異世界に喚ばれたので、異世界で住みます。
82.兄妹至上主義+心配事=殺る気
「いや、落ち着こう。落ち着いてくれ」
シヴァ様が慌てたように私とお兄ちゃんの間に入った。不穏な気配を感じたのだろうか。そんなに、落ち着けと言われるほど、まだ荒ぶっていない。私は大丈夫ですとそれを往なした。
「よーし、やるか」
「待て!やるな、やらないでくれ!!」
「どうしたのお兄ちゃん。珍しく殺る気満々じゃん」
「気に食わねぇんだよ」
「止めてくれ、仕事を増やさないでくれ…!!」
分かるだろ?と言われても、残念ながら分からない。かなりの手間を要する面倒くさい事に、自分から首を突っ込むのは嫌なのだ。お兄ちゃんだって、面倒くさいって思ったからとりあえず帰って来た筈なのに。
シヴァ様が静かに頭を振った。お兄ちゃんが聞いてないのが分かったからだと思う。
「後々大事になるような面倒くさいことは、今から刈り取っておきたい」
「心配しなくたって、魔王か魔族に首チョンパされるわ」
「もし魔王討伐が成功したら?いや、それ以前にも精霊の愛し子だと大きな顔をするぞ?」
「魔王を殺せるぐらいの戦力なんざ、この世界に存在しないわよ。創造神キャナリアだって、魔王を二つに分かつのが精一杯だったんでしょう?」
「勇者(笑)として喚ばれているのに、何もないと思うのか?」
「勇者(笑)として喚んだとしても、勇者という称号は後付けにしか過ぎないわよ。植物女が精霊の愛し子の色を持っていたとしても、愛し子が3人も4人もいて堪るか」
シエルとセリカは2人で1人という数え方だ。だから、その辺は問題ないとルシエラ様が言っていた。聖女がそう言うのだ、間違いはないと思っている。
「ロベルト、ジェラールとマリベルに帰って来たことを伝えてきてくれ」
「分かりました。陛下は何を?」
「コイツ等の話を聞くと頭が痛い。仕事をして、聞かないことにする」
「それが宜しいかと思います」
なんだかんだ言いながら、シヴァ様とロベルト様の間でも話がまとまったらしく、ロベルト様はにこやかに笑って部屋から出ていった。
「珍しく殺る気があると思ったら、心配事ばかり抱えてたからそーゆー思考回路になったのね」
「シエルとセリカの穏やかな日々が壊されるかもしれないんだぞ?」
「この国がある限り大丈夫よ。双帝と聖女が居るこの国ならね。それよりも私たちがしなきゃいけないのは、白帝を目覚めさせることとドラゴンたちを解放すること」
「…ドラゴンを解放?」
「そう。ドラゴンたちも異常を抱えてるの。異様に疲れている子や痣がある子とか」
「…それ、リリーシャは?」
「リリーシャ嬢は見てない。お兄ちゃんの行方を聞くために登城したけど、すぐに家に帰ったみたい」
私がそう言うと、お兄ちゃんは今までの殺る気を放り出したのかクルリと身を翻した。リリーシャさんの所に行くんだろう。
「また昼頃に」
「分かった」
お昼頃か。それまでに色々と片付けておくかなあ。あ、ジエロの確認もしておかなければ。確か、隣国の近くで潜んでいた気がするし。
シヴァ様が慌てたように私とお兄ちゃんの間に入った。不穏な気配を感じたのだろうか。そんなに、落ち着けと言われるほど、まだ荒ぶっていない。私は大丈夫ですとそれを往なした。
「よーし、やるか」
「待て!やるな、やらないでくれ!!」
「どうしたのお兄ちゃん。珍しく殺る気満々じゃん」
「気に食わねぇんだよ」
「止めてくれ、仕事を増やさないでくれ…!!」
分かるだろ?と言われても、残念ながら分からない。かなりの手間を要する面倒くさい事に、自分から首を突っ込むのは嫌なのだ。お兄ちゃんだって、面倒くさいって思ったからとりあえず帰って来た筈なのに。
シヴァ様が静かに頭を振った。お兄ちゃんが聞いてないのが分かったからだと思う。
「後々大事になるような面倒くさいことは、今から刈り取っておきたい」
「心配しなくたって、魔王か魔族に首チョンパされるわ」
「もし魔王討伐が成功したら?いや、それ以前にも精霊の愛し子だと大きな顔をするぞ?」
「魔王を殺せるぐらいの戦力なんざ、この世界に存在しないわよ。創造神キャナリアだって、魔王を二つに分かつのが精一杯だったんでしょう?」
「勇者(笑)として喚ばれているのに、何もないと思うのか?」
「勇者(笑)として喚んだとしても、勇者という称号は後付けにしか過ぎないわよ。植物女が精霊の愛し子の色を持っていたとしても、愛し子が3人も4人もいて堪るか」
シエルとセリカは2人で1人という数え方だ。だから、その辺は問題ないとルシエラ様が言っていた。聖女がそう言うのだ、間違いはないと思っている。
「ロベルト、ジェラールとマリベルに帰って来たことを伝えてきてくれ」
「分かりました。陛下は何を?」
「コイツ等の話を聞くと頭が痛い。仕事をして、聞かないことにする」
「それが宜しいかと思います」
なんだかんだ言いながら、シヴァ様とロベルト様の間でも話がまとまったらしく、ロベルト様はにこやかに笑って部屋から出ていった。
「珍しく殺る気があると思ったら、心配事ばかり抱えてたからそーゆー思考回路になったのね」
「シエルとセリカの穏やかな日々が壊されるかもしれないんだぞ?」
「この国がある限り大丈夫よ。双帝と聖女が居るこの国ならね。それよりも私たちがしなきゃいけないのは、白帝を目覚めさせることとドラゴンたちを解放すること」
「…ドラゴンを解放?」
「そう。ドラゴンたちも異常を抱えてるの。異様に疲れている子や痣がある子とか」
「…それ、リリーシャは?」
「リリーシャ嬢は見てない。お兄ちゃんの行方を聞くために登城したけど、すぐに家に帰ったみたい」
私がそう言うと、お兄ちゃんは今までの殺る気を放り出したのかクルリと身を翻した。リリーシャさんの所に行くんだろう。
「また昼頃に」
「分かった」
お昼頃か。それまでに色々と片付けておくかなあ。あ、ジエロの確認もしておかなければ。確か、隣国の近くで潜んでいた気がするし。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
768
-
-
59
-
-
516
-
-
127
-
-
4503
-
-
159
-
-
52
-
-
59
-
-
1
コメント