話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

三日月

ghame

(20)早速意見交換

        5月27日水曜日

 日曜日から毎朝ピアノを触ろうと決めたオレは、今朝もヘットフォンをして自分の部屋にある電子ピアノを弾きながら考えていた。

 いやいやそうは言っても既に会社に行くのも帰るのも昼休みも晩ご飯の後も、仕事と寝ている時間以外はほぼ一緒にいるぞ。
 となると、恋人は一緒にいる時間を増やせば良いというものではなく、中身の濃い時間を過ごす必要があるのか。
 銭湯行くとか?
 そう言う神田川(昭和の歌)見たいのじゃなくて、そうだ!まず大切なのは、お互いを知ることじゃ無いか?
 10個の質問とかよく無いか?よしそうと決まれば会社行く支度しよう。

 昼休みに屋上に集合すると、まずはダービーを1位で終わらせて、エリの笑顔を賞品として頂いた後、来週もしようと約束させられてから昨夜の宿題を持ち寄り発表会が始まった。

 まずはオレからだ

「相手のことを知るために、質問どうかな? 1好きな色 2食べ物 3趣味 4タイプ 5言葉 6動物 7こと 8歌 9場所 10願いが叶うなら こんな感じで10個の質問を考えてみた。」

「良いと思う。ラインを送ってくれたら明日までに考えて来れるかも。私が考えたのは、相手の好みを聞いて取り入れる。服とか、髪型とか、趣味とか?」
「それ、ありだね。エリに着て欲しい服とか考えてみても良いかな?」
「じゃあ私は、カズに着てもらいたい服?」

「難しいな。本屋だ!今日の帰りに本屋で雑誌を買ってスタバで見て選ぼう!おー実り多い時間だったよ午後からも頑張ろう」

「ところで、、、」
 階段で帰りながら仕事で謎の部分を聞いておく。
 ここ数日昼休みでは話が終わらないほど話題が増えてしまって2階のオフィスまで階段で降りるようにしてギリギリまで話をするようになった。

「そういえば今週の金曜日、、、」と、振り返って歓迎会の話を始めた頃には、もうエリの姿はドアの中に消えていた

 昼休みから戻ると巨大な熊が襲い掛かって来た!と思ったら主任のタックルだった。

「昨日はどういたしまして!あれから桜井くんはあの美女と、ご予定があったのですか?なかったのですか?」
「主任まだ酔ってますね!気になるなら髪切りに行って聞いて来たらどうですか?」
「オレは会話苦手だから、スヤスヤしました。」
「それって寝たってことか?寝たって事か?もったいない。」
「こら!寝た寝た言うな!誤解されたらどうしてくれるんだよ!」
「バレたか!これは作戦。お前ばっかりモテてたらシャクだから。」
「おいこら」

 仕事が終わると、駅前の本屋でマンガコーナーに吸い寄せられて行くオレがいて
「ちょっとだけいい?」と、どうしても読みたい新巻を2冊だけ選んで購入してからやっと本題のファッション雑誌コーナーへ行った。
 エリが既に選んでいた男性用雑誌は決まって女性用は俺の担当なのだが、全部が同じように見えて迷いに迷って髪型も載っているものにした。
 女性に着て欲しい服を選ぶなんて初めてのことで それを彼女が着ると思うと、こみ上げてくるものがある。
 世の中の恋人達はなんて羨ましいのだ?と、思わずにはいられなかった。
 オレも相手がいれば、前ボタンか?後ろファスナーか??「クーっ!」などと、思ったりもするのだが彼女やら、デートやらのイメージに関しては全く湧かないので困ったものだ。

 スタバに入るとエリに席を取って置いてもらって 彼氏らしくオレが2人分の飲み物を買いに行くのだがこれは彼女のものであっても、バーチャル彼女もの物であっても、オフクロでも、飲み物の味も何も変わらないし椅子も変わらない。

 気分だけが変わるのだ、それが何だと言う話なんだけど、なんだかやっぱり何処にいるかも分からないそいつをこれから探して口説いて、なんて一体何人口説けば当りが出るのか?面倒でゾッとしてくる。

 大体オレってどんな子が好みなんだ?どんなタイプと相性がいいんだ?そしてそいつはどこ行きゃいるんだ?江の島か?北海道か?海外か?そいつは日本人か?何歳だ?女だと決まった訳でもないし、既婚者や、幼女でも困るし、、。面倒くさいな、こんな風に感じるオレって枯れてんなー。
 
 飲み物を両手に持って席に戻るとエリは結構熱心にページを開いていて、真面目優等生は健在だなと感心した。
 中学、高校もエリの成績を抜きたくて隣の窓の電気が消えるまで絶対に寝ないと頑張ってテスト勉強をしたのに結局勝てたことなど一度も無かった様に思う。
 オレはほお杖をついてしみじみと、エリを見ながら物思いの世界で夢を見ている最中だ。 
 こんな顔して必死に勉強してたのかな?など、雑誌のことどころか今いる場所さえもすっかり抜けてエリの横で気も間も抜けてだらけ切っている。
 会社では気が張っているので仕事が終わると、ものすごい睡魔が襲ってくるのだ。
 
 すでに、トロンと半分眠りかけた目をして気になる事を質問する
「エリ学生時代勉強すごくした?オレ、エリに勝ちたくてすごく頑張ったんだけどテストで勝った事一度も無かったな、勉強しなくても頭良かったの?どっち?」
 勉強熱心な顔を少しこちらに傾けたエリは、ドヤ顔+ニッコリで
「カズにだけは負けたくなくて、部屋の電気を消してキッチンでテスト勉強したりしてたの。あの作戦は効果あったんだね。カズも頑張ってた事気付いてたから少し楽しんでた」
 そうだったのかー 性格悪くねーか?
エリの笑顔を見ると、そのままいい気分で夢の世界に呑み込まれて行った、、、



「三日月」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く