Pessimist in love ~ありふれた恋でいいから~
一緒にいる理由 (2)
こういうことも言ってみたかったんだろうか?
ラブラブで激甘なカップルに憧れてるとか?
だから私にも甘いことばかり言うのかな。
そんなことを考えていると、恵介が真面目な顔をして私の手を握り、ベッドに押し倒した。
射貫くような眼差しに捕らわれて、戸惑っているのに目をそらせない。
「それと……幸が欲しい」
「……え?」
それってつまり……そういうこと……?
もう酔いはかなり醒めた。
この前は何も考えずに酔った勢いでしてしまったけど、恵介は私がその気になるまで気長に待つとか、無理をさせる気はないとか言わなかったっけ?
緊張でひきつっているであろう私の顔を見て、恵介が堪えきれず笑いだした。
「なんてな、冗談だよ。そういうことも言ってみたかったんだ」
なんだ……冗談か……。
あんな真剣な顔でそんなこと言うから、てっきり本気なのかと思っちゃったじゃないか!
かなりの役者だ。
恵介は私を抱き起こして、ポンポンと優しく頭を叩いた。
「ビックリさせないでよ……」
「ごめんって。さて、明日も仕事だし、もう遅いからそろそろ帰るよ。明日、会社の場所の地図とか会社出る時間とか送る」
「わかった」
恵介は立ち上がって私の手を引いたまま玄関に向かい、靴を履いてクルリと振り返った。
「そうだ。化粧品、良かったら使って。今日してもらったメイクに使ったのと同じものと、メイクの仕方が載ってる冊子も入ってるから」
あんな高級な化粧品のお礼が、お迎えとかスーパーで一緒に買い物して夕飯を作るだけなんて、やっぱりどう考えても釣り合わない。
「高いのに……ホントにいいの?」
「いいんだ、あの化粧品で幸がこんなに綺麗になるんだから、安いもんだよ」
すごいプレッシャーだ。
自分で化粧しても、店長がしてくれたのと同じようにはならない気がする。
「恵介だって、連れて歩くならやっぱり少しでも美人の方がいいってことだよね。これからは頑張って化粧するよ」
「そうじゃなくて、幸が少しでも自分に自信が持てるといいなぁって、そう思っただけ。俺はそのままの幸で全然いいんだけど」
「うぅ……またそんなこと言って……」
そのままの幸でいいなんて、生まれて初めて言われたよ!
そんなことを言われたら、冗談だとわかっていても嬉しい。
嬉しいのと照れくさいのがいっぺんに押し寄せて、一気に顔が熱くなった。
せっかく醒めてきた酔いが、また回ってしまいそうだ。
「幸、顔真っ赤。また照れてる?」
「そんなこと言われたら、誰だって照れると思う……」
「そうか?じゃあこれからどんどん言おう」
恵介は楽しそうに笑いながら私を抱きしめた。
その温もりが心地よくて、思わず恵介の胸に頬をすり寄せた。
私、やっぱりまだ酔ってるのかな?
なんだか……もう少し一緒にいたい気分……。
「ん……?嬉しいな、珍しく甘えてくれるんだ。幸からおやすみのキスしてくれるともっと嬉しいんだけど」
おやすみのキスって……!!
しかも私から?!
そんなのしたことないよ!!
また更に顔が熱くなる。
「は……恥ずかしいです……」
うつむいて答えると、恵介は顔を近付けてニヤッと笑った。
「恥ずかしい?じゃあ、俺とキスするのがイヤってわけじゃないんだ」
「う……」
もう……なんでこんな恥ずかしいことばっかり言うかな。
イヤじゃないから余計に困ってるのに……。
「幸、キスして?」
キスって……どうするんだっけ?
私からする時は目を閉じなくていいの?
でもやっぱり目を開けたままはおかしいような気もするし、余計に恥ずかしいよね?
「やっぱり俺とキスするのはイヤ?」
うつむいたまま小さく首を横に振ると、恵介は少し笑って、そっと唇を重ねた。
優しく唇を押し当てるだけの少し長いキスに、胸が甘い音をたてた。
「月曜日、楽しみにしてる」
「うん……」
「じゃあ、また明日。おやすみ」
「おやすみ……」
ラブラブで激甘なカップルに憧れてるとか?
