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三日月

ghame

⑼ハンバーグ

         
        5月23日土曜日

 朝起きて布団の中で今日の段取りを組み立てる。

①仕事の予習をする
②朝飯の時、両親を褒める。オヤジ1回オフクロ2回
③食後はエリの家に行って取引先や、商品について尋ねる
④エリと忍さんを2回づつ褒める
⑤エリのメアドを聞く
(これが、本日の重要事項だな。)

 少しパソコンの前にすわって、エリへの質問を整理し終わると1階へ降りる

 キッチンへ行き早速、"褒める"を開始する。

「母さん、今週は急なお願いだったのにスーツの準備や朝食をありがとう。いつも助かります。」
 あれ?これは褒めて無いか。感謝だよな。
褒めるは、ご飯美味しいとかか。

「昨日のハンバーグも美味しかった。母さんのハンバーグ、いつも美味しいよ。」
 これは、褒めるだよな。うん。

 オフクロは振り返り
「カズの母さんなんだから、お手伝いするのはあたりまえよ。それに、カズは昔からハンバーグ大好きじゃない。だから母さんいつもカズのは大きく作ってるのよ。」
 
 なんだか目、潤んでない?
ハンバーグ、大きく作ってくれてたんだ。
 なんか、嬉しいこと聞いちゃったな。
「それは初耳。食べ応え大満足だよ。母さん、ありがと。」
 あっ。やっぱり泣いた。

 オフクロは泣き笑いしながら続ける。
「今度からはもっと大きくしてあげる、父さんの小さくして。」
 オレは吹き出して笑った。

 2人が笑っている所に、オヤジが来た。
「ハンバーグ小さくしないで!」
 それを聞いて今度は3人で笑い、胸の辺りから身体がポカポカして来た。

 休みの朝は、朝が遅いから食事の用意が出来てない。と、久しぶりに3人で外食をすることになった。

 食べたいものを聞かれたので、なか卯の朝定をリクエストした。
 子供の頃、大好きでよく3人で行ったたことを思い出したからだ。

 家を出て3人で歩き出すと、40歳の息子連れで朝食を食べに行くこの家族が愉快に思えて来た。

 小さい頃は、両手で両親と手をつないでいたが、今やると変な家族だ。
 いろんなことが、どうでも良くて、今幸せであることだけを確信し、手だって繋げそうな、そんな気にさえなって来る。

 2人にも何かを伝えたかったが言葉がみつからないので諦めた。

 だが驚いた事に口が勝手に開いて、考えなしに言葉を並べはじめた
「父さん、オレ。ニートになって良かった気がする。あのままの人生を送っていたら、気が付かなかった大切な事がたくさんあるんだな。って。」
(あれ?!オヤジに何ハズいことを言っちゃってるんだろ?)

 空を見ながら、静かにオヤジも答えてくれる。
「父さんも、今同じことを考えていたんだ。俺たち家族は幸せ物だな。母さんに感謝だ。」
 3年も引きこもっていたオレに対して いろんな思いがあるだろうに。。。

   幸せかぁ〜
 オヤジ、結構カッコ良いじゃん

 オレの少し後ろを歩くオフクロも会話に参加する
「まあ嬉しいわ。お父さんのハンバーグも大きくしてあげなきゃね。」

 3人で今日は、また笑った。

 朝食を終えた後、池袋で商談があるとオヤジは駅へと向かう。
 オフクロは、ついでだから夕食のお買い物を済ませておくと言いスーパーへ行った。
 オレは、海里の家に行く予定だったので先に戻る事にして、それぞれ別れた



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