっさと行け」

「はいはい、わかりましたよぉ~……ま、真木先輩もそれじゃぁ……」

「うん、ばいばい」

俺と高弥への態度が全然違うな……。
まぁ、それは当然だけど。
俺と高弥は注文した商品を受け取り、窓際の席に座った。

「はぁ……あのバカと関わるとろくなことがないな」

「仲良さそうだったじゃないか。僕、平斗が女の子と仲良く話てるの久しぶりに見たよ」

「まぁ、クラスの女子は俺に話かけられただけですごい顔するからな」

「……あれはひどいよ」

「いいんだよ、仕方ないことだ」

「だからかな……初白さんが普通に平斗に接してるのがうれしい反面、僕は少し怖いとも思うんだ……」

「……まぁ、似たような感じだったしな……中学のあの時も」

「……僕は初白さんはいい子だと思うよ」

「お前が女子をほめるなんて珍しいな」

「そうかな? でも、まぁ……確かにあの子には何かを感じてるのかもしれないね……」

高弥が女子に対してここまで言うなんて……かなり珍しいな……。
マジで初白の事が気になってるのか?
それなら俺は初白の手伝いをした方がいいのか?
あいつが高弥に見合うかといわれたら、全く見合ってないと答えるが……高弥が好きならお互いの意見を尊重すべきだろうし……。

「初白さんにメッセージ送ってみようかな」

「は!? どうしたお前?」

「なんだよ、そこまでビックリしなくてもいいだろ?」

「いや、お前が女子にメッセージなんて送ったら、送られた奴は他の女子から呪い殺されるぞ……」

「いや、そんなわけないだろ?」

「ただでさえ、あいつがお前の連絡先を知ってるってだけで危険なのに……」

「そ、そうかな?」

「中学の時を忘れたのかよ、お前が事務的連絡のために女子と連絡先交換して、翌日その子がどんな目にあったか……」

「あぁ……あれは確かに可哀想だったね……」

中学時代、委員会の仕事で高弥はとある女子と連絡先を交換した。
その結果、その女子は他の女子から嫉妬され、いろいろな嫌がらせを受けていた。
それを知った高弥はそれ以降、女子と連絡先を交換しなくなった。

「あの子……元気かな?」

「まぁ、あの後お前が色々な女子を威嚇して、事が収まったんじゃないか。あの時のお前はカッコ良かったぜ」

「僕は自分でしでかしたことの尻拭いをしただけだよ……」

「それでもちゃんとあの子を守っただけ立派だろ?」

「僕は平斗の方がすごいと思うよ……」

「……すごくなんかねーよ。てか、やめようぜ昔の話なんて」

「そうだね、ごめん」

「いや、いいよ。それよりさっきからお前、俺のポテト食いすぎだろ」

「え? もぐもぐ」

「え? じゃねーよ、もぐもぐしてんじゃねーか」

「ごめん、なんか止まらなくて、もぐもぐ」

「あ! お前こんなに食いやがって! 新しいの買って来いよ!」

「ごめん、ごめん、ポテトって止まらなくなるよね? もぐもぐ」

「止めろ! いいからその手を止めろ!」

高弥はそんなことを言いながら、俺のポテトの半分を食べていた。

「おい! お前食いすぎだろ!」

「悪かったよ、新しいの買ってくるから許してくれよ」

「はぁ……最初から自分の買えよ」

高弥はそう言って立ち上がり、財布をもってレジに向かった。

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