最強のカップルはただ単に楽しみたい ~最強(トール)と天魔(パートナー)の学園無双~
第二章 ~入学直後~ 8 最強の威
「……うん。ここが総合会場ってとこで間違いないみたいだな」
ドアを轟音を立てさせながら叩き開けてその建物の中に入った相馬は、周りの人目などは全く気にせずに、一人そう呟いた。
「しっかし、こんなに広いとはな……人数的に、仕方が無いんだろうが」
学園の新入生の人数は、一年あたり一万人である。そして学園は五年で卒業であるため、全生徒の人数は約五万人であった。
五万人を一度に収容出来るほどの建物。大きくなるのも当然である。
因みに一クラス当たりの人数は百人で、百クラス。相馬とノイの十三クラスというのは、番号的にはかなり前の方なのである。
「んー。ステージは、今いる場所の真反対か。遠すぎて面倒だが、ここでスピーチをやってもあまり目立ちそうにないしな……」
相馬が乱暴にドアを開けたことによって、その周辺にいた生徒はかなり驚いていた。しかし言い換えれば、相馬の登場に気づいたのはドアの近くにいた生徒だけであり、ほとんどの生徒は気づいていないのである。
「仕方が無い。真ん中くらいまでは言ってやるか」
真反対まで行こうが中間まで行こうが、労力はさほど変わらない。しかし、そこを何故か渋るのが相馬と言う男である。
――雷掌握、起動――
――派生技・神の肉体、展開――
ゆっくり、堂々と歩き出す相馬。一歩目は床を踏んだが、二歩目からは踏んでいるのは空中だった。
やったことは単純である。肉体を、空中を踏めるように改変したのだ。
基本的に、この手法に意味はない。空を飛びたいのなら体に運動エネルギーを与えればいいし、空中に留まりたいなら座標を固定すればいいのだ。
しかし……目立つ。その一点だけで、相馬はこの方法を選んだのだった。
床から数十メートルほどの高さに至るまでは斜めに空中を登り、その後は真っ直ぐ会場の中心に向かった。次第に教師や生徒たちは、頭上を歩く相馬の姿に気づき始める。
生徒の大半が相馬の姿を見て思ったのは、やっと来たかという気持ちだった。
空を歩いているのは凄い。これほどの現夢想を持つ新入生なら、確かにスピーチをするのも分かる。
しかしそれ以上に、生徒たちは長い時間待っていたせいで疲れていたのである。
対して教師陣は、現れたのが二人でないことに驚いていた。学園長に、おそらく二人は一緒にいるはずだと言われていたからである。
数人の教師が相馬に向かってノイの所在を訪ねたが、その声は相馬に届かなかった。しかしその教師の言葉で生徒たちはまだ待たないといけないことに気づいてしまい、彼らのテンションは大きく下がった。
会場の中心に着いたときには、会場にいる教師と生徒のほとんどが相馬の存在に気づいていた。そして皆が相馬に浴びせる視線に含まれているのは、ほとんどが悪意だった。
万単位の人々からの悪意。常人なら気絶して当然のそれらを受けながら、相馬は軽い口調で呟く。
「うーん。まぁ、こんな態度になるのも当然か。だけどこのままじゃスピーチもしづらいし……ちょいとやりますかね」
ニヤリと笑い、相馬は一呼吸置いてから……小さく告げる。
「我が威を、ここに」
そして相馬は軽く右足を上げたあと、すぐに元の位置に向かって下ろした。
その、瞬間のことだった。
音も無ければ、物理的な衝撃も無い。傍から見ていたら、何も起こっていないと判断を下すであろう光景。
だが。比喩ではなく会場にいた全員が、相馬から発せられた暴虐的な『何か』に、自分が晒されたことに気づいた。
新作を投稿し始めたので、若干ペースが送れるかもしれません。タイトルは「万色を支配する白魔王 ~ステータス極振りどころか全捨てし、スキルに全振りした少女のピーキー無双~」です。
https://novelba.com/indies/works/916999
フォローといいねをよろしくお願いします。いいねは、面白いと思った話だけでいいので。
ドアを轟音を立てさせながら叩き開けてその建物の中に入った相馬は、周りの人目などは全く気にせずに、一人そう呟いた。
「しっかし、こんなに広いとはな……人数的に、仕方が無いんだろうが」
学園の新入生の人数は、一年あたり一万人である。そして学園は五年で卒業であるため、全生徒の人数は約五万人であった。
五万人を一度に収容出来るほどの建物。大きくなるのも当然である。
因みに一クラス当たりの人数は百人で、百クラス。相馬とノイの十三クラスというのは、番号的にはかなり前の方なのである。
「んー。ステージは、今いる場所の真反対か。遠すぎて面倒だが、ここでスピーチをやってもあまり目立ちそうにないしな……」
相馬が乱暴にドアを開けたことによって、その周辺にいた生徒はかなり驚いていた。しかし言い換えれば、相馬の登場に気づいたのはドアの近くにいた生徒だけであり、ほとんどの生徒は気づいていないのである。
「仕方が無い。真ん中くらいまでは言ってやるか」
真反対まで行こうが中間まで行こうが、労力はさほど変わらない。しかし、そこを何故か渋るのが相馬と言う男である。
――雷掌握、起動――
――派生技・神の肉体、展開――
ゆっくり、堂々と歩き出す相馬。一歩目は床を踏んだが、二歩目からは踏んでいるのは空中だった。
やったことは単純である。肉体を、空中を踏めるように改変したのだ。
基本的に、この手法に意味はない。空を飛びたいのなら体に運動エネルギーを与えればいいし、空中に留まりたいなら座標を固定すればいいのだ。
しかし……目立つ。その一点だけで、相馬はこの方法を選んだのだった。
床から数十メートルほどの高さに至るまでは斜めに空中を登り、その後は真っ直ぐ会場の中心に向かった。次第に教師や生徒たちは、頭上を歩く相馬の姿に気づき始める。
生徒の大半が相馬の姿を見て思ったのは、やっと来たかという気持ちだった。
空を歩いているのは凄い。これほどの現夢想を持つ新入生なら、確かにスピーチをするのも分かる。
しかしそれ以上に、生徒たちは長い時間待っていたせいで疲れていたのである。
対して教師陣は、現れたのが二人でないことに驚いていた。学園長に、おそらく二人は一緒にいるはずだと言われていたからである。
数人の教師が相馬に向かってノイの所在を訪ねたが、その声は相馬に届かなかった。しかしその教師の言葉で生徒たちはまだ待たないといけないことに気づいてしまい、彼らのテンションは大きく下がった。
会場の中心に着いたときには、会場にいる教師と生徒のほとんどが相馬の存在に気づいていた。そして皆が相馬に浴びせる視線に含まれているのは、ほとんどが悪意だった。
万単位の人々からの悪意。常人なら気絶して当然のそれらを受けながら、相馬は軽い口調で呟く。
「うーん。まぁ、こんな態度になるのも当然か。だけどこのままじゃスピーチもしづらいし……ちょいとやりますかね」
ニヤリと笑い、相馬は一呼吸置いてから……小さく告げる。
「我が威を、ここに」
そして相馬は軽く右足を上げたあと、すぐに元の位置に向かって下ろした。
その、瞬間のことだった。
音も無ければ、物理的な衝撃も無い。傍から見ていたら、何も起こっていないと判断を下すであろう光景。
だが。比喩ではなく会場にいた全員が、相馬から発せられた暴虐的な『何か』に、自分が晒されたことに気づいた。
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