三日月
(12)ラプソディー
            
久しぶりに鍵盤に触り、もっと弾きたくなって夕食までの間に数曲弾いた。
途中、両親からのリクエストも織り混ぜピアノの音色に酔いしれる。
最後の1曲に選んだのは、ジャズ。
ガーシュウィンのラプソディー・イン・ブルー
一曲13分もあり、なんといっても表現力が重要な為、最後まで弾くととても疲れる。
さっきの"名もなき詩"は5分の曲なので、長さだけでくらべても疲労度はかなりのものだ。
よし!やるか。
指が追いつかないことは目に見えていたが、最後に弾くことを決めていたので、指を温めてから感情をぶつけた。
初めてオーケストラでこの曲を聴いた時に衝撃を受け、ピアノの譜面を探しに東京中の楽譜屋さんを回った。
そして弾けるるようになるまでは、社会人になってからの時間をずいぶん使った気がする。
そんなこともあり、思い入れのある好きな曲なのだ。
ニューヨークのネオンやクラクション、あわたたしく行き交う人々、の音がピアノで表現され、路地裏の闇まで画像として浮かんでくるところがたまらないのだ。
メロディーとは違った、音が持つ、無限な表現力が飛び込んで来る素晴らしい音の配列だと思っている。
演奏しているオレは、夜の摩天楼に居た
夕食は、生姜焼きと、セロリのキンピラ
このメニューは、ご飯が進んじゃうんだ。
と、オヤジと2人おっさんが3杯もおかわりしてご飯を食べた。
オフクロは、満足そうで何度もご飯をよそうために往復する事を楽しんでいるようだった。
そうこうしているうちに、20:00が近づきエリとの約束があるので、急いでジャージに着替えた。
ポケットにスマホと1000円札。
水を飲んでトイレを済まし靴下を履いた。
それから5分前にエリにメールを入れる。
スマホを開くと、エリへの初メール画面は真っ白で少し緊張した。
メールをやり取りする友達なんて居ないことにも今更ながら再認識し気持ちが沈んだ。
<準備出来た>
メールを送ると、すぐ返信があった。
<私も>
靴を履くと、すぐ家から出た。
   心の中で、これがあの不機嫌ヅラのエリじゃなかったら嬉しいのに。と思ってしまい、
エリすまん。
異性でなく空気だ!と、呪文を唱えて反省した。
表へ出ると家の前にエリはもう居た。
高校のジャージを着て、長い髪はいつものように一つにまとめている。
エリのヤツ高校のジャージが入るとは、体型変わってないんだな。
オレなんて、絶対もう入らない。
そのジャージの胸の辺りだけは、キツそうでコスプレ感も否めない気もした。
早速二人は無言で歩き始めた。
正直言って無口なエリと二人っきりの無言の時間は苦痛な事だろう、何故声なんて掛けてしまったんだろう?と、軽く後悔をした。
しかし、しばらく歩いていると頭の中にいろんなことが浮かんで来て、最近頭の中で絡まっていた糸が解けていくようだ。
中でも大収穫だった名案は、神に返信してみようと思い付いたことだ。
そして次に気が付いた収穫はエリは、無言でも苦痛では無い。
エリは、オレに会話など期待してないし、オレもエリからの会話に期待などしていない。
これは、気楽で良いかもしれない、、
ずいぶん無言で歩いてから気まぐれにオレが最初に口を開く
「一人で歩くよりは少し安全なはずだ。何故ならオレの方が声が大きい。」
エリの顔が、得意のギョッとした
このギョッと顔、やると思った。
エリらしい表情で何度見ても面白れーな。
ギョッと顔は、目を見開き、口元は「えっ?」、表情は、驚き以外に、少しの軽蔑と哀れみ。更にそこに優と楽と言う文字が存在しないものだ。
この表情をされた者は、直ちに自信喪失してしまうだろう。
コイツ、スゲー 一撃を持ってんな。
受け付け嬢首になったの、コレのせいじゃねーのか?!笑えた。
「毎日8時にスタートするから、気が向いた時はウチ来いよ。」
そんな事を話しながら歩いていると、ちょうど美容室の前を歩いていてハサミを見かけた。
エリを待たせて月曜日の時間と必要なものにつて5分ほど打ち合わせをした。
それから再び歩き始めるとスマホが鳴る
神からだ
メッセージは帰ってから見る事にしよう。
それと、今日は返信をしてみるぞ。
スタートから1時間ほど歩いて解散した。
さて、と メッセージを開くと内容はこうだ。
「服を買いに行け」
短っ!えっと返信は
「会社用ですか?普段着ですか?」
と、送ると
「普段着だ!」と、即返信が届いた。
お返事くれるとは、ちょっと親切な神様だな
少しの親近感。。
久しぶりに鍵盤に触り、もっと弾きたくなって夕食までの間に数曲弾いた。
