オレがサッカー部のマネジメントをしたら?

ユーチャロー

オレがサッカー部のマネジメントをしたら?

プロローグ

相澤純平22歳。体育大学出身で2歳から20歳まで18年間サッカーを経験。ポジションはOMF(オフェンスミッドフィルダー)。
中学時代で全国大会ベスト4。高校時代は強豪校に入学し1年から1軍のスタメン入りを果たし全国大会ベスト8まで進んだ。大学に進学してからはサッカー部に所属するも20歳の時に思わぬ事故でサッカー部を退部。そこからは、スポーツ医学やスポーツマネジメントの勉強をしサッカーライセンスB級にスポーツトレーナーの資格を取得。某飲料水メーカーに就職し近い内に社会人サッカーチームのコーチに勤めようと考えていた。しかし…妹の歩美の一言により彼の人生が変わる。 
 
相澤歩美18歳。ポジションはSMF(サイドハーフ)。兄と同じ体育大学に進学する。兄の影響で小学生サッカーチームに所属し男子達と混えてサッカーを始める。中学時代はプロ女子サッカーチームのユースに入団し、高校3年生まで所属していた。しかし…プロ女子サッカーチームの育成選手として重宝されてきたが、身体が小さいことや技術が足りないというから上層部からユースチームを退団するよう命じられた。この出来事によりサッカーから離れようと思った時期があったが…好きだったサッカーを再び始めようと決意。そして、プロリーグに入る野望が再び芽生え始めた。
それは自分が1からサッカーチームを作りプロリーグに加盟すれば良いと考えたのである。そこで、彼女は仕事帰りの兄に尋ねた。
 
「ねぇ…。兄ちゃん。真面目な話があるんだけど。」 
 
「なんだよ?」 
 
「私…この大学でサッカーチームを作りたい。」 
 
「はぁ…?お前…大学に入ったらエンジョイするって言ってたじゃん。サッカーはもう懲り懲りだしやりたくないって言ってたやんけ?」 
 
「あの時は自暴自棄になってたからそう言っただけだよ。この間のU-18女子日本代表が世界大会で優勝したニュースを観て私はまたサッカーを始めたいと思ったの。」
 
「ふーん。そこにお前がユースに所属してた選手達が世界で活躍しているからか?」 
 
「違う。そんなんじゃない。単純に、私の中の闘志が燃える感覚が蘇ったのよ!やっぱり私がサッカーが好き!だから…また始めたいの!」
 
「お前の言いたい気持ちはわかる。しかし…選手で食べていくというのはどれぐらい厳しいかはわかっているよな?」 
 
「わかっているよ!!でも…私は諦めたくたい!!お兄ちゃんも本当は選手としてキャリアを過ごしたくなかったの?」 
 
「……。歩美。それ以上言うな。」
 
「お兄ちゃんこそ…逃げてるんじゃないの!?選手生命が尽きたと言って…諦めているのは!!」 
 
「歩美。次…同じ事を言ったらオレはキレるぞ。オレは…これで良いと思ってる。オレの選手生命が尽きたのなら…逆に選手をサポート出来るような立場になりたい。そして…選手達が思う存分サッカーが出来る環境を作ることが大事だと感じたからライセンスをとりトレーナーの資格を取った。オレはあえて社会人チームがある企業に就いて、そこでコーチをするのがオレの次なるステップなんだ。」 
 
「だったら!尚更…私の大学で女子サッカー部を設立してチャレンジリーグに出場したい!ライセンスを持ってるなら…監督もできるでしょ!?兄ちゃんの夢を私に預けてくれないかな?兄ちゃんは……。」
 
 
「歩美。それ以上言ったらオレはキレると言ったぞ。この話はなしだ。オレはここで頑張ると決めた。だから…お前の野望や夢に付き合っているヒマはない。オレはもう社会人だ。お前みたいな夢を追ってる学生とは違う。お前らが思い描いている夢と正反対な現実がある。それは…きっとお前もいつかは気付くだろう。今はそうやって夢を抱いていればいい。まっ…それはすぐわかると思うよ。」 
 
翔平は自分の部屋に戻っていった。
 
(私は……自分にウソをつきたくない…。兄ちゃんは…きっと…あの出来事があったから本当にやりたかったことを諦めているかもしれない。しかし…今の兄ちゃんの言葉を聞いて思った。兄ちゃんはサッカーが大好きだという気持ち。その気持ちを発揮出来るのは今だと私は確信した!だから…私は兄ちゃんを説得して…私が1から作るチームを作る!!) 
 
続く…。

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