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三日月

ghame

(54) 18日間

            6月9日 火曜日 

 お酒が入った翌日は少し早めに目が覚める体質の私は、目覚ましの前に目覚めたので時計を見ると5時過ぎだった。

 今日から会社では折角親友とまで思ったお隣さんに合えなくなると思ったら胸がギュッと掴まれて、元のサイズまで膨らんこないで、どこまでも小さく縮んでいく気がする。 

 カズは18日間だと言っていた。
 その月日は長くも短くも感じるのだ。

 思い出が沢山ありすぎて濃厚で、沢山の時間を共に過ごした気がして、これまでの人生が、この数日のためだけにあったしても満足だと思ってしまう。

 その反面、永遠であって欲しい。と、思う瞬間があっただけに、あまりにも儚い。と、字の如く人の夢のように短いものだった。

 カズは、私に山下くんとココハちゃんという宝物を置いて行ってくれた。
  でも、彼は今日からたった一人で、一からスタートすることになるのだが、今の彼なら他愛もないことだろう。

 私との恋愛ごっこも、きっともう必要ないはずだ。

ならば、昨夜のズキの交際の申し出を受けてみるか?

 そんな気持ちが生まれた理由は、昨夜の神からのメールの内容だ
「新しい出会いにチャレンジすべし」

 これはズキのことね。
そうなると、このゲームのゴールはカズではないってことなの?
 全くわからない。
   コーヒーでも入れましょう。

 コーヒーが用意できるまでの間に、昨日の着物を畳むと、カップを持って部屋に行き、窓を開けて音楽をかけて、熱いコーヒーを一口すすってから考える。

 やっぱりズキとは気が進まない。
彼はバツイチで今は独り身で、お子さんも居ないと言っていた。
 結婚を考えるとしたら最高のパートナーになる事は間違いない。

 でもね、たった一度の人生は、そんな理由で決めてはいけない気がして、、私の連絡先は教えなかったのよね。
 昨夜は酔っていたのに選択は間違っていなかったと思う。

 不意にスマホにメールが届いてビックリする。
時刻は6時になっていて、母親も起き出してお弁当の準備に取り掛かっているはずだ。

 あ!!

 そこでまた、今日も自転車が無いことを思い出して、カズにメールを入れようと画面を開くと、今メールが届いていたことを思い出す
「おはよう、オレも目覚めたので窓を開けました」
 窓の外を見るとヘッドフォンをして電子ピアノに向かう背中が遠くに見えた。

 しばらく眺めてメールを送る

「おはよう、今日は自転車が会社にあるので歩いて行かないといけないの。10分前に家を出ます」
 カズはメールに気が付き、ヘッドフォンを頭から下ろして置くと、振り向いてスマホを片手に窓まで来る。

 笑顔で声の無い「オハヨ」をしてからメールを送って来た。
「OK、5分前にメールします」

それから
「かわいい」
 と、もう一度メールが入った。

 そのメールを見ると、耳まで熱くなってお腹がこそばゆくなった。
 今の自分の格好を見てみると、先日と同じ髪がクチャとなって、ランニングに短パン姿だった。

 その慌てようを観察していたカズは、顔を横に傾けてうっとりと微笑んだ。

 そのメールの返事は
「ウソばっかり」と入れた。

 それを見てクスッと、笑ったカズは私に向かって、両手を伸ばして伸びをして、そのまま両手を左右にバタバタと振って、再び電子ピアノへと帰って行った。

  決めた。
 クリスマスプレゼントをもらうまでは、カズのバーチャル彼女を務めよう。
 そう決めたら気持ちが楽になってカネにメールを送った。

<昨日はありがとう、初めての体験でドキドキしっぱなしでしたが良い思い出になりました。今日仕事が終わったら着物を返しに伺います。
 6時過ぎならどこへ行けば良いですか?>

 今日、銀座に行くなら少しきちんとした格好しなくちゃね。

 メールを打ち終わって一息ついたら思い出す。
カズも寝るときは短パンなんだ。
 寝起きの顔は中学生の小ちゃかった頃のまんまだな。
 最初見た時、大人しいし女の子かと思った。

  可愛かったよなぁ〜


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