途中、両親からのリクエストも織り混ぜピアノの音色に酔いしれる。
最後の1曲に選んだのは、ジャズ。
ガーシュウィンのラプソディー・イン・ブルー
一曲13分もあり、なんといっても表現力が重要な為、最後まで弾くととても疲れる。
さっきの"名もなき詩"は5分の曲なので、長さだけでくらべても疲労度はかなりのものだ。
よし!やるか。
指が追いつかないことは目に見えていたが、最後に弾くことを決めていたので、指を温めてから感情をぶつけた。
初めてオーケストラでこの曲を聴いた時に衝撃を受け、ピアノの譜面を探しに東京中の楽譜屋さんを回った。
そして弾けるるようになるまでは、社会人になってからの時間をずいぶん使った気がする。
そんなこともあり、思い入れのある好きな曲なのだ。
ニューヨークのネオンやクラクション、あわたたしく行き交う人々、の音がピアノで表現され、路地裏の闇まで画像として浮かんでくるところがたまらないのだ。
メロディーとは違った、音が持つ、無限な表現力が飛び込んで来る素晴らしい音の配列だと思っている。
演奏しているオレは、夜の摩天楼に居た
夕食は、生姜焼きと、セロリのキンピラ
このメニューは、ご飯が進んじゃうんだ。
と、オヤジと2人おっさんが3杯もおかわりしてご飯を食べた。
オフクロは、満足そうで何度もご飯をよそうために往復する事を楽しんでいるようだった。
そうこうしているうちに、20:00が近づきエリとの約束があるので、急いでジャージに着替えた。
ポケットにスマホと1000円札。
水を飲んでトイレを済まし靴下を履いた。
それから5分前にエリにメールを入れる。
スマホを開くと、エリへの初メール画面は真っ白で少し緊張した。
メールをやり取りする友達なんて居ないことにも今更ながら再認識し気持ちが沈んだ。
<準備出来た>
メールを送ると、すぐ返信があった。
<私も>
靴を履くと、すぐ家から出た。
   心の中で、これがあの不機嫌ヅラのエリじゃなかったら嬉しいのに。と思ってしまい、
エリすまん。
異性でなく空気だ!と、呪文を唱えて反省した。
表へ出ると家の前にエリはもう居た。
高校のジャージを着て、長い髪はいつものように一つにまとめている。
エリのヤツ高校のジャージが入るとは、体型変わってないんだな。
オレなんて、絶対もう入らない。
そのジャージの胸の辺りだけは、キツそうでコスプレ感も否めない気もした。
早速二人は無言で歩き始めた。
正直言って無口なエリと二人っきりの無言の時間は苦痛な事だろう、何故声なんて掛けてしまったんだろう?と、軽く後悔をした。
しかし、しばらく歩いていると頭の中にいろんなことが浮かんで来て、最近頭の中で絡まっていた糸が解けていくようだ。
中でも大収穫だった名案は、神に返信してみようと思い付いたことだ。
そして次に気が付いた収穫はエリは、無言でも苦痛では無い。
エリは、オレに会話など期待してないし、オレもエリからの会話に期待などしていない。
これは、気楽で良いかもしれない、、
ずいぶん無言で歩いてから気まぐれにオレが最初に口を開く
「一人で歩くよりは少し安全なはずだ。何故ならオレの方が声が大きい。」
エリの顔が、得意のギョッとした
このギョッと顔、やると思った。
エリらしい表情で何度見ても面白れーな。
ギョッと顔は、目を見開き、口元は「えっ?」、表情は、驚き以外に、少しの軽蔑と哀れみ。更にそこに優と楽と言う文字が存在しないものだ。
この表情をされた者は、直ちに自信喪失してしまうだろう。
コイツ、スゲー 一撃を持ってんな。
受け付け嬢首になったの、コレのせいじゃねーのか?!笑えた。
「毎日8時にスタートするから、気が向いた時はウチ来いよ。」
そんな事を話しながら歩いていると、ちょうど美容室の前を歩いていてハサミを見かけた。
エリを待たせて月曜日の時間と必要なものにつて5分ほど打ち合わせをした。
それから再び歩き始めるとスマホが鳴る
神からだ
メッセージは帰ってから見る事にしよう。
それと、今日は返信をしてみるぞ。
スタートから1時間ほど歩いて解散した。
さて、と メッセージを開くと内容はこうだ。
「服を買いに行け」
短っ!えっと返信は
「会社用ですか?普段着ですか?」
と、送ると
「普段着だ!」と、即返信が届いた。
お返事くれるとは、ちょっと親切な神様だな
少しの親近感。。
「恋愛」の人気作品
書籍化作品
-
-
49989
-
-
353
-
-
516
-
-
238
-
-
34
-
-
23252
-
-
2
-
-
29
-
-
59
コメント