三日月
(32)豆腐
恵比寿のマツゴローの店に着いたのは15:30だった。
早速ニヤニヤして彼の言いたいことは読めたので、わざと知らん顔をしてやって、VネックのTシャツを3枚と中折れ麦わら帽を選んでもらった。
次にエリが明日着るカーキ色のスリムパンツと、それに合わせて白地にアースピンクチェック柄でデザイン物の綿シャツを購入する。
  ワンピースはアトレでおすすめの店を教えてもらって早速行った
「この店はちょっと若過ぎない?」
「そうかな?エリに似合うと思うよ。あの楽ちんそうなシャツワンピとか、トレーナーの長いワンピも¥2900だよ」
「えっ?可愛い、あれ欲しい。何色が良いかな?」
「着て見せて!」
「そうね、試着してみるから色はカズが決めて!」
フィッティングから出て来たエリは、20代に見えてオレには眩くて、少し緊張した。
「グレー、良いね。¥2900には見えないよ、、。ベージュも良いんじゃない?後、ピンクも似合うと思う。」
「わかった。じゃあ、3色にする。」
安物でも綺麗に変身したエリが着ると高級品に見えて、興奮して色違いで購入する様子は楽しそうだった。
「ありがと、良い買い物ができた。後、綺麗目が一つ欲しいな」
「あそこのショップの、ワンピどう?似合いそう」
「あれ、私も好き。着てみるね」
ゴールドベージュのワンピを試着すると、ハッとする程似合っていて、エリも気に入り購入した。
時計を見ると18:00になっていて最後にジュエリーショップへ急いで入ると、エリがボソッとオレに一言。
「三日月のペンダントトップが欲しいな」
「なるほど、、三日月かぁ。ありそうだね!」
オレの名前のネックレスを欲しがった事、それがエリの胸元を飾る事、なんだかドキドキした。
「絶対あるよ、ジュエリーでは定番のデザインなのよ」
割と店のメインの場所にあって、軽く感動した。
「おっ!お月様コーナー、あったぁーッ!!」
「可愛い。どれが似合うと思う?」
胸元に合わせてどれが良いか悩む時間は、バーチャルである事なんて忘れさせた。
選んだシルバーの華奢なチェーンに、細い三日月のデザインは線の細い女性らしさが際立ちエリにとても似合っていた。
それを誕生日のプレゼントとして送り、クリスマスには三日月のピアスを買うことを約束すると、エリはとっても喜んで、その美しい顔で天使の微笑みをオレにくれた。
正直オレにはエリが眩し過ぎて落ち着かないので 早く慣れなくては。と、焦っていたりもした。
イケメンに変身し、優位だと思っていたオレは、エリの笑顔を始めて見た辺りから、とっくに負けていた。
予約のお店には10分遅れて到着して、まずはビールそれからメニューを見るとエリのお人形さんの様な瞳がキランと光を放った。
コース料理を予約していたので手作りの寄せどうふ、ゆば、濃厚な胡麻豆腐の入っただし巻き卵など料理が運ばれてくるたびにエリの目が子供の様に輝き
「美味しそう」「美味しい」を繰り返し幸せそうで、オレもそんなエリを見て満足した。
胸元に輝く三日月が目に入るたび、オレの胸は何かに満たされ、そして同じ様なものが自分にも欲しいと思い始めた。
海里だから海のものかな?里芋はないよな?あれば里芋でも良いが、とか考える。
「海のものが欲しいの?」不意に図星を突かれて驚いた。
「ネックレスを見ていたから、カズも欲しいのかな?って思って。」
「そうなんだよ、里芋でも良いかな?って考えていたところ。
「里芋か?愛媛の親善大使なんだってこんなキャラクターだよ。」
と言ってスマホを見せてくれた。
「うんんー。これは勇気いるな。」苦笑
「カズ、今日はありがと。とっても充実した1日だったわ。そうだ!」
と言ってカウンターで隣に座る美しいエリが深刻な顔でオレの目を見つめたまま顔を寄せてくる。
いきなり何をする気だ!と、身体中の血が茹でる
「ハサミさんって、たぶん男性よ?」
「??」
あまり唐突に意味不明なことを言われたのでオレはふきだした、そしてしばらく笑った。
「エリ、それで驚いたの?今度会ったら本人に聞いて見たら?」
「え?え?どっちなの?教えて!」
オレは負けないくらい深刻な顔をして返事をする。
「デリケートな部分だよ、本人に聞くべきだ。」
と、言ってみるとエリはガッカリした表情を浮かべ、答えを教えてもらう事を諦めた。
これはしばらく楽しめそうだ。エリ、面白いなぁ!
お腹も胸もいっぱいになったので
「帰ろっか?」
と言って、2人は晴々とした気持ちで、まだ少しひんやりする夜の繁華街を駅に向かって歩いた。
駅に着くと電車は混んでいて大荷物を抱えての乗車は苦労したがエリが隣にいるとそれも楽しいと思う反面チカンに合わないかハラハラして落ち着かなかった。
最寄り駅に着いたのは23:00過ぎていて、荷物を持っての自転車は流石に危険なので自転車は押して歩くことにして、新しく変身した隣人に早く慣れるようにとチラチラ目を走らせると、目が会うたびに微笑みを返してくれた。
たく、オレは中学生かよ!!
「3日もウォーキングをさぼってるね明日は動物園でいっぱい歩こう」
と約束して、それから家の前で儀式をしてバイバイと言って別れた。
玄関の鍵を閉めたエリは手を止めて考える
ハサミさんって、男性よね?
