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ただいま冷徹上司を調・教・中・!

伊吹美香

恋っていったいなんなんだ?(1)

『努力は必ず報われる』

『信じる者は救われる』

優しい両親から愛され育ってきた私、久瀬千尋(クゼチヒロ)28歳は、今までの人生この2つの言葉を支えにしてやってきた。

その結果、本当にその通りだと思える人生を送ってきている。

しかしそれは何らかの基準があることのみの結果であり、恋愛など人間の気持ちが関わることとなれば話は別だ。

「どいつもこいつも嘘ばっかり……」

努力や相手を信頼する気持ちだけではどうにもならないと悟ったのは、いったいいつ頃からだろう。

どんなに自分を磨いても、それ以上に魅力的な女性には呆気なく完敗する。

どんなに男を信用して尽くしても、彼らは平気で浮気する。

だからちゃんと相手を見極め、恋愛に対して盲目にならないように冷静に判断し、都合のいい女にだけはならないように気を付けた。

信じ過ぎることはよくないと学び、尽くし過ぎないように気を付けた。

落ち着いて幸せな恋愛をしようと毎回思っているのにもかかわらず。

「恋愛なんてクソくらえだ。バカヤロウ……」

恋が終わるたび、毎回必ずこの言葉を何度も繰り返していた。

人生の選択ができるように頑張って勉強し、良い高校に入ってさらに勉強し、有名大学に入って良いところに就職した。

だからといって勉強ばかりしていたわけではなく、それなりに恋愛経験もしてきたつもりだ。

けれどどういうわけか私の友人に言わせると、いつもろくでもない男にばかり引っかかっているらしい。

そんなつもりはないのだが、異性に積極的になれない私は常に受け身で、相手の言われるままに行動してしまう。

結果としてそれが都合のいい女と認識され、男は私をいいように利用するというわけらしい。

そう分析されてしまっても、どう行動していいかもわからない私は相変わらずで。

今回もまた、男に裏切られてしまった。

「仕事……行きたくないなぁ」

重い足を引きずりながら、私は一歩ずつ会社へと歩を進めていく。

社内恋愛をしていた私にとって、彼の裏切りは身を切られるほどに辛い体験といえるだろう。

しかも今回はいつもよりもダメージは大きい。

なにせ裏切るきっかけを作った相手というのは……。

会社の同期の女性社員で。とても親しくしていて、友人だと思っていた人だったのだ。

私と彼が付き合っているのを知っていたくせに、あろうことか私から彼を寝取ったのだ……。

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