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三日月

ghame

(34)しゃぼん玉

 
 2人でバーガーを食べた後はいよいよ白熊だ。
確かに白くて綺麗だけど、なんで白熊が好きなんだろう?
 と、思い意外とペットに出来たりしないか検索してみる
「1600万!!エリ白熊をプレゼントするのも、家で飼うのも無理だ!」
「本当、ペットに出来たら最高ね!重さは、、600kか。床が抜けるわね!30kくらいの小型なら家でも飼えるのに、、。」

「見て見て!体毛が特殊で赤外線カメラでの撮影が困難って書いてあるわ。なんか、スゴイ!」
「ヒグマとのハイブリッドが自然界に多く存在しているって、なんか強そうで男心を擽るな。見てみたいよ!!」
      
    調べてみると、生態にも興味を持ち すっかり2人揃って白熊大好きになってしまった。

 その白熊コーナーでのオレのポーズは   近くの村を襲う白熊、両手を広げて「わおー」だ。
 エリは遠近法で手のひらに白熊を乗せて幸せそうだった。

「エリ、なんで白熊好きなんだ?」
「子供の頃、動物園の近所に住んでいてよく家族で行ったの。その時キラキラ光って綺麗だなって思って。その事を忘れないように、白熊を好きでいようと決めたの。」
「決めたって、どうゆー事?」
「そう、引越しで嫌なこともあったけど、いい思い出もちゃんとあったって忘れたくなかったから。」
「そっか、いろいろあって辛かったんだな。庭にもし飼えたら買ってやるよ!」
「私も貯金しておく、庭に白熊欲しいもんね!」
「オレは九官鳥だな。いくらかな?20万円くらいか、、九官鳥より20万円の現金が良いな。」

「そうだ、エリがオレに毎日『お前やるやん』って言えばよくね?ペットはエリで良いや」
「じゃあ私も庭にカズで良い!タダだから」
「それが良い、1600万はキツイぜ、オレをペットにしたら庭の草抜いておいてやる!オレ小屋どんなんにしてもらうかな?」
「じゃあ、私籠は涼しくて 雨に濡れない場所においてね」
「おう!オレのへやに置くからいっぱい『お前やるやん」を言ってくれよ!餌はミミズか?エリ食えんのか?」
「ミミズ?うううっ。九官鳥になったら食べる。」
「じゃあオレは何だ?生肉オットセイか??食物キッツイな~。」

 それからも ウサギの真似して手で耳を作ったり、敬礼、ファイティグポーズ、エリは髪をかきあげたり、ほっぺを膨らましたり、動物の触れ合いコーナーではいっぱい写して 更にネットでもポーズを検索して100ポーズは案外行けた。
 そして最後のポーズは2人で写ろうと決めていて、普通の恋人同士がするように、オレがエリの肩に手を回して2人は最高の笑顔で写った。

 それから、帰り路に見つけた売店へ涼みに入った
「動物シャボン玉、買わない?オレ、カエルにする。」
「私は、ウサギが良いな。デザインが可愛いわね!」

「それと白熊も、せめて、ぬいぐるみを買って帰るか?」
「良いわね!!じゃあ、九官鳥も買いましょう。20万円もしないはずだから、、。」
「そうだね!エサもやらなくて良いからペットにするなら楽だ!」

   それから15:00頃に不忍池を通って、弁天門から出てアメ横でスイカを買って食べながらちょっと歩くと、昭和のムード漂うチンドン屋さんがいた。

 クラリネット、アコーディオン、太鼓、シンバルを持った 江戸時代の旅芸者風な4人組が 賑やかにパチンコ屋の開店チラシを配って回っていて、すごい混雑ぶりだ。

 雑踏の中、エリを一瞬見失って、焦ったオレの時間はスローモーションで流れた。
 次の瞬間不安そうな顔を後ろに確認すると、片手でエリの肩を少し強引に引き寄せた。
 すると、人混みに押されながらエリの顔がオレの胸元に当たったので、その状態のままエリの髪に「手繋ごっか?」と言った。

 コクリとうなずく胸元のエリのは、思ってたより小さくて、その髪からは良い匂いがして、ちょっとだけドキリと意識した。
 それから初めて繋いだ手は細くて、ちっちゃくて柔らくて、、不安に似た思いで心臓がドキドキしてしまい、もうエリを見失いたくなかったので家に帰ることにした。


 帰りの電車の中では、100枚写真をお互いラインで共有して見せ合い、そのポーズの意味など説明しあっては「何だそれー」「全然わかんない」「だと思った」と爆笑し合った。

 家に着いたのは18:00で
「じゃ夜のお散歩で!」と言って、恒例の儀式をして別れる。
 しばらくすると エリからメールが来た

「窓見て」
 カーテンを開いて向かいの部屋を見ると、開け放たれた窓にエリが立っている。
 オレも窓を開いて微笑みかけると、何やら白いものを手に持っていて、それを口へ運ぶと次の瞬間窓の外にシャボン玉が広がって、ふわふわ気持ち良さそうに飛んで行った。

 オレもカエルちゃんを急いで取りに行って、シャボン玉をエリに向かって飛ばした。

 窓の外に広がる美しい球体がふわふわと、茜色した空に漂う姿を見ていると心が穏やかになっていき、それを永遠に錯覚する安らぎを感じた。

「楽しいからまたシャボン玉買おう。」
 フワフワと飛んで行く丸いシャボン玉は、夕焼けと同じ茜色をしていて幻想的な世界を見せてくれた。

 お散歩から帰ってエリと別れると、神からメールが来ていた。
 今回の神からの司令は初の4日まとめた物で、内容はこうだ。
6/1 同窓会でピアノを弾け
6/2 エリの部屋へ行け
6/3 部屋の掃除をしろ
6/4 エリを部屋へ呼べ

 いよいよ神の真意がわからなくなってきた。


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