小学生のぼくは日記を書くことにした
中川くんを誘うことにした
「この本は本当におもしろくてさ。夢を叶える手伝いをしてくれるっていうんだ。本の中にはおもしろいお題があってな,夢を叶えるって言うのに靴を磨くとか,トイレ掃除をするとかそういうことなんだ。なんだそんなことって思うだろ? だまされたと思っておもしろくなっておれもやってみたんだ。そしたら,目に見えて何かが変わったわけじゃないんだけど,なんかこう,気持ちよくてさ。主人公も成長していくんだけど,ほんとおもしろいぜ!」
おもしろいという言葉を連発して中川くんは興奮しながら話を進めた。おれが読み終わったら貸してやるよ,と本を指さしながら嬉しそうしている。ぼくはそれに対するお礼を言った後で,頭の中でずっと考えていたことを中川くんに言った。
「とても良い本を紹介してもらったんだね。ぼくも本を探したくなったよ。もしよかったら今日の帰り道,その本屋さんまで一緒に行かないかい? ぼくも新しい本を探したいな」
中川くんを夢中にさせた書店員さんに会いたいという気持ちがほとんどを占めていた。その人にぴったりな本を提供できる人だとしたら,ぼくはどんな本を紹介してもらえるのだろう。そんな興味がわいていた。
「え,いいのか? 初めてだな。一緒にどっか行くのって。よかったらおれの姉ちゃんを紹介してやるよ。その姉ちゃんのいる書店はおれんちから一番近いし,コウシも家の帰り道にあるからちょうどいいな」
「中川くんのお姉ちゃんじゃないでしょ。でも助かるよ」
ぼくたちはきっと入学してから初めて,笑いながら会話をした。帰りの会が終わった放課後に一緒に本屋に行く約束を取り付けてぼくは自分の席に戻った。きっとぼくたちは端から見てマッチしそうにない組み合わせに違いない。そんなぼくたちを,クラスの皆は珍しいものを見るような目で眺めていた。
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