それでもカズは大丈夫って事??それとも、カズは、そっちの人って事??
早速ニヤニヤして彼の言いたいことは読めたので、わざと知らん顔をしてやって、VネックのTシャツを3枚と中折れ麦わら帽を選んでもらった。
次にエリが明日着るカーキ色のスリムパンツと、それに合わせて白地にアースピンクチェック柄でデザイン物の綿シャツを購入する。
  ワンピースはアトレでおすすめの店を教えてもらって早速行った
「この店はちょっと若過ぎない?」
「そうかな?エリに似合うと思うよ。あの楽ちんそうなシャツワンピとか、トレーナーの長いワンピも¥2900だよ」
「えっ?可愛い、あれ欲しい。何色が良いかな?」
「着て見せて!」
「そうね、試着してみるから色はカズが決めて!」
フィッティングから出て来たエリは、20代に見えてオレには眩くて、少し緊張した。
「グレー、良いね。¥2900には見えないよ、、。ベージュも良いんじゃない?後、ピンクも似合うと思う。」
「わかった。じゃあ、3色にする。」
安物でも綺麗に変身したエリが着ると高級品に見えて、興奮して色違いで購入する様子は楽しそうだった。
「ありがと、良い買い物ができた。後、綺麗目が一つ欲しいな」
「あそこのショップの、ワンピどう?似合いそう」
「あれ、私も好き。着てみるね」
ゴールドベージュのワンピを試着すると、ハッとする程似合っていて、エリも気に入り購入した。
時計を見ると18:00になっていて最後にジュエリーショップへ急いで入ると、エリがボソッとオレに一言。
「三日月のペンダントトップが欲しいな」
「なるほど、、三日月かぁ。ありそうだね!」
オレの名前のネックレスを欲しがった事、それがエリの胸元を飾る事、なんだかドキドキした。
「絶対あるよ、ジュエリーでは定番のデザインなのよ」
割と店のメインの場所にあって、軽く感動した。
「おっ!お月様コーナー、あったぁーッ!!」
「可愛い。どれが似合うと思う?」
胸元に合わせてどれが良いか悩む時間は、バーチャルである事なんて忘れさせた。
選んだシルバーの華奢なチェーンに、細い三日月のデザインは線の細い女性らしさが際立ちエリにとても似合っていた。
それを誕生日のプレゼントとして送り、クリスマスには三日月のピアスを買うことを約束すると、エリはとっても喜んで、その美しい顔で天使の微笑みをオレにくれた。
正直オレにはエリが眩し過ぎて落ち着かないので 早く慣れなくては。と、焦っていたりもした。
イケメンに変身し、優位だと思っていたオレは、エリの笑顔を始めて見た辺りから、とっくに負けていた。
予約のお店には10分遅れて到着して、まずはビールそれからメニューを見るとエリのお人形さんの様な瞳がキランと光を放った。
コース料理を予約していたので手作りの寄せどうふ、ゆば、濃厚な胡麻豆腐の入っただし巻き卵など料理が運ばれてくるたびにエリの目が子供の様に輝き
「美味しそう」「美味しい」を繰り返し幸せそうで、オレもそんなエリを見て満足した。
胸元に輝く三日月が目に入るたび、オレの胸は何かに満たされ、そして同じ様なものが自分にも欲しいと思い始めた。
海里だから海のものかな?里芋はないよな?あれば里芋でも良いが、とか考える。
「海のものが欲しいの?」不意に図星を突かれて驚いた。
「ネックレスを見ていたから、カズも欲しいのかな?って思って。」
「そうなんだよ、里芋でも良いかな?って考えていたところ。
「里芋か?愛媛の親善大使なんだってこんなキャラクターだよ。」
と言ってスマホを見せてくれた。
「うんんー。これは勇気いるな。」苦笑
「カズ、今日はありがと。とっても充実した1日だったわ。そうだ!」
と言ってカウンターで隣に座る美しいエリが深刻な顔でオレの目を見つめたまま顔を寄せてくる。
いきなり何をする気だ!と、身体中の血が茹でる
「ハサミさんって、たぶん男性よ?」
「??」
あまり唐突に意味不明なことを言われたのでオレはふきだした、そしてしばらく笑った。
「エリ、それで驚いたの?今度会ったら本人に聞いて見たら?」
「え?え?どっちなの?教えて!」
オレは負けないくらい深刻な顔をして返事をする。
「デリケートな部分だよ、本人に聞くべきだ。」
と、言ってみるとエリはガッカリした表情を浮かべ、答えを教えてもらう事を諦めた。
これはしばらく楽しめそうだ。エリ、面白いなぁ!
お腹も胸もいっぱいになったので
「帰ろっか?」
と言って、2人は晴々とした気持ちで、まだ少しひんやりする夜の繁華街を駅に向かって歩いた。
駅に着くと電車は混んでいて大荷物を抱えての乗車は苦労したがエリが隣にいるとそれも楽しいと思う反面チカンに合わないかハラハラして落ち着かなかった。
最寄り駅に着いたのは23:00過ぎていて、荷物を持っての自転車は流石に危険なので自転車は押して歩くことにして、新しく変身した隣人に早く慣れるようにとチラチラ目を走らせると、目が会うたびに微笑みを返してくれた。
たく、オレは中学生かよ!!
「3日もウォーキングをさぼってるね明日は動物園でいっぱい歩こう」
と約束して、それから家の前で儀式をしてバイバイと言って別れた。
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