小学生のぼくは日記を書くことにした
悪い金魚とそのうんち
振り向くと中川くんが仁王立ちしていた。中川くんは本当にたちが悪い。「ああ見えて,根は良い人なんだ」とはとても言えない。証拠にさっきまでそこらへんに飛び交っていたトンボは一匹たりとも残らずこの世界から姿を消していたし,背中に受けた夕日までもが中川くんを逆光によって表情を真っ暗に演出していた。顔全体の表情は読めないのに,口だけは斜め上に吊り上がっていた。アニメなんかで悪役が何か悪だくみをしているときはだいたいあんな顔をしているが,現実にも悪い顔をこんなに上手に表現できる人がいるとは知らなかった。中川くんはぼくとは違うジャンルでの天才なのかもしれない。中川くんの後ろには金魚のフンこと宮坂くんがスケベな笑いを浮かべてポケットに手を入れて立っていた。実際には中川くんと宮坂くんが相手にしているのはぼくと三浦くんなのだから,スケベな笑いではないとは思うのだが(本によると,人を好きになるパターンはいろいろあって男の人が男の人を魅力的に感じる場合もあるという)宮坂くんは表情がいつもだらしない。表情がだらしないだけなら良いのだけど性根も悪い。だからクラスのみんなからも好かれていないし,先生からも良く怒られている。中川くんが学校をずる休みをした時は静かにしているくせに中川くんがいると一緒になって人をいじめる。本当にずるいやつだ。
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