ルーチェ

千絢

43.「そろそろ平凡顔が恋しいわ、瀬戸君」









ヴァッザー神聖国の別名は水の国。水資源が豊富な国で、現教皇が管理しているとかしてないとか。










そんな国の頂点に居るのが教皇派。それに抗おうと水面下で動いているのが王家派。王家派は、内争の前にヴァッザー国に立っていた王家の人間たちだ。我が両親が、花よ蝶よと大事に育てている北の国の王子の血筋でもある。








元々、教皇も王家の一員だったんだけどなぁ。先代国王とはソリが合わずに謀反。女神だとかいうアクアディゲンを崇めている馬鹿な男だ。何故、自分の兄妹や姪を殺してまでこの国の上に立ちたかったのだろうか?そこまでの利益になる何かがあったのか?












否。もう一度言うが、女神アクアディゲンを崇めている男だ。










愚かな女に唆されたんだろう。












愚かに女に唆されたのは、教皇をはじめとする大臣クラスの人間たち。それから上流貴族と中流貴族。そして、三流貴族だと罵り続けてきた裏切り者ジューダス家。










金に物を言わせているという部分もあった。教皇派、ちょっと面倒くさいメンツが揃っているが説き伏せる時間も無駄だから、一直線で処刑コース。










王家派の頂点に立っているのは、なんと幸いにも亡き王女に仕えていた騎士団長だったという驚き。ありがたいよね。この騎士団長に敵う騎士もそうそう居ないらしいし。










騎士団は王家派。ちらほらと教皇派が居たんだけど、どうも騎士団長の手で排除排斥されたそうだ。








王家派は一般国民たちと下流貴族。そして隠されて来た王族の血を引く人たち。驚くべきことに港をウロウロしていた名のある海賊たちも、この王家派だった。










教皇の所為で、海での自由が利かなくなったということもあるだろうし、なんでもその名のある海賊が王家の人に恋をしたとかで、全力を尽くしたいとかどうとか。










「ルチア、ラルファが来たぞよ」








「あ、うん分かった」










というのが、到着して直ぐに分かったことだ。騎士団長率いる騎士団には挨拶が出来てないんだけど、名のある海賊ことラルファには偶然にも挨拶が出来ている。








「お嬢ちゃん」






「いらっしゃい」








「ほんとうに今日、決着がつくのかよ?」








「誰に物を言ってるか分かってる?エノクの怪物が言ってるのよ?」








「だけどなァー。なんか、信じきれねーっつうか」








「まぁ、分からなくもないんだけど。私は教皇派しか殺さないし、次第に北の国の王子も到着するし」








「北の国の王子が、この国の血筋ってことが信じれん」












ラルファは銀髪碧眼で隻眼で、左目を眼帯で隠してるんだけど、それすらも色気っつうか。イケメン。ただの美形。ガッチリしたガタイも凄い色気。ラルファ率いる海賊の仲間たちもキャラが濃いけど、どいつもこいつもイケメンでムカつく。








何、主要人物はイケメンじゃないとやっていけないの?








「私もそれは信じれないんだけど、エノクの怪物が世話役だし?誰が国王としてこの国を建て直すは、後の話として置いといて、私たちが目前にするのは教皇を落とすだけ」










「お前、何しに来たんだよほんと」










「教皇派の一掃。エノクってさぁジューダス家とかに滅ぼされちゃったんだけど、どうもその後ろに教皇が居て。力欲しさに滅ぼされちゃ、こちらとしてはねぇ?」










「お前がエノクの民っつうのは分かるけど、かつて大国を一夜にして落したセイレーンにゃ見えねぇんだよな」










「事実、私がセイレーンなんだから。で、ラルファの方はどうなの?」








「準備は出来た。民の非難も出来たし、他の王家派にも伝達は流してある」










私が、ヴァッザーに着いた時にまずしたことは教皇派を落とそうとする団体を見付けることからだった。その時に、たまたま見つけたのが海賊と隠され続けてきた王族たち。










色々と掻い摘んで話を進めて、見えたのが王家派の存在。私が来なくても、教皇派は落ちたんじゃないかって思ったんだけど、ジューダス家も居たことだから参加させて貰うことにしたのだ。








ジューダス家だけでも私の手で滅ぼすのだ。あとは、ついでだ。ついで。オマケで良い。ついでで教皇も殺る予定だけど。







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