ルーチェ

千絢

03.「魔術とか使いたかったな」

別にそんなモン要るか!!と怒鳴り散らしたくなりますけど、エノクでは無能力者ことが一番の異端なので、えぇ、エノクでやって行くに当たってはとっても必要なモノでした。










この時の私の複雑な心境が分かりますか?ムンクの叫びを実現させましたよ。そもそも、このよく分からない世界には魔術があります。精霊が居ます、魔物も居ます。












わっけ分からないでしょう?












私、20年も生きてきましたが未だに分からないです。何、何分類?知るかよ。まぁそれは兎も角、天敵の魔物が存在するので夜な夜な、魔物退治に出掛けてたりしてました。










乙女(笑)としてはとても辛かったですね。








何がって、深夜の仕事はお肌に悪いんですから。








そして、此処でもエノクの海より深く、山より高いお国事情が関わって来るんですよ。私たち、エノクの民は魔術が一切使うことが出来ません!








嘘だろ!?魔術が使える方が良かった!!なんて思った幼少期もありました。








ですが、何でもエノクの民というのは魔力が他国の人よりも濃すぎる割には、ごく僅かの量しか保持していないのです。










  濃  縮  少  量  。










ソレに加えて、魔力を魔術に転嫁するすべを持たないのでした。それじゃあ、魔力を持っていても意味がないよね。








エノクの民の血が濃いという決定的な欠陥です。血が濃すぎるとそうなるんですよ。まぁ、能力あるから良いか!というエノクの民の自論があるので、魔力はあってないようなものです。










基本的にエノクの民は能天気で大らかなのです。非常におっとりしているけど、絆(血)が驚くほど強いという国民性があります。だから、長きに渡って小国でありながらも生きて来れたんでしょう。










異国の血を受け入れることが出来たら、きっと滅ばずに済んだんでしょうが、このエノクの血を他に流したくないのは私だって同じことです。








しかし、それはもう終わり。










エノクの小国は滅びたのです。










「…アマルティア様、彩帝国に入りましたよ」










ウンタラカンタラと語っている間に、彩帝国に入ることが出来ました。まだ日が昇ったばかりなので、ゆっくり時間を潰してから城に入りたいと思います。








ただ、無事では入れなさそうですが。だって、国王ったら王家の印が入ったモノを持たせてくれてないんだから!変な所で抜けている人だから、何かしらのアクシデントは発生するだろうなとは思ってたんだ…。








あの人、最期の最期でやらかしてくれちゃったよ。










今は外套で隠している髪と瞳を見せれば、通してくれるかなぁ。彩帝国に、知り合いがいないっていうわけでもないけど、その人も城の中に居るんだよね…。タイミング悪いわー。













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