だから私にも甘いことばかり言うのかな。
そんなことを考えていると、恵介が真面目な顔をして私の手を握り、ベッドに押し倒した。
射貫くような眼差しに捕らわれて、戸惑っているのに目をそらせない。
「それと……幸が欲しい」
「……え?」
それってつまり……そういうこと……?
もう酔いはかなり醒めた。
この前は何も考えずに酔った勢いでしてしまったけど、恵介は私がその気になるまで気長に待つとか、無理をさせる気はないとか言わなかったっけ?
緊張でひきつっているであろう私の顔を見て、恵介が堪えきれず笑いだした。
「なんてな、冗談だよ。そういうことも言ってみたかったんだ」
なんだ……冗談か……。
あんな真剣な顔でそんなこと言うから、てっきり本気なのかと思っちゃったじゃないか!
かなりの役者だ。
恵介は私を抱き起こして、ポンポンと優しく頭を叩いた。
「ビックリさせないでよ……」
「ごめんって。さて、明日も仕事だし、もう遅いからそろそろ帰るよ。明日、会社の場所の地図とか会社出る時間とか送る」
「わかった」
恵介は立ち上がって私の手を引いたまま玄関に向かい、靴を履いてクルリと振り返った。
「そうだ。化粧品、良かったら使って。今日してもらったメイクに使ったのと同じものと、メイクの仕方が載ってる冊子も入ってるから」
あんな高級な化粧品のお礼が、お迎えとかスーパーで一緒に買い物して夕飯を作るだけなんて、やっぱりどう考えても釣り合わない。
「高いのに……ホントにいいの?」
「いいんだ、あの化粧品で幸がこんなに綺麗になるんだから、安いもんだよ」
すごいプレッシャーだ。
自分で化粧しても、店長がしてくれたのと同じようにはならない気がする。
「恵介だって、連れて歩くならやっぱり少しでも美人の方がいいってことだよね。これからは頑張って化粧するよ」
「そうじゃなくて、幸が少しでも自分に自信が持てるといいなぁって、そう思っただけ。俺はそのままの幸で全然いいんだけど」
「うぅ……またそんなこと言って……」
そのままの幸でいいなんて、生まれて初めて言われたよ!
そんなことを言われたら、冗談だとわかっていても嬉しい。
嬉しいのと照れくさいのがいっぺんに押し寄せて、一気に顔が熱くなった。
せっかく醒めてきた酔いが、また回ってしまいそうだ。
「幸、顔真っ赤。また照れてる?」
「そんなこと言われたら、誰だって照れると思う……」
「そうか?じゃあこれからどんどん言おう」
恵介は楽しそうに笑いながら私を抱きしめた。
その温もりが心地よくて、思わず恵介の胸に頬をすり寄せた。
私、やっぱりまだ酔ってるのかな?
なんだか……もう少し一緒にいたい気分……。
「ん……?嬉しいな、珍しく甘えてくれるんだ。幸からおやすみのキスしてくれるともっと嬉しいんだけど」
おやすみのキスって……!!
しかも私から?!
そんなのしたことないよ!!
また更に顔が熱くなる。
「は……恥ずかしいです……」
うつむいて答えると、恵介は顔を近付けてニヤッと笑った。
「恥ずかしい?じゃあ、俺とキスするのがイヤってわけじゃないんだ」
「う……」
もう……なんでこんな恥ずかしいことばっかり言うかな。
イヤじゃないから余計に困ってるのに……。
「幸、キスして?」
キスって……どうするんだっけ?
私からする時は目を閉じなくていいの?
でもやっぱり目を開けたままはおかしいような気もするし、余計に恥ずかしいよね?
「やっぱり俺とキスするのはイヤ?」
うつむいたまま小さく首を横に振ると、恵介は少し笑って、そっと唇を重ねた。
優しく唇を押し当てるだけの少し長いキスに、胸が甘い音をたてた。
「月曜日、楽しみにしてる」
「うん……」
「じゃあ、また明日。おやすみ」
「おやすみ……」
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