話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

小学生のぼくは日記を書くことにした

文戸玲

ゴールイメージを明確に持つ


 ぼくは佐藤さんとの関係をもとに戻すことに対して焦りを持たないようにした。なぜなら,ゴールイメージを持つことが大切だからだ。今ぼくの課題は佐藤さんに気持ちを分かってもらえないことと,佐藤さんの気持ちが全く読めないことだ。この気持ちが分かってもらえれば仲良くすることは大変たやすいものだと思うのだが,事態はそう簡単なものではない。これはもしかしたら女子特有と言っても良いものなのかもしれないが,こちらの考えに聞く耳を持たないうえに自分の腹の底を明かさない。そこに女の子の怖いところがあるのだとお父さんが言っていた。だけど,ぼくのお父さんは頼りになる。ぼくにアドバイスをくれた。

コウシくん。君はどうしたいんだい? 
ゴールイメージを持ちなさい。
ゴールさえ見失ってなければ,道を間違えてもまた戻ってこれるから。
そして気を付けなければならないことが一つある。
どんなことにも即効性を求めてはいけない。
美味しい話には裏があると疑うのは基本だが,成果となると人は即効性を求めたがる。
いいかい,結果を出すということは時間がかかるものなんだ。

お父さんはとても賢い。だから辞書で調べないといけない言葉がたくさん出てきたが,要するに時間をかけて取り組まなければならない問題も生きていればあるということだ。
 ぼくは焦らずに佐藤さんとの関係を修復しようと思う。とりわけ,急いで弁解をして許しを乞うなんて行動は火に油を注いでそこに裸で突っ込んでいくようなものだ。

「小学生のぼくは日記を書くことにした」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「文学」の人気作品

コメント

コメントを書く