犬神の花嫁
03
上品な口調の少女は、飯綱蝶子ちゃん。仲良くなった。女の子にはタマちゃん呼びをお願いする私は、今回も例に漏れずお願いした。
お蝶ちゃんは、私の1歳年上。この棟のクラス分けの基準おかしくね?妖が基準だってよ。実力でクラス分けをされるらしく、上からSクラス、Aクラス、Bクラス、Cクラスとあるらしい。学年はごちゃ混ぜ。実力が全てだそう。
「ご存じなかったの?」
「その辺はね」
妖とか花嫁制度とか、そんなことは知ってたんだけどクラス分けの基準とかは知らなかった。興味がなかったし。一般生徒で卒業出来ると信じてやまなかった。バカじゃん私。とりあえず死んで、思考回路をリセットしろ。そんなこと、元よりありえないのだ 。あの終宵さんが、私を一般生徒で卒業させる気なんてあるはずもない。
「でも、タマちゃんはこの世界をご存じなんですよね?」
「うん。保護者が此処の卒業生だし、私自身も昔は巫女してたから、そろそろ本業に馴染めって言うかなんていうか」
「保護者さんが?妖ですか?」
「…いや、神様」
「「んっ?!」」
「私、その人の仮の巫女してて。奥さんが大本の巫女なんだけど、なんて言えば良いんだろう…。助けられて、そのままなし崩し?」
海神終宵だとは言わないけど、言ったら友達出来ない気もするんだよな。あぁ、でも水に関係する妖たちは、私を見て目を見開いてるから、遅かれ早かれバレるだろう。外面は姫巫女ラブで通ってるからさ、知ってる妖は知ってるんだよ、多分。
「此処にまだ神様が居た時だから、知ってる人は知ってると思う。いや、知らない方が精神衛生上には都合が良いんだけどさ」
「…聞かなかったことにしときますわね」
「うん、お願いします」
「タマちゃんの保護者が神様でも、タマちゃんはタマちゃん。ひよの大好きなタマちゃんだよ」
「…日和!!」
「ーー日和、浮気はダメや言ったやろ。特にタマなんか」
「あぁん?表でろや、鬼っころ」
「嵬くん、ひよの大好きなタマちゃん虐めたら、めっだよ」
「でもな日和、」
「嵬くん、めっ」
ああああああ可愛い可愛い可愛い可愛い。可愛いがゲシュタルト崩壊。日和まじ天使!!!!天使は存在する!!!!知ってたけど!!!!
「……タマちゃん」
「そりゃねーよ、一宮さぁん……」
「クールな一宮さんが…」
「一宮さん、そんな方だったんですね…」
日和の可愛さに身悶える私を、お蝶ちゃんは冷たい目で見ていた。一宮もまた日和の『めっ』にやられ、身悶えていたところを冷めた目で見られていたのだった。
「ーーー何の騒ぎ?」
キャーキャーギャーギャーが一瞬にして静まり返った。音もなく訪れた静寂と威圧感。威圧感に空気が重たくなる。誰かが、ごくりと息を飲むのが聞こえた。
お蝶ちゃんは、私の1歳年上。この棟のクラス分けの基準おかしくね?妖が基準だってよ。実力でクラス分けをされるらしく、上からSクラス、Aクラス、Bクラス、Cクラスとあるらしい。学年はごちゃ混ぜ。実力が全てだそう。
「ご存じなかったの?」
「その辺はね」
妖とか花嫁制度とか、そんなことは知ってたんだけどクラス分けの基準とかは知らなかった。興味がなかったし。一般生徒で卒業出来ると信じてやまなかった。バカじゃん私。とりあえず死んで、思考回路をリセットしろ。そんなこと、元よりありえないのだ 。あの終宵さんが、私を一般生徒で卒業させる気なんてあるはずもない。
「でも、タマちゃんはこの世界をご存じなんですよね?」
「うん。保護者が此処の卒業生だし、私自身も昔は巫女してたから、そろそろ本業に馴染めって言うかなんていうか」
「保護者さんが?妖ですか?」
「…いや、神様」
「「んっ?!」」
「私、その人の仮の巫女してて。奥さんが大本の巫女なんだけど、なんて言えば良いんだろう…。助けられて、そのままなし崩し?」
海神終宵だとは言わないけど、言ったら友達出来ない気もするんだよな。あぁ、でも水に関係する妖たちは、私を見て目を見開いてるから、遅かれ早かれバレるだろう。外面は姫巫女ラブで通ってるからさ、知ってる妖は知ってるんだよ、多分。
「此処にまだ神様が居た時だから、知ってる人は知ってると思う。いや、知らない方が精神衛生上には都合が良いんだけどさ」
「…聞かなかったことにしときますわね」
「うん、お願いします」
「タマちゃんの保護者が神様でも、タマちゃんはタマちゃん。ひよの大好きなタマちゃんだよ」
「…日和!!」
「ーー日和、浮気はダメや言ったやろ。特にタマなんか」
「あぁん?表でろや、鬼っころ」
「嵬くん、ひよの大好きなタマちゃん虐めたら、めっだよ」
「でもな日和、」
「嵬くん、めっ」
ああああああ可愛い可愛い可愛い可愛い。可愛いがゲシュタルト崩壊。日和まじ天使!!!!天使は存在する!!!!知ってたけど!!!!
「……タマちゃん」
「そりゃねーよ、一宮さぁん……」
「クールな一宮さんが…」
「一宮さん、そんな方だったんですね…」
日和の可愛さに身悶える私を、お蝶ちゃんは冷たい目で見ていた。一宮もまた日和の『めっ』にやられ、身悶えていたところを冷めた目で見られていたのだった。
「ーーー何の騒ぎ?」
キャーキャーギャーギャーが一瞬にして静まり返った。音もなく訪れた静寂と威圧感。威圧感に空気が重たくなる。誰かが、ごくりと息を飲むのが聞こえた。
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